【ネタバレ無/感想・解説】映画「アトミックブロンド」:鑑賞前に知っておきたい5つのポイントを徹底解説

アイキャッチ画像:(C)2017 COLDEST CITY, LLC.ALL RIGHTS RESERVED. 

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね、いよいよ10月21日に公開が迫った映画「アトミックブロンド」ですが、その公開前に知っておきたい5つの項目ということで、個人的な映画の注目ポイントなんかをお話ししていけたらと思います。

ネタバレに関してですが、この記事を書いている私が、現時点で作品未鑑賞ですので、予告編以上のネタバレのしようがありません。作品を鑑賞した後には、改めて作品の感想も追記しようとは思いますが、あくまでこれから作品を見ようとされている方にも読んでいただけるような内容にできたらと思います。

良かったら最後までお付き合いください。

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あらすじ・概要

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」や「ワイルド・スピード ICE BREAK」など近年はアクション映画でも活躍の幅を広げているシャーリーズ・セロンが、MI6の女スパイを演じた主演作。アントニー・ジョンソンによる人気グラフィックノベルを映画化したアクションスリラーで、「ジョン・ウィック」シリーズのプロデューサーや「デッドプール」続編の監督も務めるデビッド・リーチがメガホンをとった。冷戦末期、ベルリンの壁崩壊直前の1989年。西側に極秘情報を流そうとしていたMI6の捜査官が殺され、最高機密の極秘リストが紛失してしまう。リストの奪還と、裏切り者の二重スパイを見つけ出すよう命じられたMI6の諜報員ロレーン・ブロートンは、各国のスパイを相手にリストをめぐる争奪戦を繰り広げる。共演に「X-MEN」「ウォンテッド」のジェームズ・マカボイ、「キングスマン」「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」のソフィア・ブテラ。
映画com.より引用)

予告編

北米での評価は?

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https://www.rottentomatoes.com/m/atomic_blonde_2017より引用

Rotten Tomatoesでも76%の批評家から高い評価を獲得しています。

鑑賞前に知っておきたい?5つのポイントを徹底解説!

デヴィッド・リーチって?

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(C)2017 COLDEST CITY, LLC.ALL RIGHTS RESERVED. 

先ほど引用した映画comの作品概要の中でも、簡単には紹介されている今作「アトミックブロンド」の監督デヴィッド・リーチとは何者なのか?という点は皆さん気になる点ですよね。

まず、彼はキアヌリーブス主演の「ジョンウィック」のプロデューサーを務め、「デッドプール」の続編でも監督を務めることがすでに決定しています。

しかし、彼は元々はスタントマンなんですよね。

映画「ファイトクラブ」や2007年に公開された「スリー・ハンドレッド」「ボーン・アルティメイタム」なんかでもスタントマンとして活躍しました。

一方で、彼は近年スタントコーディネーターやファイトコーディネーター(アクション監督)としてハリウッドアクション映画の最前線で活躍するようになりました。スタントマンとしてもそうですが、こういった立場として「ジュピター」「ヒットマン:エージェント47」などの作品にも多く携わっています。

まさに近年のハリウッドアクション映画界において最前線で活躍している人物の一人と言えるでしょう。

本作の原作は?

今作「アトミックブロンド」には原作が存在します。

「The Coldest City」というタイトルのグラフィックノベルになっています。グラフィックノベルとは何ぞや?と思う方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明しておきますと、日本でいうマンガです。

The Coldest City
Anthony Johnston
Cross Cult
2017-07-17



作者はアメリカでも非常に人気のある作家アントニージョンストンです。ヒ―ローものからスパイもの社会派な作品までオールマイティにこなす作家で、ゲームのシナリオなんかも書いたりしているみたいですね。

マーベルの「デアデビル」のグラフィックノベルなんかもこのアントニージョンストンが書いています。

また、今回映画公開に合わせて、「The Coldest City」の前日譚に当たる「The Coldest Winter」という新作を発売したそうです。

The Coldest Winter (The Coldest City)
Antony Johnston
Oni Press
2016-12-07



グラフィックノベルを話題にしたので、余談ではありますが、少し私のおすすめなんかをお話しさせていただけたらと思います。私の一押しは何といっても「MAUS」ですね。あまりにも有名すぎるので、私がオススメするまでも無いような気はしますが、それでも面白いのでぜひ読んでみてください。

The Complete MAUS
Art Spiegelman
Penguin
2003-10-02



作者のアート・シュピーゲルマンが自身の父親のアウシュビッツ収容所での経験を描いたこのグラフィックノベルはその年のピューリッツァー賞を受賞しました。

作品の時代・歴史的背景は?

