【ネタバレ』映画「モンスターストライク はじまりの場所へ」感想・考察:大人が忘れてしまった大切なこと、信じること!

アイキャッチ画像:©mixi, Inc. 映画「モンスターストライク」より引用

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

先日、劇場版「モンスターストライク:はじまりの場所へ」を鑑賞してきました。この作品が非常に素晴らしい作品でしたので、今回はYouTubeで公開されているWEBアニメの内容も絡めながら、今作の魅力について語っていきたいと思う。

時系列はどうなってるの?

まず、皆さんは「モンスターストライク」とは何かご存じだろうか?そう「モンスターストライク」というのは今若い世代に大人気のスマホゲームである。

そして2015年にこのスマホゲームのWEBアニメが動画サイトYouTubeにて公開され始め、全51話で完結となった。今回の劇場版はそんなWEBアニメの続編となっている。そのためその予習が必須となって来る。

WEBアニメは全51話だが、1話あたり7分程度なのでサクサク見ることができる。しかし、時間の無い方もいるだろう。と言う事でこの映画のレビューを書く前に、まずは映画を見るうえで必要な要素の解説をくわえながら、WEBアニメシリーズについて説明していこうと考えている。

まず、モンストのアニメ版の時系列を解説しておきたい。まず時系列的には劇場版で描かれる主人公たち4人の幼少期の物語が一番目になる。

そして、その次に映画公開スペシャルと言う事で公開された明と春馬の物語「レイン・オブ・メモリーズ」が、そしてWEBアニメの全51話が後に続く。そして劇場版で描かれる主人公たちが中学生として登場する部分が時系列的には最後になる。この時系列を見ると、劇場版を鑑賞する上で、 WEBアニメ版の予習が不可欠なことは一目瞭然だろう。

キャラクター解説

ではまず簡単にキャラクターの解説をしておこう。まずはWEBアニメ版でメインキャラクターとなる4人の解説をしていく。

焔レン

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用
 

まず、この人物が、本作の主人公、焔レンである。物語の第1話で神ノ原へと転校してくる。かつて神ノ原に住んでいたことは分かっているのだが、どういうわけかその時の記憶を失っている。また父親はどういうわけか登場しない。

そしてスマホの修理の際に不思議なアプリ「モンスト」とオラゴンと呼ばれる子供のドラゴンに出会う。そして突如目の前現れた洗脳されたサラリーマンが召喚したフェンリルXと呼ばれるモンスターとの戦闘を機にモンストの世界へと足を踏み入れていく。

非常に情熱的でリーダーシップを発揮し、仲間想いな性格である。水澤葵、影月明、若葉皆実らとチームを組み、戦闘を続けていく中で、モンストバトルを挑んでくる人たちが何者かに洗脳されている状態であることに気づき、それを解決しようと、3人の元チームメンバーであった春馬の存在にたどり着く。

春馬を見たとき、彼はかつて神ノ原で春馬と出会ったことがあるのではないかという記憶を断片的に思い出す。当初はフェンリルXを使っていたが、物語の中盤からは坂本龍馬と呼ばれるモンスターを扱うようになる。終盤には春馬のルシファーや彼を操っていたメメントモリと対峙し、坂本龍馬や仲間と共に打ち破る。

そしてこの世界の人々からかけがえのない記憶を奪おうとしたバベルないしカルマと対峙し、オラゴン(オルタナティブドラゴン)と共に打ち破る。その戦いの中で彼はかつて、春馬やオルタナティブドラゴンと何らかのかけがえのない思い出を作っていたと言う事を思い出す。

水澤葵

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

次に、水澤葵である。彼女も主人公のレンと同様昔の記憶をなくしている。レンたちとモンストのチームを組んでおり、その戦いに身を投じる。以前に春馬、皆実、明の4人とチームを組んでいたことも明らかになっている。

