【ネタバレあり】『サニー永遠の仲間たち』感想:大人のための最高の青春映画だ!

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はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね映画『サニー永遠の仲間たち』についてお話していこうと思います。

大根監督が本作をリメイクした映画が公開されるということで、久しぶりに見返したので、その感想を綴っていこうと思います。記事の都合上一部ネタバレになる要素が含まれますので、ご注意ください。

良かったら最後までお付き合いください。

あらすじ・概要

ナガ
思わず自分の青春が蘇り、涙が止まらなくなる傑作!!

夫や娘に囲まれ、幸せながらもどこか満たされない毎日を過ごすイム・ナミは母の入院先の病院で高校時代の友人であったハ・チュナと再会します。しかし、彼女に残された余命はわずか2ヵ月でした。

彼女はナミに死ぬ前に「サニー」のみんなに会いたいと告げます。「サニー」というのは、ハ・チュナを中心にして構成されていた高校生時代の仲良し7人組のことでした。

イム・ナミは、彼女のためにかつての仲間を探すことを決意します。高校最後の文化祭の日以来会っていない「サニー」のメンバーを探す日々。その中でナミは青春時代の自分を取り戻していきます。果たして、7人は再会することができるのでしょうか?

『サニー永遠の仲間たち』は2011年に韓国で公開された作品で、国内で700万人の動員を達成した大ヒット作品です。日本でも2012年に公開され、大きな話題となりました。

監督を務めているのは、カン・ヒョンチョルです。カン・ヒョンチョル監督は前作の『過速スキャンダル』でも国内動員800万人を達成しており、2作続けてのスマッシュヒットとなりました。

キャラクター

イム・ナミ

高校時代:韓国の漁村(貝が有名らしい)からソウルの高校に引っ越してきた少女。話し言葉の訛りが強く、転校初日からクラスで嘲笑の対象にされるが、クラスのリーダー格的存在のハ・チュナに気に入られ、彼女らの友人グループ「サニー」に加わることとなる。

現在:夫と娘と共にどこか満たされないながらも幸せな日々を送る主婦。母の入院先の病院で、ハ・チュナに再会し、彼女の余命がわずかであることを知る。彼女の頼みを受け入れ、「サニー」のメンバー探しに奔走する。

ハ・チュナ

高校時代:クラスのリーダー格的存在で、転校初日に自分の前の席に座っていたイム・ナミを気に入り、彼女を自分たちの友人グループに加える。常に仲間想いで、天性のリーダー気質。

現在:末期がんに侵され、余命僅か2ヵ月と宣告されている。病室で偶然再会したイム・ナミにかつての仲間である「サニー」のメンバーと再会させてほしいと頼む。結婚はしておらず、肩書は社長である。

チャンミ

高校時代:転校してきたイム・ナミのとなりの席に座っていた少女。少し肥満気味で、二重に憧れている。明るい性格で、「サニー」のムードメーカー的存在。

現在:保険会社で働いているも、思うように営業成績を上げられず「クビ」の二文字がちらついている。相変わらず肥満気味で、二重になる整形への憧れも変わらない。

ジニ

高校時代:口が悪く、他の友人グループとのいざこざになると、持ち前の毒舌を振り撒く。

現在:裕福な旦那と結婚していて、お金持ち。それだけでなく、顔の整形手術を徹底的に施し、豊胸手術まで行っているという有り様。「サニー」のメンバーとの再会を毛嫌いするが、夫の浮気発覚なども重なり、イム・ナミらの手伝いをすることとなる。

クムオク

高校時代:文学少女で、将来は小説を書くことを夢見ているが、凶暴で、いざこざが起こると武器を振り回して戦う過激派。

現在:姑との関係性に悩まされ、家に閉じ込められる日々に嫌気がさしている。「サニー」のメンバーとの再会にも前向きだが、姑に目を光らされている状況では家から抜け出せないと嘆く。

ポッキ

高校時代:髪の毛の手入れに余念がなく、将来はミスコリアになるのだと夢見てやまない少女。

現在:両親の美容院が潰れ、借金を抱えたことなどもあり、大学を中退せざるを得なくなり、生計を立てるために水商売に従事する。子供が1人いるが、精神的に病んでおり、子供と一緒に暮らすこともできない状況。

スジ

高校時代:クラスで一番の美人で、雑誌のモデルとしても活躍している。

現在:「サニー」のメンバーの中で唯一足取りが掴めない人物。イム・ナミらは最後の賭けとして新聞広告で彼女を探し出そうとする。

感想:これは大人のための最高の青春映画だ!

