【ネタバレあり】『コーヒーが冷めないうちに』感想・解説:4回泣けたけど、理解に苦しむ映画だった。

アイキャッチ画像:©2018『コーヒーが冷めないうちに』製作委員会 予告編より引用

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね映画『コーヒーが冷めないうちに』についての感想と解説を一部ネタバレありで書いていこうと思います。

ネタバレを含む内容についてお話する際は改めて表記いたします。作品を未鑑賞の方はお気をつけくださいますよう、よろしくお願いいたします。

良かったら最後までお付き合いください。

『コーヒーが冷めないうちに』

あらすじ

時田家が経営するカフェ「フニクリフニクラ」には或る席に座りコーヒーを飲むと、望み通りの時間を訪れることができるという不思議な言い伝えがありました。

しかし、その時間移動をするためのルールがいろいろとややこしいのです。

この時間移動では過去に行くこともできますし、未来にも移動することができます。

ナガ
まあ普通のタイムトラベルだよね。

ただし、既に移動先の時間で生じている出来事を変えることはできません。つまり時間を超えて鑑賞することはできないということです。

ナガ
タイムパラドックスを生じさせないための設定とも言えるね!

まだルールはありますよ。「フニクリフニクラ」の中でタイムトラベルできる座席は1席のみ。しかもその座席には常に先客がいます。

ナガ
え?どゆこと?

本を読んで、コーヒーを読んで、尿を排出するだけの永久機関のような女性がその席に座っていて、その人がトイレに行くために座席を立ったそのわずかな時間だけ、他の人が座ることができるんですね。

ナガ
コーヒーを飲んで、尿を排出するだけの生き物?何、そのディストピア感(笑)

それだけではありません。これが一番面倒なのですが、タイムトラベルした際に、淹れてもらったコーヒーを冷めないうちに飲みきらなかった場合、その時間に閉じ込められてしまうんです。

ナガ
え?急にホラー要素出てきたじゃん・・・。

ちなみにその時間に閉じ込められると、本を読み、コーヒーを飲んで、尿を排出するだけの永久機関となります。

ナガ
え~~~!!!その条件怖すぎる!!!しかも起こったことは変えられないんでしょ!?

確かに起こったことは変えることができません。それでも、人の思いは変わります。そして現在と未来はまだ開かれていて、自分の力で作り上げていくことができます。

そのために過去と向き合う。自分と向き合う。その機会を与えてくれるのがこのタイムトラベルたりうるかもしれないということです。

今作『コーヒーが冷めないうちに』では4つの物語が半オムニバス形式的に描かれ、それぞれの登場人物が過去と向き合い、未来を変えようと前に進み始めます。

そんな登場人物たちの姿に、明日を生きる勇気をもらえる映画となっています。

スタッフ・キャスト

『コーヒーが冷めないうちに』の原作を著したのは、同作で「本屋大賞2017」にノミネートされた川口俊和さんです。

映画版の監督を務めるのが塚原あゆ子さんでこれまでテレビドラマの演出を担当されてきた方ですね。特に2018年放送の「アンナチュラル」という石原さとみ主演のドラマは大きな注目を集めました。

脚本を担当されたのが奥寺佐渡子さんですね。もう彼女の脚本は多くの人がご存知でしょう。長年細田守監督とタッグを組み、その脚本を担当してきました。

『時をかける少女』や『サマーウォーズ』といった細田監督作品の代名詞に宿るダイナミズムは奥寺脚本あってのことだったということが今年『未来のミライ』が公開されたことでようやく多くの人の知るところとなりました。

『コーヒーが冷めないうちに』が奥寺脚本だと聞くと、それだけで見てみたくなる程のネームバリューだと個人的には思っております。

そして劇伴音楽を担当されているのがこれまで数々のアニメや映画に参加してこられた横山克さんです。映画「ちはやふる」の劇伴もこの方が担当されていますし、アニメ「四月は君の嘘」の劇伴もこの方です。私も横山さんの劇伴が大好きなので、彼が作品に参加しているというだけで、そのメロディを聞くために映画を見たいという気持ちに駆られてしまいます。