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本作「アトミックブロンド」の舞台となるのは、1989年の冷戦末期のベルリンですね。1989年といえば、その年の11月9日にベルリンの壁が崩壊、その2年後の91年にはソ連崩壊が待っているわけですから、冷戦の終盤も終盤ですよね。

冷戦というとやはり「スパイ」が最も活躍した、暗躍した時代と言えるんですよね。やはり冷戦というのは、実際に目に見える形で戦争が行われていたというよりも、東西陣営による情報戦が行われていた時代なんです。つまり、情報こそが最大の武器であり脅威となっていたわけです。

特に東西ドイツなんていうのは、いわばヨーロッパにおける「社会主義の防波堤」のような立ち位置にあったわけですよ。第2次世界大戦の後に特に東ヨーロッパでは国の再編が行われていきました。その際にソ連の影響が強かったものですから社会主義に傾倒していく国が多かったんですね。ポーランドやチェコスロバキア、ユーゴスラヴィアなんかはソ連の後押しで共産政権が樹立しました。そんな中で、ドイツはそんな社会主義の波が西側陣営に及ばないように食い止める立場にあったと言っても過言ではないわけです。

そのため西ドイツなんかでは、子供たちに「政治教育」と銘打って、ある種のプロパガンダ教育を施していました。簡単に言いますと、社会主義は悪であるというプロパガンダをこれからの政治を担う、選挙権を持つようになる子供たちに刷り込んでいったわけです。このことからも分かるように、とにかくこの時代は「情報」がすごく重要だったんです。

続いて簡単にではありますが、スパイに関わる組織についての解説も加えておきましょう。

・MI6(SIS:秘密情報部)

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2017-11-22

 

007シリーズをご覧になっている方には馴染みのある名称かと思います。MI6というのは、イギリスの情報機関ですね。もちろん現在も存在しています。

この組織自体は20世紀初頭に作られたようですが、もちろんその存在は国家機密で、政府は存在を認めていませんでした。しかし、冷戦が終わり情報戦の緊迫も薄れていったために、1993年には首相が公式に存在を認めたということです。


・CIA(中央情報局)



「ミッション・インポッシブル」シリーズなどでお馴染のCIAはアメリカの情報機関です。この機関も現在存在しています。

この組織は、第2次世界大戦後に誕生しました。明らかに冷戦を見据えて作られた組織なんですよね。そのため共産主義国で積極的にクーデターや要人暗殺と言った工作活動を展開しました。

・KGB(ソ連国家保安委員会)

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KGBという名称は007シリーズや「コードネームU.N.C.L.E」、「ブリッジオブスパイ」なんかをご覧になっている方はご存知のことと思います。この組織は現在はSVR(ロシア対外情報庁)という名称に改められておりますので、存在していません。

この組織は冷戦初期の1954年に設立されました。アメリカの情報機関CIAに対抗して作られたと言われています。資本主義諸国での諜報、スパイ、破壊工作などを行うなど、アメリカのCIA同様積極的な行動を展開していました。

色について?

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本作の予告編はすでにご覧になっているでしょうか?良かったら上の方に貼ってある予告編をご覧になってみてください。

ある点に気がつきませんか?