日本でも青春映画として作られる映画はたくさんありますが、それらはどちらかというと「青春真っ盛り」の少年少女を題材にした作品が多くて、どちらかというと若年層向けに作られています。少女漫画の実写化映画は、毎年何作品も公開されていますが、そのメインターゲットはティーン層です。

そう考えると、この『サニー永遠の仲間たち』という映画は日本人にとっては少し珍しく感じられる青春映画なのかもしれません。なぜならこの映画は「40歳の青春映画」なんですよ。

ナガ
まさに大人のための最高の青春映画ってことだね?

そうなんですよ。40歳に現在の視点があって、そこから高校時代をナラタージュ形式で物語が進行していきます。かつてあんなに輝いた「サニー」のメンバーたち。笑って、泣いて、ぶつかり合った刹那的で、刺激的な時間。

しかし、それらはもう2度と取り戻せないところにありました。「サニー」のメンバーたちとは、高校の文化祭以来溝が出来てしまい、会うこともなくなりました。

愛のない家庭で満たされなさを感じるイム・ナミ。余命残り僅かのハ・チュナ。保険会社からの「クビ」間近なチャンミ。整形しお金持ちと結婚するも満たされないジニ。姑に悩まされ、家に縛り付けられているクムオク。水商売に身を落としたポッキ。

「サニー」のメンバーの現在はあの頃の輝きからは程遠く、くすんでいて、やりたいこともできないまま、絶え間なく過ぎていく時間に忙殺されています。

しかし、彼女たちはかつての友人たちと再会する中で、少しずつ無限の輝きを秘めていたあの頃の日々を思い出します。そして少しずつメンバーを取り戻していくプロセスで、「40歳になっても」まだまだ輝けるんだという自信を取り戻していくんです。

ナガ
それを気づかせてくれるあのDVDの演出がまた憎いよね!!

そうなんです。ここで手紙や言葉ではなくて映像を使うのが何とも映画らしいですよね。「サニー」のメンバーたちがそれぞれに将来の自分へのメッセージを吹き込んでいる映像には、何の疑いもなく無邪気に信じられていた明るい未来への展望が詰め込まれています。

このシーンはもう感動で、涙が止まらなくなりました。大人になると、誰しもが良くも悪くも要領が良い人間になってしまうんです。自分が何かになりたいとか、こんなことをやってみたいと思っても、いろいろな柵があったり、損得勘定で自分にメリットがないと切り捨ててしまったりするんですよ。

だからこそ何の打算も無く、自分の内側からあふれ出る純粋な情熱から溢れ出た「夢」を語る自分の姿を大人になった自自分が見た時に、自分が酷く「汚れて」しまったような気がして無性に涙が止まらないんです。

青春は一度失ったらもう取り戻せないものなのかもしれませんし、逆に言うなら一瞬だからこそ輝かしいものなのでしょう。それでも人はいつだって「青春」を始めることが、取り戻す事ができるんだと、この『サニー永遠の仲間たち』という映画は感じさせてくれます。

大人になったからと言って、常に「大人」である必要なんてないんです。大人になっても、まだまだ「青春」を諦める必要なんてないんです。あの頃の輝きはいつだって自分の中にあり、自分の背中を押してくれているんだと強く勇気づけられる、そんな映画だったと思います。

だからこそこの映画は今まさに青春を謳歌している人というよりも、青春が「あの頃」になってしまった大人にこそ響く「大人のための青春映画」なんだと思います。

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解説:間違いなく日本版ではカットされる80年代韓国情勢の反映