映画を見てもっと聞いてみたいと思った方は、サントラを購入するのもアリかもしれません。

本作の主演を務めるのが、人気若手女優の有村架純さんです。

ナガ
有村架純ってちょっと太ってるように見えるよね~

実は当ブログ管理人は「ナラタージュ」という松本潤さんと有村さんが出演していた映画の舞台挨拶で、実際に彼女を拝見したことがあります。

もうね、この世のものとは思えないくらい細かったです。とにかく足が細い!!

テレビや映画って実際に見ているよりも何割か増しでふっくらして見えるんですよ。そのため有村架純さんもこの映画で見てみると。少しふっくらしているように見えます。ただ実物は尋常ではない足の細さと、衝撃の顔の小ささであるということは申し上げておきます。

他にも伊藤健太郎、波瑠、林遣都といった若手俳優から、吉田羊や薬師丸ひろ子、松重豊といった実力派俳優に至るまで豪華キャストが集結しており作品に華を添えています。

このスタッフ・キャストの陣容であれば、見ないわけにはいかないでしょ!!なラインナップですね。

より詳しい映画情報は公式サイトを参照してみてください。

参考:映画『コーヒーが冷めないうちに』公式サイト

感想:ちゃんと4回泣けました。

この『コーヒーが冷めないうちに』という映画には「4回泣けます」というキャッチコピーがついていて、公開前から映画ファンの間でも本当に4回泣けるんだろうか?ということが話題になっておりました。

ナガ
きちんと過不足なく、ぴったり4回泣けるのか?という点が見所だったよね(笑)

そもそもなぜ「4回」なのか?3回や5回ではなく、4回なのかという点が気になる方もいらっしゃるかと思うんですが、これは『コーヒーが冷めないうちに』という作品が4つの物語のオムニバス的な構成になっていることが理由です。

ナガ
つまり1ドラマ1泣きすれば、4回泣ける計算になるわけだ!!

その通りです。きっちりと4回泣こうと思ったら、絶対にそのペースを意識しないと辿りつけないのです。マラソンと同じでペース配分が肝要ということですよ。

そんなことを思いながら映画を見始めると、最初に登場したのが波瑠演じる美子と林遣都演じる五郎の恋愛ドラマでした。

「まずは一泣き。」と身構えていたのですが、まあこれが恐ろしいほどに感動しないのです(笑)

物語の詳細は映画をご覧になって確かめて欲しいのですが、このエピソードに関しては泣ける要素が全くと言って良いほどにありません。

ナガ
出だしから出遅れちゃったじゃん!!

そうなんです。このままでは「4回泣けます。」が達成できなくなってしまうと焦りに焦った私。次に登場したのが、認知症の妻佳代とそれを支える夫康徳の物語でした。

私、このエピソードだけで一気に「4回」泣きました。

ナガ
えっ?一気に4回泣いちゃったの?

おそらくですが、このエピソードを原作で読んだとしても私は泣かなかったと思います。ただ、薬師丸ひろ子さんと松重豊さんの演技がとんでもないんですよ。

あんな表情見せられたら泣くに決まってるじゃん!!

もう完全に役者2人にしてやられたという印象です。やっぱり俳優の力ってすごいなあと思いました。

ただここで私が懸念していたのは、すでに「4回」の泣きを消化してしまったことです。この後1回でも泣いてしまえば、「4回泣けます。」のキャッチコピーが崩れてしまいます。当ブログ管理人の涙腺バルブはゆるゆるです。これはもう耐えきれないだろうと腹を括りました。

3つ目のエピソードが吉田羊さんが演じる八絵子と交通事故で亡くなった彼女の妹とのエピソード。

これに関しては感動しないわけではないんですが、泣くには至らずでした。すごく良い話なんですけどね。

最後に本作『コーヒーが冷めないうちに』のメインディッシュとも言える有村架純さん演じる数と彼女の母との物語になるんですが、これがもう全くもって泣けなかったです。

作品のクライマックスに差し掛かるにつれて、どんどんと感動が薄まっていき、頬も乾いていきました。

ナガ
あ!ということは?

