「響け!ユーフォニアム2」第13話 感想・考察 【動線と構図が生み出す世代交代演出】

アイキャッチ画像:©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回は「響け!ユーフォニアム2」の第13話のあるシーンの演出について語っていきたいと思います。今回の内容を語るにあたって先日当ブログに投稿した第10話の記事を読んでおいていただけるとよいかと思います。

参考:「響け!ユーフォニアム2」第10話 感想・考察 【動線と構図が生み出す境界線演出】

この第10話の記事で書かせていただいたのは、あすかと久美子のユーフォニアム演奏時の視聴者側から見たポジション(あすかが左、久美子が右) の変化が2人の人間関係の変化を表現するための演出として用いられたのではないか?という考察でした。




そして今回の第13話でも、その2人のホームポジションの変化でもって北宇治高等学校吹奏楽部ユーフォニアムパートの世代交代を表現して見せたのだ。

第13話に見る動線と構図の演出

第13話の卒業式のシーン。久美子はあすかの姿を探すも、なかなか見つからない。そして校門から少し入ったところであすかと遭遇する。

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

この時点では、まだ2人の位置関係はあすかが左、久美子が右である。この位置関係は前回の記事から書いてきたように、視聴者が一番違和感を感じない2人のホームポジションであります。

久美子はあすかに対する複雑な感情を伝えます。自分の素顔を見せてくれないあすかがずっと苦手だったこと、でも今は大好きであること、そしてあすかのようにユーフォニアムが演奏できるようになりたいということ、そんな「特別な」後輩からの心からのメッセージをあすかは受けとめます。

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

そしてあすかは父からもらった大切な楽譜を、「響け!ユーフォニアム」の楽譜を久美子へと渡します。この楽譜はあすかを全国の舞台まで導きました。あすかは、この曲を純粋に愛してくれた久美子に、「特別な」後輩にそのバトンを渡したのでしょうか?

この楽譜はあすかのこれまでの人生そのものといっても過言ではないほどに大切なものであります。それゆえ、この楽譜を渡すと言う事は非常に大きな意味合いがあると考えています。またこれを渡すことがあすかのある種のイニシエーションともとれるかと思います。

そしてあすかは去っていきます。

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

ここで、あすかは久美子の左側から右側へと移動していきます。ここで2人のホームポジションが崩れます。いつも久美子の左側にいたあすかの姿はもうそこにはありません。

そしてあすかは階段を下っていき校門を出ていきます。さよならは言わない、2人は再会を誓います。そうしてあすかは去っていくのでした。

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©武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 「響け!ユーフォニアム2」より引用

空白の左側。そこにあったものの偉大さをひしひしと感じさせるカット割りです。しかし、そんな喪失感はまた人を成長させるのではないでしょうか。それは父親の喪失感からユーフォニアムに打ち込んできたあすかがそうであり、そして偉大な先輩であったあすかの卒業による喪失感から久美子が成長していくであろうようにです。

第10話の時点でアニメ「響け!ユーフォニアム」の動線と構図の演出に関してまだ仮説にすぎないとは思っていましたが、最終回の重要な局面で、このように動線と構図が意識されていると言う事は、やはりこの演出は監督の意図するところなのだと思いました。

おわりに

セリフで多くを語るのではなく、アニメという映像メディアだからこそできる演出で、語らずとも語る。アニメの見せ方の神髄の1つがここに垣間見えているように思います。

みなさんも映画やアニメを見るときに、単純にストーリーやセリフだけを追うのではなく、少し立ち止まってその映像に目を凝らしてみてください。きっと新たな発見があることと思います。

おわりに

映画『リズと青い鳥』なんかでもこういった動線や境界の演出は光っていました。やはり『響けユーフォニアム』シリーズの演出は素晴らしいですね。

参考:『リズと青い鳥』はアニメ演出の最先端を行く!!

原作での今後の展開にも期待しております。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。




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