目次
はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね幸福の科学製作の映画『さらば青春、されど青春』を見てきましたので、それについての感想や解説、講評を書いていけたらと思います。
まずはこの映画を見た私の率直な感想をご覧ください。
- 実質SWオリジナルトリロジー
- 多分大川氏の自伝映画
- 前半1時間は進研ゼミ
- 後半に清水富美加出てきた瞬間に映画レベルが2→70くらいまで上昇
- 良質なバナナムービー🍌
- というかスコセッシ御大の「最後の誘惑」じゃん
今回の記事ではこのツイートに記した意味不明な感想を1つ1つ紐解いていこうと思います。
清水富美加目当てで劇場へ足を運んだ1人の映画ファンのありのままの思いです。
本記事は作品のネタバレになるような内容を含む感想・解説記事となっております。
作品を未鑑賞の方はお気をつけください。
良かったら最後までお付き合いください。
あらすじとキャスト
宗教家の大川隆法が製作総指揮・原案を担当し、幸福の科学出版が製作した実写映画で、「君のまなざし」の大川宏洋と、清水富美加としてNHK連続テレビ小説「まれ」などで活躍した千眼美子が共演するラブストーリー。
昭和50年代の東京。故郷を離れて名門大学に進学した中道真一は、真面目で志も高く、勉学に励んだ末に大手商社に就職。将来を期待されエリート街道を進むが、実は誰にも言えない秘密を抱えていた。
それは、学生時代に霊的覚醒を体験してから、神々とのコンタクトが続いているということだった。そんなある日、真一は同じ会社に勤める都会的で洗練された女性・額田美子と運命的な出会いを果たし、惹かれあうが……。
(映画comより引用)
『さらば青春されど青春。』感想・解説(ネタバレあり)
前半の苦行で悟り開けそう
さて本作『さらば青春、されど青春』のポスターには大々的に清水富美加さん、今は千眼美子さんが押し出されていますよね。そのためてっきり彼女と主人公の恋物語が描かれるんだろうと多くの方が想像すると思うんです。
しかしですよ、清水富美加さんは何と前半1時間一切登場しません。
じゃあ一体この映画は前半1時間も使って何をやるんだ?という話になりますよね。
前半1時間のストーリーをすごく雑に説明します。
- ①主人公、超名門大学に合格、田舎から上京するよ。
- ②主人公、大学で難しそうな本沢山読んでるよ。
- ③主人公、ふとしたきっかけで友達出来るよ。
- ④主人公、電車で見た女の子に一目ぼれするよ。
- ⑤主人公、ポエムみたいなラブレターを10通以上も送ってしまうよ。
- ⑥主人公、好きなあの子が司法試験を受験すると知って、自分も司法試験受験を志すよ。
- ⑦主人公、司法試験に失敗、好きなあの子は合格したよ。
そうなんです。これ実質進研ゼミなんですよ(笑)
主人公は自分がなぜ司法試験に落ちたのかを考えに考え抜き、見えない力に導かれたという謎すぎる結論を出していましたが、多分彼が落ちたのは進研ゼミ受講しなかったからです。
しかもですよ、これほどまでにしょうもないストーリーにも関わらず、映画に出演していいレベルに達しているキャストがほとんどいなんですよ。
それに関して評したのが「キャストの演技は田舎の文化祭のちょい下」という文言ですね。
本当に酷いです。もう演技してます感が全面に出ていてとにかく下手くそなんです。
前半の終了間際に商社に就職した主人公がニューヨーク支社で働くことになるんですが、この時彼はニューヨーク試写でネイティブたちを相手に一目置かれた存在となります。
ただですよ彼の英語の発音が中学3年のクラスでちょっと英語得意な奴くらいのレベルなんです。もう聞いてて腹筋が壊れるくらいに笑わせていただきました。この発音でニューヨーク支部で一目置かれた存在と言うのはいかに・・・。
もうこの映画の前半は延々と苦行が続きます。
たまに私の理解を遥かに超えたギャグパート?のようなものがあり、そこではゲラゲラ笑えるのですが、それ以外のシーンでは基本的に目が死んでましたね。
前半のギャグパートの1つがツイートに書いた「良質なバナナムービー」という文言に関係しています。本作のバナナシーンは前半の最大の見せ場だったかもしれません。
主人公が風邪で寝込んで大学を欠席するんですが、その時に男友達2人がお見舞いの品を持って行くんですね。それがまあ大量のバナナなんですよ。
Amazonのバナナ4kgで考えるとおそらく1人がバナナ4kgくらい持ってきていましたから、2人で合計8kgくらいのバナナをお見舞いに持ってきていました。しかもですよ。ものの数時間で3人はその大量のバナナを間食するんです。
バナナで深まる男の友情・・・なんかエロイですね。ウホッ♥
清水富美加マジ天使
(C)2018 IRH Press
さて章題の通りですね。後半になるとようやく清水富美加が登場します。
もうね、「ああっ・・・天使だ・・・。」と思わず声が出てしまいました。前半がとにかく苦行に次ぐ苦行だったので、そんな時に現れた救世主なんですよ、彼女は。
彼女が登場した瞬間にこの映画のクオリティがレベル2からレベル70くらいまで急上昇します。とにかく彼女の存在は別格ですね。
前半は大根(役者)を初めとする根菜類の煮物みたいな状態でしたが、そこに清水富美加という高級なスパイスが入ったことで一瞬で映画の雰囲気が変わりました。
やはり彼女の演技力は同世代の女優と比べてもずば抜けていますし、何より映画の中で自分が存在感を発揮する術を知っていますよね。だからこそ彼女を見ていると前半1時間が記憶から消えて無かったことのようになっていきます。