そうなんです。松重豊さんが出演している2つ目のエピソード以降、全く泣いていないので、私が『コーヒーが冷めないうちに』を見ている最中に泣いた回数はぴったり「4回」なんです。

ナガ
あのキャッチコピーは嘘ではなかった!!

ただ「4回泣ける。」のは薬師丸ひろ子さんと松重豊さんが出演しているエピソードだけでしたし、物語に泣かされたというよりは、2人の表情にしてやられました。

何はともあれ「4回泣けます。」という触れ込み自体は嘘ではなかったようです。

ただ4つのエピソードがあるからと言って、1エピソード1泣きできるとは思うなよぉぉぉぉ!!!!ということですね。はい。

みなさんはどのエピソードに心動かされましたか?良かったら感想をお聞かせください。

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解説:とにかく作品内ルールを守る気がない!(ネタバレ注意)

ここからネタバレになるような内容を含みますのでご注意ください。

章題にもしましたが、この『コーヒーが冷めないうちに』という映画はとにかく自分で提示したルールを守る気がさらさらないというのがひどくてですね、これが感動を削ぐ最大の要因になっていたと思います。

まず、今作のタイムトラベルの最大の肝は移動した先の時間で「すでに起こっている出来事」を改変することはできないという設定です。

1つ目の波瑠さんと林遣都さんが出演している恋愛ドラマパートでは、そのルールがきっちりと守られていて、これはタイムトラベルというよりもある種、夢の中にトリップしているようなシステムなのかな?と想像させてくれるわけです。

つまり過去に戻っているというよりも、過去のある時間に戻っている夢を見ているような感覚なのではないかと推測できます。そうすればタイムパラドックスを引き起こさずに済みますから、これは非常に巧い設定だと思いました。

しかし、そのルールは2つ目のエピソードで簡単に破られてしまうこととなります。

松重豊さんが演じている康徳は、過去に戻って認知症で自分のことを忘れてしまう前の八絵子に会って、彼女が渡そうとしていた手紙を受け取ろうとします。

ナガ
つまり過去の時点では手紙は受け取れなかったってことだね。

そうです。ただコーヒーを飲み干して、現在に戻ってきた康徳は「過去」で受け取った八絵子からの手紙を持って帰ってきてしまっているんです。

ナガ
え?それって過去が改変されてしまってるよね??

間違いなく過去が改変されています。手紙を受け取れなかった過去が、手紙を受け取ることができた過去にすり替えられています。この事象を一体どう説明しろというのでしょうか。

3つ目のエピソードでは、またそのルールが順守されるのですが、4つ目の有村架純演じる数のエピソードに差し掛かると突然後出しじゃんけんのように、タイムトラベルできるのは過去だけではなくて、未来も可能などという後付け設定が登場します。

『コーヒーが冷めないうちに』って今は変えられないけど、未来は自分の力で変えていけるというメッセージを打ち出した作品だったはずですよね?

そんなテーマ性の作品に、「未来にもタイムトラベルできる」設定を持ち込んでしまったら、いくらなんでも作品の軸がぶれると思うんですがね・・・。

それはさておきですよ。とにかくこの4つ目のエピソードは謎が多すぎて、これまで数々の難解映画作品の考察に取り組んできた当ブログ管理人も白旗を揚げざるを得ない状況です。

ナガ
とにかく意味不明だよね(笑)

「時をかける少女」よろしく未来から数と亮介の娘がやって来て、数のためにコーヒーを淹れて、彼女を母親と過ごしたクリスマスの時間まで戻してあげるんですね。そうして数はようやく自分の過去を清算することができ、亮平とそして娘との生活を受け入れることができるんですが、これは「過去が変わっている」とは言わないんですかね?