彼女のモンスターは序盤はフォックスメタル、中盤以降はナポレオンとなる。非常に意志が強く、しっかりとした性格の持ち主である。部活動をしているわけではないが、毎日学校のプールで水泳をすることを日課としている。主人公のレンを支えながら、卑弥呼と対峙した際にはその実力を見せつける。

若葉皆実

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

次に、若葉皆実である。彼女もレンたちとチームを組みモンストをめぐる戦いへと身を投じていく。彼女もまたかつての記憶を失っている。

彼女のモンスターはデットラビッツで、終盤にはナイチンゲールを操るようになる。喫茶店「南風」のマスターの娘で、母親を早くに無くしている。当初は何者かによって洗脳され、レンと葵と対峙するが、レンの身を挺した行動に心を打たれ、正気を取り戻す。

天真爛漫で、非常に他人を思いやる性格で、アニメや漫画の影響のためかやや独特な言葉遣いをする。口癖は「オパリヨ」という謎のあいさつ。彼女もチームを支えていく一方、アリスとの戦いでその真の実力を見せつける。終盤にはナイチンゲールを従え、バベルとの戦いでは大活躍する。

影月明

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

最後に影月明である。彼は特別篇の「レインオブメモリーズ」からわかるように、中学生になってから神ノ原に転校してきた。春馬たちとチームを組んでいたが、春馬の離反によりチームは解散、以降誰ともチームを組まなくなる。

しかしレンのモンスト、仲間に対する強い思いに心を動かされ、レンたちのチームに加入し、モンストの闘いへと身を投じていく。ク―ルな性格で、少し自分勝手な行動をとることもあるが、実は仲間想いである。神威と呼ばれるモンスターを扱う。彼は非常にモンストの技術が高く、ロミオとの戦いではその実力を十二分に発揮する。

バベルとの戦いでも活躍し、カルマとの戦いでは春馬の父親より引き継いだウリエルによりカルマを追い詰める。物語のラストで、自分がはじまりのリング(レン、葵、皆実、春馬が所持)を持っていないことで悩み、レンたちのチームを離れようとする。

これが本作のメインキャラクターの4人である。ここからは物語に関連する重要キャラクター達を紹介していく。

その他のキャラクターたち

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

この4人は神ノ原のモンストランキングベスト4に位置していた人物で、洗脳によってレンたちのチームに立ちはだかるが、のちにレンたちの心強い味方となるキャラクターたちである。

野田茜は皆実の父が経営する喫茶店「南風」の妄信的なファンで、使っているモンスターはリボンである。白浜太陽は主人公たちの友人で、使うモンスターはニルヴァーナである。二階堂純は神ノ原中学校の生徒会長で、扱うモンスターはコノハナサクヤである。そして滝井参仗はドMな性格の持ち主で、使用するモンスターはゼウスである。

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

そして春馬のチームのメンバーも紹介しておく必要があるだろう。

まず白い髪の人物が神倶土春馬である。この人物は幼少期の記憶をなくしており、また母親が何らかの事情で目を覚まさない病に伏している不安から、その心の弱みをメメントモリに付け込まれ、操られている。「レインオブメモリーズ」で春馬と対峙し、彼らのチームから去ると、渋谷でこの4人でチームを結成した。

彼はかつてレンたちと面識があったことがほのめかされている。メメントモリを倒し、正気を取り戻すと、レンたちと共にモンストバトルに身を投じるが、バベルにすべての記憶を抜き取られ、昏睡状態となってしまう。そしてレンの活躍により、意識を取り戻すと、仲間と共にカルマを打ち倒す。

そして一番に左の人物が、大和田薫で筋肉に自身も持つナルシストな性格で、扱うモンスターはロミオ。右から2番目に位置するのが、小林茉利子で、奇抜なファッションに身を包んでいる。扱うモンスターはアリス。そして一番右に位置するのが一ノ瀬志乃である。彼女はチームの参謀的立ち位置で数学を得意とするが、考え事をすると鼻血が出てしまう。春馬に好意を寄せている。扱うモンスターは卑弥呼である。

