【ネタバレ感想】実写映画「斉木楠雄のψ難(災難)」:邦画界次世代コメディエンヌは誰だ?

アイキャッチ画像:(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね実写映画「斉木楠雄のψ難(災難)」についてお話していこうと思います。

良かったら最後までお付き合いください。

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あらすじ・概要

 「週刊少年ジャンプ」連載でテレビアニメ化もされた人気漫画を、「勇者ヨシヒコ」シリーズや「銀魂」を手がけた福田雄一監督のメガホンにより実写映画化。とてつもない超能力を持っているが、その力を隠して目立たずに、誰にも干渉されない普通の生活を望む高校生の斉木楠雄。しかし、そんな楠雄の思いとは裏腹に、彼の周囲にはなぜか楠雄に思いを寄せる妄想美女・照橋心美や、超能力でも気配が読めない燃堂力など、変な奴らが集まってくる。毎年恒例の文化祭も穏便にやり過ごそうする楠雄だったが、次から次へと災難が降りかかり、まさかの地球滅亡の危機にまで発展してしまい……。主人公の斉木楠雄役は、「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」など、数々の漫画実写化作品で主演を務める山崎賢人。共演には橋本環奈や新井浩文のほか、福田作品常連のムロツヨシ、佐藤二朗といった個性的なキャストが集う。(映画comより引用)

予告編

山崎賢人のイケメンが無意味すぎる!!

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(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会 映画「斉木楠雄のΨ難」予告編より引用

山崎賢人と言えば、今若者に大人気のイケメン俳優ですよ。数々のティーン向け恋愛映画に出演し、若い女性たちを「おっふ」させてきたわけです。そしてその最大の要因は彼の整った顔、つまり彼がイケメンであるということですね。だからこそ、彼を起用する際は、彼の整った顔立ちを存分に発揮できるように作品を作り上げていくのは、まあある意味でセオリーなんですよね。

ただ、本作「斉木楠雄のΨ難(災難)」では、彼がその自慢のイケメン具合をほとんど発揮していないんですよ!あまりにも鮮やかすぎるピンク色の頭髪、ちゃっちい2本のアンテナ、ダサいサングラス、それでいて彼は狂言回しのように作品のナレーションに徹しているんですよね。ですので、セリフとしてはほとんど喋らないのです。

 加えて、彼が演じる斉木楠雄は、よくある青春モノ・恋愛モノに発展するフラグをことごとくへし折っていくんですよね!!もはや山崎賢人が山崎賢人じゃなさすぎるんですよ。

映画「ダークナイトライジング」や「ダンケルク」でマスクで顔を隠されて自慢のクールフェイスを封印されたトム・ハーディーなんて俳優さんもいましたが、今作における山崎賢人はそれくらいに本来の持ち味を封印されていました。

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(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

しかし、それがかえって作品にとっても、山崎賢人自身にも良かったと思うんですよ。私が彼が出演している作品を初めて見たのは、「管制塔」というGalileoGalileiの楽曲をモチーフに作られた恋愛映画です。ただこの作品における山崎賢人はイケメン王子様ではなくて、なんだか頼りなくて、情けない、それでいて一途で、一生懸命なただの青年だったんです。そこからブレイクしたことをきっかけに、「イケメン王子」のようなレッテルを張り付けられて、若い女性には大人気、映画ファンからは不評という今の立ち位置に落ち着いてしまったわけですよ。

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そんな彼が、そのステータスを捨てて臨んだ今作は、まさに彼にとっても自身の新しい一面を見せる良い機会だったのだと思います。

邦画界次世代コメディエンヌは誰だ?

みなさんは今の邦画界で一番コメディ映画映えする女優、つまり一番優れたコメディエンヌって誰だと思いますか?

まあ1人に絞るのは難しいですよね。

個人的に思い当たった女優を例として挙げていってみますね。

まず、ベテランですと小林聡美、深津絵里あたりが個人的には印象的なコメディエンヌですね。

小林聡美はコミカルな演技をして笑いを取るというよりも、自身が持っている独特の雰囲気を生かして観客を思わずクスッと笑わせてしまうような力を持っていると思います。

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一方の深津絵里は、シリアスな演技をさせてもピカイチなのですが、それでいてかなりコミカルな役どころも絶妙にこなせてしまうんですよね。だからこそそのイメージとのギャップがいいです。



中堅どころとなると、綾瀬はるか、上野樹里、新垣結衣あたりになってくるでしょうか?