そもそもこの『コーヒーが冷めないうちに』という作品は、どこに「変わらない」の基準となる時間軸を置いているのかが不明なんですよ。これをきちんと設定していないがために見る人が頭を抱えることとなります。

現在の時間軸をもってして「変わらない」と言っているのか、それとも全ての時間の流れを必然的なものとして見ている超越的な視点から見ての「変わらない」なのかがイマイチ分からないんです。

というのも未来の時間軸では、「過去の数を変えてやろう」という明確の意図が働いた上で、数と亮介の娘はタイムトラベルをしてきたわけですよ。だとすれば、これはこの作品のルールを完全に無視しています。

もうとにかく意味が分からないというのが本音です。

ここまで作品内ルールを蔑ろにされてしまうと、コーヒーが冷める前に、見ている我々の心が冷めきってしまいます。

解説:母がラストシーンで読んでいた「モモ」から読み解くメッセージ

皆さんは、数の母親が最後に読んでいた本のタイトルに気がつきましたか?

実はこれがミヒャエルエンデの童話『モモ』なんですよ。

モモという少女が時間泥棒と戦って、世界に時間を取り戻すというプロットの童話なのですが、これが映画の終盤に登場するのは極めて示唆的と言えます。

時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。

なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。そして人のいのちは心を住みかとしているからです。

(ミヒャエル・エンデ『モモ』より引用)

『コーヒーが冷めないうちに』を見ていると、『モモ』のこの一節を思い出しました。

「人のいのちは心を住みかとしている」言葉は本作に強くリンクすると思いませんか。すでに起こっている出来事は変えられないけれども、「人の思い」は変わります。そして思いが変わることによって、これからの「時間」をどう生きるかを自分で改めて決めていくことが可能になります。

それこそが今作の「すでに起こっている出来事を変えられない」というルールに拘束された(矛盾しまくりですが)タイムトラベルの意義とも言えるわけです。

つまり、フニクリフニクラでコーヒーを飲んで、尿を排出するだけの永久機関と化していた数の母親は、数が「今」を生きていないことの表象でもあったんですよね。彼女はずっと過去に囚われていて、今を生きることができていませんでした。

しかし、タイムトラベルを通じて彼女は「今」そして「未来」という時間を取り戻したんですよ。モモが世界に時間を取り戻したのであれば、数は自分の世界に時間を取り戻しました。

だからこそラストシーンで、母親の姿は喫茶店から消えてしまっていました。

『コーヒーが冷めないうちに』はまさに時間と、そして生きることの大切さを改めて教えてくれる映画でしたね。

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おわりに

いかがだったでしょうか。

ここまで映画『コーヒーが冷めないうちに』についてお話してきました。

もうプロットに関して言うならば、穴だらけという有り様でしてとても褒められるような内容ではないのですが、この作品が伝えようとしている思いはすごく大切なことだと思いました。

「4回泣けます。」というキャッチコピーが話題にこそなりましたが、松重豊さんと薬師丸ひろ子さんのエピソードはめちゃくちゃ泣けるので、見ておいて損はないです。あとのエピソードはそんなに感動しません(笑)

ただこの映画において一番切ないのは、石田ゆり子さんの役ですよ。

皆さんは石田ゆり子さんがコーヒーのCMに出演していたことを覚えていますか?

ナガ
お疲れ様と言って缶コーヒーを手渡してくれる天使!!

そんな彼女が『コーヒーが冷めないうちに』に「コーヒーを飲んで、尿を排出するだけの永久機関」として登場するんですよ!!こんなに切ないことが他にありますか??

ナガ
しかも有村架純さんにコーヒーをがぶ飲みさせられて、無理矢理尿を排出させられてたよね(笑)

わしはそんな姿見とうなかった!!

でも、ラストシーンでは幸せそうだったからOKです(笑)

閑話休題。映画『コーヒーが冷めないうちに』に興味のある方はぜひぜひ劇場でご覧になってみてください。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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