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テレビシリーズ一挙解説(ネタバレあり)

ここまで全12人の登場キャラクターを解説してきた。ここからはWEBアニメ版全51話分の解説を加えていきたい。

「レイン・オブ・メモリーズ」(映画公開記念スペシャル)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

明が神ノ原へと引っ越してくる。転校してモンストのプレイングから孤立する明に春馬が手を差し伸べ、葵、皆実たちとチームを結成する。しかし母親が眠った目を覚まさない状況への不安にメメントモリがつけ込み、春馬は洗脳されてしまう。雨が降り注ぐ中で、春馬と明は対峙し、ルシファーと神威が激突する。明は春馬に敗れ、春馬は彼の持つはじまりのリングを明へと渡し、チームを離反する。

レン、葵、皆実、明チーム結成譚(1話~12話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

物語は、主人公レンが神ノ原へと引っ越してくるところから始まる。レンはどういうわけか昔、神ノ原に住んでいたころの記憶を失っている。レンはスマホを修理に出した際に、モンストというアプリがダウンロードされていることに気づく、そして突如としてフェンリルXと呼ばれるモンスターを操る男に襲われる。しかし、スマホから当然飛び出してきたオラゴンと呼ばれるミニドラゴンを操り、フェンリルXを倒し、自分のモンスターとする。

レンは葵と共にチームを結成することを画策する。そしてかつてのチームメイト皆実に声をかけるが 、皆実は何者かに操られていた。レンたちは皆実と対峙し、彼女を正気に戻すことに成功し、無事彼女をチームに加える。そして次に同じくチームメイトだった明を勧誘するが、明は春馬以外のメンバーをチームに加えることを良しとせず、レンを仲間だと認めようとしない。

超絶・闘神対峙篇(13~17話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

レンたちのチームは深夜のモンストコロシアムに何かの謎が隠されていると確信し、そこへ乗り込む。そこで彼らは、超絶と呼ばれる強力モンスターイザナミと対峙する。レンたちは苦戦するが、明の協力により、なんとかイザナミを退けることに成功する。

するとそこにモンストコロシアム元チャンピオンであるK(のちに判明するが春馬の父親)が登場し、闘神ドゥームと呼ばれる圧倒的な力を持つモンスターと対峙する。しかし明が扱うモンスター神威の活躍によってなんとかドゥームを退けることに成功する。

そこで、今回のモンストをめぐる騒動の発端が主人公たちの失われた記憶にあることがほのめかされる。そして何かカギを握っているのではないかと、かつてのチームメイトであった春馬を探し出すことを決意する。

渋谷編1(18話~20話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

春馬を探し出すため、レンたち4人は渋谷へと向かう。そこでレンと再会するも、レンのモンスターであるルシファーの圧倒的な力の前に4人はなすすべもなく敗北する。彼は話が聞きたければ、神ノ原のモンストランキングTOP4を倒してから出直してくるよう告げる。

そうして、神ノ原に戻った4人、これまでの経験値によって新たなモンスターを獲得する。これによりレンは坂本龍馬、葵はナポレオンという強力モンスターを手に入れる。

神ノ原四天王篇(21話~27話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

主人公たちは春馬に再び会うために、神ノ原四天王と呼ばれるモンストプレイヤーと対決して勝利することを決意する。しかし、彼らの前に現れる、四天王は皆洗脳されており、正気ではない状態であった。まずは生徒会長の二階堂純との対決。モンスターはコノハナサクヤ。レンは新しく手に入れた坂本龍馬で立ち回るも、上手く操ることができない。

そんな中ナポレオンを使いこなした葵の活躍で何とか勝利する。次にドMな性格の滝井参仗と対決する。モンスターはゼウス。レンは強く引っ張ることに注意を払いすぎたあまり、モンスターを飛ばす狙いが定まっていなかったことに気がつく。そしてレンは坂本龍馬を見事使いこなし、ゼウスに勝利する。次に野田茜との対決。モンスターはリボン。