大根監督のリメイク版で、『サニー永遠の仲間たち』に登場する韓国80年代の時代背景はさすがに踏襲されないと思いますので、オリジナル版の解説としてここでは少し触れておきたいと思います。

皆さんは「光州事件」って聞いたことがありますでしょうか?これは1980年に韓国で起きた大規模な市民デモ(武装蜂起)なんです。全斗煥大統領が軍の実権をも握っており、実質独裁体制だった韓国では民主化を求めるデモがたびたび起こっており、その中でも「光州事件」は1つ大きなものでした。

『サニー永遠の仲間たち』でもイム・ナミの兄が学生運動に参加しているという設定があったり、彼女たちが暮らしているソウルで大規模なデモ運動、武力衝突が起こっていたりと、80年代のソウルの状況が克明に反映されています。

ナガ
でも、なぜわざわざ青春友情映画なのに社会問題を描く必要があったのかな?

そこが疑問に思うポイントですよね。実は韓国ってそれまで独裁政権下で文化統制や思想統制が敷かれていたんですよ。そのため外国の文化に対して排他的でした。これは江戸時代に日本が鎖国をしていた時に取ったアプローチと要は同じです。例えば日本はキリスト教を排除して、朱子学に力を入れましたよね。これは封建制を維持していく上でキリスト教的な考え方の流入が邪魔になるからであり、逆に朱子学的な思想は封建制を合理化してくれるものだったからです。

しかし、先ほども紹介した光州事件のような大規模な民衆蜂起を経て、今度は韓国政府は市民の目をくらませるために一挙に外国文化にオープンになったんですよ。スポーツ、セックス、音楽、映画といっ外国の娯楽が大挙して押し寄せ、韓国国内に流入していきました。

これは映画『グラディエーター』をご覧になった方は、ピンとくるんじゃないかと思いますが、皇帝コモドゥスと同じやり口ですよ。コロッセウムで毎日のように剣闘士たちを戦わせて、市民の目をそちらに向けさせておいて、元老院の力を削いでいくという「目くらまし」の手法ですよ。

シンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」、ボニーMの「Sunny」といった楽曲が『サニー永遠の仲間たち』という作品を彩るわけですが、1980年代にこういった洋楽が韓国にあるという状況が80年代の「光州事件」以降の政府の融和政策にあるからこそ、時代背景をきっちりと描いておく必要があったんですね。

そういった歴史・社会背景を知った上で見てみると、違った視点でも楽しめる内容ですよね。

ナガ
民主化を「サニー」のみんなの物語に重ねることもできるよね!!

実はそうなんですよ。民主化って要は主権を市民の手に取り戻すということを指します。現在の「サニー」のメンバーたちって、誰しもが「あの頃」とは違って、誰かに縛られて、窮屈に生きていますよね。

それは家庭であり、夫であり、姑であり、貧困であり、会社でもあります。『サニー永遠の仲間たち』はそういった自分の人生から主権を剥奪していくものから、彼女たちが「主権」を取り戻す映画でもあるんですよね。

おわりに

はっきり言うと、この『サニー永遠の仲間たち』という作品はもうマスターピースなんですよ。だからこそ大根監督がリメイクするとなると相当高いハードルが据えられることは間違いありません。名作をリメイクするというのは、とても難しいことです。

予告編を見ていると、プロット的にはほとんど今作『サニー永遠の仲間たち』のものを踏襲することが予想されますが、わざわざリメイクするわけですから、何かしらのサプライズを用意してくれていないと拍子抜けですね。

一体大根監督はどんなアプローチでこの映画をリメイクするのでしょうか。曲をJ-POPに変更しただけとかだったら「2018年ワースト映画」待ったなしですよ(笑)

日本リメイク版をご覧になる予定の方、ご覧になった方は併せてこのオリジナル版も鑑賞して見て欲しいですね。

大人向け青春映画の大傑作だと自信を持っておすすめします!!

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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