まず、綾瀬はるかはコメディエンヌのイメージが強すぎて、シリアスな演技のイメージができないくらいです。持ち前の天性の垢ぬけた感と天然感が、自身の演技にも反映されていて、そのちょっと抜けているところがすごく面白いんですよね。

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次に、上野樹里です。彼女もコメディエンヌのイメージが強いですね。彼女の場合は、前述の綾瀬はるか以上に天然な感じと「電波」少女みたいな雰囲気を持っているんですね。で、その素のままでコメディエンヌとして通用してしまうわけですよ。こりゃ天賦の才です。

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そして新垣結衣ですね。彼女は前述の2人のような生粋のコメディエンヌオーラは持ち合わせていないように感じます。可愛くて、少し落ち着いた印象すら与えるのですが、コミカルな演技ともなると彼女は自分の持っているイメージを存分に破壊してぶっ飛んだ演技ができるんですよね。

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で、ここからが邦画界の次世代コメディエンヌは誰なんだ?という話になってくるわけです。

私が現在の若手女優の中でコメディエンヌとして頭一つ抜けていると感じるのが広瀬すずです。彼女はあの若さでいて既にコメディエンヌとして洗練されつつあるんですよね。ただ、広瀬すずはその風貌や雰囲気からはそれが伺えないんです。だからこそ恐ろしいんですよね。彼女はちょっとした仕草や表情の変化のつけ方が絶妙に上手いんですよ。天性のものではなく、意図的にコメディエンヌを演じられる力というものがやはり素晴らしいのだと思います。



そして彼女に続くのが高畑充希だと思います。彼女の場合は、綾瀬はるかや上野樹里と同じで天性の愛嬌と天然っぽさを持っているんですよね。だからこそ、もはや素で演じているのではないか?と思わせるような振る舞いで、十分にコメディエンヌとして通用してしまっているんですね。現時点でも演技力も素晴らしいと思いますが、まだまだ上を目指せる女優だと思います。

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最後にお待ちかね、橋本環奈ですよ。彼女は完全にニューホープもニューホープですよね。今年に入ってからの作品で急激に頭角を現したと言っても過言ではないと思います。映画「銀魂」に続き「斉木楠雄のΨ難」でも福田雄一作品に携わった彼女ですが、自分の「アイドル」的イメージを完全に破壊しているんですよね。ただ、彼女のコメディ演技って下品な笑いの取り方なんです。変顔や下品な仕草などまあ役柄上ということもありますが、そうじて女優らしくないダーティーな笑いの取り方をしているわけです。

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(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会 映画「斉木楠雄のΨ難」予告編より引用

ただ、それをできる女優さんってあんまりいなかったんですよね。何千年に一度の美少女なんて言われていた自身の「アイドル」的イメージを壊すことをも厭わない、あの突き抜けたコミカル演技は本当に素晴らしいと思います。彼女の場合はそれをできる覚悟があるという点で、すでにコメディエンヌとして大輪の花を咲かせる将来が見えています。演技力では前述の二人よりはるかに劣るので、そこを伸ばしていければ、邦画界を代表するコメディエンヌになれるやもしれませんね。

相変わらずの福田組常連が炸裂!!

福田組と言えば、ムロツヨシと佐藤二朗ですよね。今回も名脇役として2人が作品に華を添えてくれました。

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(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会 映画「斉木楠雄のΨ難」予告編より引用

ムロツヨシが演じたのは、蝶野雨緑といううさんくさいイリュージョニストですね。もうね、絶妙なんです。絶妙にうさんくさいんです。あんな雰囲気を醸し出せる俳優は日本に彼しかいないんです。しかもあれだけ言葉や仕草の節々からダメ人間感とうさんくささを出しておいて、実はできる男ですからね・・・。何度考えてもこの役をこなせる俳優は日本に他といないですね。

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(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会 映画「斉木楠雄のΨ難」予告編より引用

そして、佐藤二朗が演じたのが神田品助校長先生ですね。この役、実はセリフも出番もほとんどありません。ミスコンテストを見ながら、「欲情しますね~」。この一言を言うだけのキャラクターです。それにも関わらず、作品を見終えた後にも絶対に頭から離れない強烈なキャラクターなんですよね。この1シーン1セリフだけで、ここまで我々、観客の脳裏に焼き付くようなインパクトを与えられるというのは、ひとえに佐藤二朗という俳優の凄みなんだと思います。




相変わらずのパロディ演出連発!!