そうなんです。画面が暗いうえに、青っぽいんですよね。これってもしかして何か意図があっての演出なのでは?と思い、少し考察してみました。

本作のタイトルは「アトミックブロンド」で、主演のシャーリーズ・セロンもそのタイトルの名にふさわしい美しいブロンドヘアーですよね。ブロンドヘアーというと金色なわけですが、この予告編で見ると、もはや白く見えますよね。

つまり本作においては、シャーリーズ・セロンの「白」く見えるあの美しい髪と全体的に「青」っぽい映像が対比的になっているわけです。

白と青というのは、コントラストとしても定番中の定番の配色ですよね。

ギリシャのサントリーニ島というところの白と青が織り成す美しい風景写真を見てみてください。

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https://marry-xoxo.com/articles/799より引用

群青に近い青色と白色が絶妙にお互いの色を引き立て合っています。そして特に、青い海に白い建物があるということで、白色が一層際立つようになっているわけです。

では、つぎに文字で例を示してみましょうか。

アトミックブロンド

アトミックブロンド

確かに白い背景に青い文字というのは見栄えがするんですよ。ですので、私もブログ記事の中で章立てするときには、青色の文字を活用しています。ただそれ以上に効果が高いのが、この青い背景に白い文字の場合なのです。ということで今回の記事は「アトミックブロンド」仕様にしてみました。

一応理論的にも裏付けが欲しいと思いまして、調べてみたのですが、やはりかなり高い水準のコントラスト比にあるということが分かりました。コントラスト比が約6.5ということでこの数字はとても高いです。

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https://lab.syncer.jp/Tool/Color-Contrast-Checker/より引用

このように感覚的にも、理論的にも青い背景に白色が映えるということは証明されているわけです。

ですので、「アトミックブロンド」の予告編を見てみますと、暗い背景にもかかわらず、映像に青みが加えられているということで、より一層シャーリーズ・セロンのブロンドヘアーが際立つように作られているんですよね。

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ただこの「アトミックブロンド」の映像が素晴らしいのは、ここからです。本作の題材はあくまでも「スパイ」なんですね。優秀なスパイというのは、有名なスパイではありません。優秀なスパイというのは、後世に名を残していないスパイなんです。つまりスパイたるもの目立ってはいけないのです。

こういう作品背景があるからこそ、今作の青色と白色はすごくトーンが抑えられていますよね。過剰にコントラストで際立たせようとはしていないように感じます。しかし、我々観客は、どうしてもシャーリ―ズ・セロンに注目してしまうのです。これは絶妙な「フィクション的」演出だと私は考えています。目立たな過ぎても主役として物足りませんし、目立ちすぎるのもスパイ映画としては適しません。その中間を絶妙に突いてきたのが、この色彩演出なのではないでしょうか?




7分半ノーカットのアクションシーン?

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本作「アトミックブロンド」の中でも再注目と言われているのが、7分半のノーカットアクションシーンですよね。私自身も作品を見ているわけではないので、情報として知っているにすぎませんが、皆さんにも知っていただけたらと思い、還元させていただきます。

本作においてこの7分半のアクションシーンが登場するのは、予告編で言うとこの映像が登場する一連の戦闘シーンだということです。

特に最近は「長回し」がある種の流行になりつつありますよね。

昨年日本でも公開された「ヴィクトリア」という映画は全編ノーカットを謳っていました。

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また、ハリウッド映画シーンでもメキシコ人監督のアレハンドロ・イニャリトゥの作品は「疑似長回し」として注目を集めました。映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は、その年のアカデミー賞において作品賞ならびに撮影監督のエマニュエル・ルベツキが撮影賞を受賞しました。

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しかし、本作のスタントコーディネーターは長回しでのアクションシーン撮影には反対していたそうです。彼にとってアクションシーンは撮影技法が重要というよりも、いかにアクションの中に人物像や物語を見せる事ができるか?が重要だったのです。

ただ、デヴィッド・リーチ監督は「長回し」でのアクションシーンにすごくこだわりを見せたそうなんですね。

彼には、このような戦闘を演じれば、その人物がいかに疲れ果て、肉体的に疲労困憊状態になるか?というのを見せたいという意図があったのです。

結果的に「長回し」でのアクションシーンを採用することになったわけですが、次に問題になるのが、ハリウッドスター女優でこんなとんでもないアクションシーンをこなせる人物が果たして存在するのか?という問題が立ちはだかりました。