ここでもレンたちは苦戦するがリボンの動力源が彼女を照らすスポットライトにあることを見抜き見事勝利する。最後に対峙したのが白浜太陽。モンスターはニルヴァーナ。ニルヴァーナは圧倒的な性能を誇ったが、4人の協力プレイによりなんとか打ち倒す。4人は正気に戻り、レンたちの仲間となる。

渋谷編2(28話~35話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

レンたちのチームと神ノ原元四天王の総勢8人で春馬のいる渋谷へと再び向かう。渋谷に到着し、手分けして春馬を探すことになった。すると、渋谷の各地でレンの陣営と春馬の陣営によるモンストバトルが勃発していく。まずは葵VS一ノ瀬志乃(ナポレオンVS卑弥呼)。そして皆実VS小林茉利子(デッドラビッツVSアリス)。さらには明&太陽VS大和田薫(神威&ニルヴァーナVSロミオ)が同時進行で行われる。

その戦いが拮抗する最中、レンの下にルシファーが登場し、春馬に会うために1000匹のバハムートを討伐しろと命令する。レンは苦戦するが、駆け付けた仲間の協力もあってなんとか立ち向かう。しかしあまりの数の多さに万事休すかと思われたとき、坂本龍馬が進化し、強化される。その圧倒的な力によって瞬く間に1000匹のバハムートを退ける。

すると春馬が登場し、坂本龍馬VSルシファーと戦いが始まる。両社の力は拮抗し、両者の闘いは引き分けに終わる。しかし、実は春馬はメメントモリに操られており、レンたちと敵対するよう仕向けられていたのであった。

春馬の秘密・クシナダ決戦篇(36話~43話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

レンたちは春馬を操っていたメメントモリと対峙し、苦戦しながらも何とか勝利し、春馬を洗脳から解放することに成功する。春馬はKが自分の父親であることを明かし、彼が母を昏睡状態から救うために、強力な重力をモンスターを探し求めていること、そのためにモンスターの世界の門であるモンスターゲートを開こうとしていることが明かされる。

そんな中志乃がクシナダと呼ばれる闘神に操られ、レンや春馬と対峙する。志乃を救うため春馬は志乃のモンスターである光属性の卑弥呼を操るというリスクを冒し、クシナダを破ることに成功する。そして志乃のクシナダに操られる直前の記憶を頼りにレンたちはモンストコロシアムの特別階へと向かう。レンたちは特別階に何か見覚えのある雰囲気を感じた。

ラストバトルVSバベル・カルマ篇(44話~最終話)

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©mixi, Inc. アニメ「モンスターストライク」より引用

レンたちがモンストコロシアムの特別階層にたどり着いた時には、春馬の父親がすでにモンスターゲートを開き、バベルを召喚してしまった後だった。レンたちは人々から記憶を奪う力を持つバベルと戦うがその圧倒的な力を前に苦戦する。

そんな中春馬の記憶のすべてがバベルによって奪われ、春馬は昏睡状態になってしまう。しかし、皆実の新モンスターナイチンゲールや記憶を取り戻しオルタナティブドラゴンとして覚醒したオラゴンの力によってバベルを打ち破ることに成功する。

しかし、そこに現れたのはカルマと呼ばれる男。彼は記憶の図書館であるオベリスクを司る闘神であった。彼はレンの仲間たちの記憶を次々に奪い取っていく。レンは坂本龍馬と共に戦うが苦戦する。しかし、春馬の父親から譲り受けたモンスターであるウリエルを明が使いこなし、見事記憶の図書館であるオベリスクの破壊に成功する。

そして記憶を失っていたレンの仲間たちも目を覚まし、全員の一斉攻撃でカルマを追い詰め、ラストはオラゴンがカルマを貫く。これにより奪われた人々の記憶は元通りになる。春馬の母親も無事目を覚まし、主人公たちは神ノ原での幼少期の記憶の一部を取り戻した。