特に主人公の俳優さんがとにかく大根、というかもう自然薯役者(意味はない)なので、清水富美加さんと並ぶとただの公開処刑なんですよね。あまりにも演技に落差がありすぎました。
彼女、この映画の主題歌も歌っているんですがこの主題歌が流れるシーンは素晴らしかったです。
映画自体には全く感情移入できませんでしたが、このシーンだけは清水富美加に感情移入してしまって涙がこぼれました。完全に彼女の演技力にしてやられましたね。
これだけの才能がある女優ですから、ぜひとも幸福の科学の映画以外でも活躍してほしいですが、あんな芸能界の去り方をしてしまいましたから厳しいですよね・・・。
これ実は『スターウォーズ』だよ
さて本作『さらば青春、されど青春』を実質「スターウォーズ」オリジナルトリロジーじゃんと評しているのはどういうことなのか?という点は多くの人が気になっているところかと思います。
- ①徳島の田舎で何者にもなれないんじゃないかと不安に駆られながら、夕日を眺めていた青年は都会の大学へ進学するよ。
- ②大学で友情や恋に出会うよ。
- ③女の子に振られて、司法試験にも失敗するよ。
- ④その頃から別次元の神的存在の声が聞こえるようになるよ。
- ⑤主人公は商社で働きながら、宗教家になるための努力を続けるよ。
- ⑥美子と出会うも、恋愛は上手くいかず。
- ⑦悪魔と戦い見事に自分の弱さに打ち勝つよ。
- ⑧窓の外の夕日を眺めながら宗教家として活動する決意をするよ。
このストーリーを読んだらめちゃくちゃ「スターウォーズ」のルークに本作の主人公が重なりませんか?
何者にもなれない青年が夕日を眺めるところから始まって、突然救世主に指名され、そして戦いの日々の中で自己を見出し、そして英雄となり再び夕日を見上げるという構成は完全に「スターウォーズ」オリジナルトリロジーから「スターウォーズ:最後のジェダイ」へ至るルークスカイウォーカーの物語じゃないですか。
これはスターウォーズファン必見ですね・・・。
おそらく大川氏の自伝映画
正直私は「幸福の科学」の会員でないので、詳しいところは分からないですが、この映画って多分幸福の科学の長の大川氏の自伝ですよね。
徳島出身で、東京大学に進学、司法試験に不合格になり、総合商社で働き、その後宗教家として活動するようになるという経歴は完全に大川氏のそれと一致しています。
それでいて本作のプロットはマーティンスコセッシ監督の「最後の誘惑」を彷彿させます。
この作品はイエスキリストがマグダラのマリアと結婚し、多くの子供をもうけたのちに死ぬという普通の人間としての人生を歩みたいという誘惑に駆られていたのではないかという解釈に由来して作られた映画です。
本作の主人公もまさしく「最後の誘惑」に駆られていますよね。彼は最終的に家族や恋人、会社や富、名声といったあらゆる世俗の財産を捨て去って宗教家の道を選びました。
それでも彼にだって恋人と幸せに暮らしたい、普通に会社に勤めてお金を得たい、家族を支えたいという思いがあったわけです。それでもそれらを全て捨て去ってもっと大きな意志のために自分の力を尽くそうとするわけです。
やはり本作は幸福の科学版「最後の誘惑」と言えるでしょうね。
ちなみに私も映画を見る前に予習がてら読みに行きましたが、ちらっと幸福の科学の教義のページを読んでおくと、映画を見ていて理解には困らなかったです。
宗教の本質に気づかされる
(C)2018 IRH Press
この映画は宗教の本質に改めて気がつかされてくれる映画でもありました。
私はこの映画を鼻で笑いながら見ていた節がありますが、大川氏の降霊術だって、幸福の科学だって間違いなく信じている人は大勢います。
この対比に気がついた時、結局のところ宗教って信じる人にしか価値がないものなんだなと改めて考えさせられました。宗教ってつまりは人間の創造力の産物で実体のないものですよね。
それは幸福の科学であってもイスラム教であってもキリスト教であっても同じです。信仰する母体の大きさにこそ差異はありますが、結局はどれも人間の空想の中にしか生きていない創造物でしかないのです。
そう考えた時にお金だって人間が作り上げたある種の宗教ですよね。ただ信仰する母体が限りなく大きい宗教であると言うだけの話で、貨幣経済の無い土地にいけば、お金なんて紙切れです。
映画『さらば青春、されど青春』を見て感じたのは、多くの人が胡散臭さを抱えている幸福の科学も世界中で多くの人が進行しているキリスト教も成り立ちは結局同じで、どちらも実体を持たない実存なんですよね。
今の世界を支配しているのが人間の想像力であるということを改めて突きつけられたような気がしましたし、宗教の本質に気づかされたような気もしました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は映画『さらば青春、されど青春』についてお話してきました。
清水富美加目当てで見に行ったので、前半はがっかりしましたが、後半はかなり映画的にも面白かったですね。普通に見る価値のある映画だと思いました。
ただそれにしても清水富美加以外のキャストの演技は見るに耐えません。とにかく根菜類のカーニバル状態です。
この映画を見て、また清水富美加が女優業で第1線に戻ってきてくれたら・・・なんて思わずにはいられないですね。幸福の科学作品に出演するだけでは勿体無い才能です。
宗教なんて堅苦しいことは抜きにして、良かったら劇場で『さらば青春、されど青春』をご覧になってみてください。
今回も読んでくださった方ありがとうございました。