それを解決してくれたのが、シャーリーズ・セロンという女優の存在だったわけです。彼女がいなければ、この映画のあのアクションシーンは実現できなかったのではないか?と言われるくらいに、彼女のこの映画における貢献度は大きかったようです。

そしていざ撮影に向けてのリハーサルをしていくと、彼女であれば「長回し」のアクションシーンにも耐えうるということが分かってきました。ただ同時に問題になったのが、美術的、芸術的な問題でした。「長回し」にしてしまうと、一つ一つの「アクション」の”結果”が失われてしまうということに気がついてしまったわけです。「アクション」シーンで、人が攻撃されれば、血や裂傷が生じますし、銃を撃てば壁や衣装ダンスに銃痕が残ります。これが必要となるために「長回し」でのノーカット撮影は結局行われなかったそうです。

結果的に編集や視覚効果に徹底的にこだわることで、疑似的な7分間の長回しアクションシーンを実現したそうです。30秒や1分刻みで撮影した素材を組み合わせて、徹底的にカットや編集の跡を残さないように配慮したそうです。ただこれにより「長回し」の中でも身体的なダメージが視覚的に際立つようになったと言います。

メイキング映像なんかを見てみると非常に面白いですね。

映画「アトミックブロンド」をご覧になる際は、ぜひともこのスタッフこだわりのアクションシーンに注目して見てください。

参考:http://www.indiewire.com/2017/07/atomic-blonde-stunt-choreography-charlize-theron-lo
ng-take-action-scene-1201860595/

余談:音楽について

Ost: Atomic Blonde
Original Soundtrack
Backlot Music
2017-07-28

 

本作「アトミックブロンド」は80年代の名曲たちが劇伴音楽として登場するそうですね。トラックリストを以下に引用しました。

 

1.”Cat People (Putting Out The Fire) ” デヴィッド・ボウイ
2.”Major Tom (Völlig Losgelöst)” ピーター・シリング
3.”Blue Monday” ヘルス
4.”C*cks*cker” タイラー・ベイツ(スコア)
5.”99 Luftballons” ネーナ
6.”Father Figure” ジョージ・マイケル
7.”Der Kommissar” アフター・ザ・ファイアー
8.”Cities In Dust” スージー・アンド・ザ・バンシーズ
9.”The Politics Of Dancing” リフレックス
10.”Stigmata” マリリン・マンソン&タイラー・ベイツ
11.”Demonstration” タイラー・ベイツ(スコア)
12.”I Ran (So Far Away) ” フロック・オブ・シーガルズ
13.”99 Luftballons” カレイダ
14.”Voices Carry” ティル・チューズデイ
15.”London Calling” ザ・クラッシュ

16.”Finding The UHF Device” タイラー・ベイツ(スコア)

どうやら予告編で印象的に流れていたQueenの”Killer Queen”はサウンドトラックには収録されていないみたいですね。

個人的に大好きな曲がイギリスのテクノロックバンドNew Orderの”Blue Monday”なんですよね。これは「交響詩篇エウレカセブン」というアニメがきっかけで初めて聞いた曲です。この曲名やアーティスト名がエウレカセブンにはそのまんま登場しますからね。この曲はお気に入りなので、作中のどのシーンで登場するのか非常に楽しみなところです。

他にも多くの80年代ヒットソングが登場するようですので、音楽の面でも大いに楽しめること間違いなしですね。

作品考察について

本日作品を鑑賞したのですが、鑑賞後の感想等は別記事にて書かせていただきました。良かったら下のリンクからどうぞ!!

おわりに

最初にも書きましたが、私はこの記事を書いている時点では作品を未見です。もちろん公開日に見る予定にしております。ですので、映画を鑑賞した暁には、映画本編の感想等も追記していきたいと思います。

いよいよ映画「アトミックブロンド」は明日から公開ですね!!私も個人的にシャーリーズ・セロンのアクションを楽しみにしているところであります。

また「デッドプール2」に向けて、デヴィッド・リーチの映画監督としての力量を図る試金石にもなるやもしれませんね。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。




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