そして映画へと繋がるラスト。明は自分だけがはじまりのリングを持っていないことに劣等感を感じ、突如としてレンたちのチームからの脱退を表明する。そこに突然モンストコロシアムにエポカと名乗る少女が逃げ込んでくる。さらに彼女を追ってゲノムと呼ばれるモンスターが登場する。

ゲノムによってエポカの中に眠る時空の扉が開かれてしまう。そしてゲノムはレンたちの幼少期の時代へと転移、それを追うようにして明も時空の扉へ吸い込まれる。レンたちはその時、幼少期のとある出来事を思い出す。幼少期自分たちのピンチに一人の青年が駆け付けてくれたこと。

ここまでがざっとではあるがWEBアニメ版のあらすじになる。映画版はこの続きからスタートする。

まとめ

ここでWEBアニメ版で残された謎をざっとおさらいしておきたい。

  1. 明の父親はなぜ登場しないのか?
  2. オラゴン=オルタナティブドラゴンとは一体何者なのか?
  3. オラゴンが終盤に取り戻した記憶の中に登場する廃ダムのような場所で何が起こったのか?
  4. モンストコロシアムの特別階の風景にレンたちが見覚えがあったのはなぜなのか?
  5. ゲノムとはいったい何者なのか?
  6. カルマを倒したのにレンたちの幼少期の記憶が戻らないのはなぜなのか?

この辺りが私が個人的にWEBアニメシリーズを見ていて感じた疑問点である。そしてこの疑問に対する答えはほとんど劇場アニメ版で提示される。

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映画版『モンスターストライク みんなの物語』感想・考察

ここからは映画版のレビューをしていきたいと思う。

まずは、表題の通り、この作品は子供向けアニメーション作品ではあるが、実は大人にこそ見て欲しい作品に仕上がっているのである。

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©mixi, Inc. 映画「モンスターストライク」より引用

人間というものは成長していく過程で良い意味でも悪い意味でも大人になっていく。それは社会的な常識を身に着けたり、人格的に成長したり、高度な考え方を身に着けたりポジティブな側面もあるが、一方で子供の時には信じていた希望、夢、正義なんてものが信じられなくなっていく。無意識のうちに可能性を計算して、否定したり、どこかで達観したつもりになり、物事に無関心になったりする。しかしある意味ではそれが大人になるということなのかもしれない。

そんな子供の頃には何の疑いもなく信じていたが、大人になって信じることをやめてしまう数々の大切なものと今回登場するドラゴンの姿が重なるのである。人はドラゴンをいつしか信じなくなった。物語の舞台となるディストピア的なハイテク社会で人々はスマートフォン端末の画面を見つめ、いつしか空を見上げなくなった。子供の頃は純粋に信じれていた大切なものを失ってしまったのだ。

 だからこそあのオルタナティブドラゴンが飛び立つ一瞬のシーンに「懐かしさ」のようなものを感じるのである。おそらくあのシーンを見たとき子供と大人では全く別の反応が得られると思うのだ。子供はただ純粋にその存在に感動するだろう。しかし大人は「懐かしさ」を感じる。それは自分自身が「大人になる」という過程の中で信じなくなった大切なものをあの雄大に羽ばたくオルタナティブドラゴンの姿に重ねるからではないだろうか?

私はあの一連のシークエンスに涙が止まらなかった。その涙はある意味では自分が大人になったと言う事の証明であり、一方で何か大切なものを失ったと言う事の表出なのやもしれない。


 ぜひ、「大人」の視点でオルタナティブドラゴンのシークエンスを、この作品を見ていただきたい。純粋に友情、努力、信頼、勇気、希望、夢、そんなきれいごとのようなことを信じ続け、強大な敵に立ち向かうレンたちの姿に必ず何か感じるものはあると思うのだ。