福田雄一監督作品恒例のパロディ祭りは今回も健在でした。こういったパロディネタって、下手くそな人がやるとすごく寒い演出に早変わりするんですよね。ですので、一見簡単に見えて、実はすごく運用技術が必要になってくるのです。

ただ、福田雄一監督は使いどころと使う題材が非常に上手いんです。

さらっと流されましたが、原作者がカメオ出演していましたよね。こういう演出もくどくやってしまうと受けを狙いすぎている感があって、かえって冷めてしまうんです。しかし、福田監督は1~2秒くらいでさっと流しちゃいましたよね。今原作者って出てなかった?くらいにしか体感できない短い時間でさらっと編集しちゃってるんですね。これが絶妙なんです。

他にもジャンプマンガから「ドラゴンボール」や「暗殺教室」もパロディなんかは見られましたが、あれも露骨にやってないのが良いんですよね。何かよくよく考えたら・・・よくよく見てみたら・・・くらいのさりげない感じでパロディを取り入れてるんです。

加えて、さらっと出演キャストの過去作品をネタにしたりなんかしてるんですよね。吉沢亮が出演していた「アオハライド」、山崎賢人が出演していた「オオカミ少女と黒王子」「ヒロイン失格」なんか
をセリフに忍ばせてたりしていました。

稲川淳二の登場もゲラゲラ笑ってしまいました。

あと秦の始皇帝の兵馬俑?パロディ?みたいなのも笑いました。

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(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会 映画「斉木楠雄のΨ難」予告編より引用

このように福田雄一監督のパロディ演出が絶妙なのは、さらっと嫌みの無い領域できちんと制御できているからなんですよね。ゲラゲラと笑えて、それでいて後味が悪くないわけです。

福田雄一は三池崇史の後継者か?

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(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会 映画「斉木楠雄のΨ難」予告編より引用

三池崇史監督と言えば、近年マンガ原作の邦画大作を多く任されている日本を代表する映画監督の1人です。

福田雄一監督は、最近そんな三池崇史監督が追求してきたものを自分なりの形で表現して見せようとしている節が感じられます。まあ作風は大きく異なっているんですが、マンガを実写化する際のポリシーというか方向性がすごく似ているなあと感じた次第です。

マンガという2次元の媒体を実写映画という3次元の媒体にコンバートする際に、まず意識されるのが、いかに2次元の世界を3次元に落とし込むか?という点ですよね。2次元だからこそ成立していた設定や展開なんかは一旦据え置いて、3次元のメディアに適した形で再構成する、これがセオリーともいえます。

これが上手いのが、アメリカのヒーロー映画ですよね。莫大な予算と圧倒的な技術力を持ってして、あのコミックの世界観を完全に3次元の世界に落とし込んでしまうんですよね。だからこそ我々は、アメコミヒーロー映画を見ているとき、まるで彼らが現実世界に実在しているかのような質感と手触りを感じるんです。

一方で、邦画業界にはそんな予算も技術力も無いわけです。そんな状態で大作ばかりを任される三池崇史監督が追求してきたのが、2次元を2次元のまま実写映画化してしまうという手法なんですよね。映画「テラフォーマーズ」なんかはそれが顕著ですよ。リアリティも何もないし、キャラクターのコスチュームだってすごく安っぽいんですよ。ただあの映画は面白い試みだったと思うんです。三池崇史監督は、「テラフォーマーズ」の世界を3次元に落とし込むのではなくて、2.5次元に落としこんだわけです。

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福田雄一監督のマンガ実写化もそんな方向性が顕著に感じられるんですよね。特に今回の「斉木楠雄のΨ難」はその方向性が明らかでした。明らかに浮いているキャラクターたちのコスチュームは、見るからにコスプレ感満載で、リアリティ何てものは微塵も感じられません。ただ福田雄一監督は、意図的にそういった質感や手触りを放棄しているように思うんですね。

2次元の世界を完全に3次元にコンバートしてしまうのではなくて、2.5次元に落とし込んでしまうというのも私は評価されるべき実写化の在り方だと思うんです。

フィクションを現実に近づけようとするのではなく、フィクションのまま留めておこうとする何ともセオリーとは逆のアプローチなんですが、実に面白い試みです。

特に、この「斉木楠雄のΨ難(災難)」という作品には、この方向性がぴったりとハマっていました。

おわりに

いやあ思ったよりも随分見応えのある作品でした。

まあ実質ストーリーなんてものはあって無いようなものです。ただ、福田監督の全力のコメディ映画を90分間にわたって映画館で見れたというのはすごく良かったですね。

これからも彼の作品には注目していきたいと思います。

また、コメディエンヌとして橋本環奈がどのように大成していくのか?今後とも目が離せません!!

今回も読んでくださった方ありがとうございました。




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