そしてもう一つ、この映画でお勧めしたいポイントは、レンという主人公の成長譚として素晴らしいという点である。WEBアニメ版で登場するレンは主人公として非常に完成されすぎている。人格的にあまりにも出来すぎているのである。私はどうしてもそこに違和感のようなものを感じていた。

しかし、この映画で描かれる幼少期のレンは非常に欠点の多い人物である。仲間なんて関係ない自分がよければそれでよいという自己中心的な性格であり、熱中すると周りが見えなくなるし、短気だ。この映画版ではそんなレンが数々のピンチを招き、仲間と衝突する。

でもレンは父親がいなくなっても自分は強くあらねばならないという一種の使命感から虚勢を張っていたのであった。そんな強がりを認め、仲間の前で涙を流すレン。そして強大な敵を前にして、仲間に協力を求めるレン。

その姿にただただ心を打たれる。主人公の成長譚としてはあくまで王道中の王道である。しかし、WEBアニメ版であの主人公として完全無欠なレンの姿を見ているからこそ、この泥臭い友情、努力、勝利の方程式がいっそう強調されているのである。

映画に残された疑問点

ここからは完全に映画本編のネタバレを含めて先ほどの疑問点に関する個人的な見解を書いていきたいと思う。

明の父親に関して

明の父親はオルタナティブドラゴンを発見し、そしてそのまま失踪してしまった。レンはオルタナティブドラゴンの姿に父親を重ねていたが、ドラゴン自体が父親であると言う事はないと思う。つまり、映画本編においても結局父親の失踪の理由は明かされなかったように思う。

オラゴンについて

オラゴンはWEBアニメでは記憶を失っており、最後に記憶を取り戻して覚醒した。オルタナティブドラゴンはモンスターゲートから闘神が出てこないよう見張っていた門番的な存在であった。そして、WEBアニメ版で記憶を失っていたのはアカシャによって記憶を奪われていたからであると判明した。

廃ダムでの出来事

廃ダムは(映画版ではダムとして健在)オルタナティブドラゴンとアカシャのラストバトルが行われた場所で、ここでレンたちはアカシャに勝利し、世界を救ったのであった。

モンストコロシアム特別階の風景

ここは、かつてオルタナティブドラゴンを使った兵器の研究所ないし、モンスターゲートが開かれていた場所であった。劇中で幼少期のレンたちは研究所に忍び込み、WEBアニメ版でも登場した昇降機で、オルタナティブドラゴンとモンスターゲートの場所へと向かっていく。そこで研究員として働いていた春馬の父だからこそこの場所でモンスターゲートの研究を進めることができたのである。

ゲノムとは

ゲノム自身が闘神というわけではなく、彼は闘神の力を使って世界を掌握しようとしていた。

レンたちの記憶について

レンたちの記憶がカルマを倒しても戻らなかったのは、実はレンたちの記憶はアカシャという今作最大の敵に奪われていたからであった。

謎はいくつか解明したが、やはり残された謎も多い。レンの父親についてはいまだ不明な部分が多い上、闘神たちの関係性もよくわからない。アカシャやバベルはほかの闘神たちとどのような関係性に会ったのだろうか?

おわりに

不満点がないわけではない。しかし、WEBアニメ版で日の目を見なかった明に活躍の場が与えられたことにも感謝したいし、多くの謎を解明させてくれたことも事実だ。

この作品はスマホゲーム「モンスターストライク」が原作になっている。スマホゲームというものはひとたびそのメモリー(記憶)が失われてしまえば、おしまいである。

しかし、そのゲームを通して生まれた思い出や記憶はかけがえのないもので永遠のものである。ネット社会の希薄な人と人とのつながりに警鐘を鳴らしているようにも取れるこの作品だが、それをスマホゲームの会社が作っているというのだからこれまた面白い。

ぜひ、この「モンスターストライク はじまりの場所へ」を見て、何か大切なものを重ね合わせ、ひと時の懐かしさに浸ってもらいたいと思う。

このアニメは「大人」にこそ見て欲しい。そう思う。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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