【ネタバレ感想/解説】「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」:描かれたのは、モーニング・グローリーの再定義

アイキャッチ画像:©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね、「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」の完成披露試写会に参加させていただきましたので、 その感想や解説をさせていただけたらと思います。

略感を最初に書かせていただきますと、最高のリブート第1作目だったと思います。正直満点です。

当ブログ管理人がアニメを見るきっかけになった作品がこの「交響詩篇エウレカセブン」なんです。そのため思い入れが深すぎる作品でしたので、今回の劇場版に懐疑的な部分ももちろんあったのですが、作品を鑑賞するとそんな思いはどこかに消え失せていました。

エウレカセブンのファンの方の中にも、ただの総集編じゃねえか!!と思っていらっしゃる方もいるやもしれません。しかし、本作がただの総集編なんかじゃないということも含めて、今回はこの「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」の魅力を最大限語っていきたいと思います。

先に注意書きとして書かせていただきますが、ネタバレを前提に書かせていただきますので、未見の方ご注意ください。

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あらすじ・概要

2005~06年にテレビ放送されたSFロボットアニメ「交響詩篇エウレカセブン」を新たによみがえらせた劇場版3部作「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」の第1部。テレビシリーズの物語を再構成し、新作映像と再撮影映像を交え、すべてのセリフも再構築。

作中で何度か言及されてきた過去の大事件「ファースト・サマー・オブ・ラブ」を初めて映像化し、新たな物語を紡ぎ出す。10年前に世界を揺るがせた大事件「ファースト・サマー・オブ・ラブ」で父アドロックを失った少年レントンは、辺境の街ベルフォレストで単調な日々を過ごしていた。

そんなある日、LFOと呼ばれる人型マシンのなかでも世界最古の機体「ニルヴァーシュ」がレントンの前に降り立ち、そのコクピットからエウレカと名乗る少女が姿を現す。偶然の出会いから旅に出ることになったレントンとエウレカだったが……。

映画com.より引用)

詳細あらすじ(ネタバレ注意)

本作「エウレカセブン:ハイエボリューション1」はテレビシリーズでは描かれなかった「サマー・オブ・ラブ」の真相とテレビシリーズ第25話までの内容を再構成したものを繋げて1時間30分ほどの尺に落とし込んだ作品です。

時間としましては、「サマー・オブ・ラブ」のパートが15~20分ほどで、残りの再構成版が約70分というものでした。

サマー・オブ・ラブ

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

まず、本作はネクロシス作戦の開始約7時間後という時系列からスタートします。ネクロシス作戦の全貌がどういうものなのかまでは、さすがにまだわからないです。

概要としましては、スカブコーラルの指令クラスタに「決戦弾頭シルバーボックス」を打ち込んで、そこから流れる音楽のビートや波長をスカブコーラルのそれと一致させることで、スカブコーラルと対話を試みるorスカブコーラルを人類の支配下に置く作戦という風に解釈しております。

そしてこの「決戦弾頭シルバーボックス」の開発者がレントンの父、アドロック・サーストンでした。

しかし、アドロック・サーストンはこの作戦ないし「決戦弾頭シルバーボックス」の欠陥に自ら気づいてしまい、この作戦を止めるためにオリジネートゼロ(後のニルヴァーシ)にエウレカと共に乗り込み、シルバーボックスの着弾スポット(スカブコーラル司令クラスタのポイント)へと向かいます。

予定通り「決戦弾頭シルバーボックス」はスカブコーラル司令クラスタのポイントに着弾し、音楽を奏で始めるのでした。そこへ向かうアドロックを引き留めるようにホランドは要請されました。

またデューイは、「決戦弾頭シルバーボックス」をスカブコーラルに同期させるためにシルバーボックスの内部へと入っていきました。

すると、「決戦弾頭シルバーボックス」は制御不能となってしまいます。そして、スカブコーラル司令クラスタが暴走をはじめ、地球を丸ごと取り込んでしまおうとします。

アドロックはホランド共にシルバーボックスに向かいますが、スカブコーラルの暴走が始まったため、ホランドに逃げるよう指示します。さらに、人間が招いた災厄にコーラリアンを巻き込めないとして、エウレカをオリジネートゼロの脱出ポッドで射出します。

アドロックは司令クラスタに突き刺さった「決戦弾頭シルバーボックス」を破壊します。

そして、自身の存在が蒸発していく最中に、「世界」の全貌を垣間見て、涙を流します。

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

「世界がこんなにも美しかったとは・・・。見せてやりたかった、レントンに・・・。」

そして、彼はこのスカブコーラルの暴走騒動に「サマー・オブ・ラブ」と名付けるのでした。数年後のネクロシス作戦追悼式では、この名称はアドロック・サーストンがこれからを生きる人々に示した「希望」であったと語られています。

テレビシリーズ本編の再構成

本編の再構成部分は時系列がかなりごちゃごちゃなので本編の順番ではなく、時系列通りの説明で行きたいと思います。

→22日前

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

ベルフォレストで過ごすレントン・ビームス(ビームス夫妻の養子という設定)は退屈な毎日を過ごしていましたが、そこにニルヴァーシとエウレカが現れます。

そしてレントンはニルヴァーシに乗り込むと、アミタドライブをセットし、サトリプログラムを起動させます。するとセブンスウェル現象が生じます。

(この後の部分は大きくカットされていますが、おそらくテレビシリーズの序盤と同じ時系列ではないでしょうか?)

→13日前

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

遺跡現場ハッシェンダで、アクペリエンスが起こり、アミタドライブを洞窟の奥に捨てに行ったエウレカがスカブコーラルに取り込まれます。一命はとりとめたものの、エウレカの身体にはスカブが付着してしまうのでした。

ホランドはそんなエウレカを連れて、ハッシェンダから脱出してきたレントンを見て、激昂し、エウレカの件を月光号のメンバーに話したら、殺すぞとレントンに迫るのでした。

(この部分もテレビシリーズとほとんど同じですね。)

→10日前

病室で横になっているエウレカにレントンは話しかけます。しかし、レントンはエウレカに自分は拒絶されていると感じ、月光号に居場所を見失ったレントンは家出をするのでした。

→8日・7日前

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

家出をしたレントンは財布や荷物を盗まれてしまい、途方に暮れていました。ステージの下で眠りにつくと翌朝、そこでは音楽フェスのようなものが行われていました。そこには義理の両親であるチャールズとレイの姿がありました。

→6日前

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

ビームス夫妻の船で過ごすレントン、義理の両親の存在の大きさを初めて自覚し、船での暮らしを満喫していました。

その後、テレビシリーズでもあったヴォダラクのテロがあった街での、ヴォダラクの娘との一件があります。

→3日前

ヴォダラクの娘との一件について、チャールズはレントンと話をするのでした。

→2日前

チャールズとレイはレントンに自分たちのことを、パパ・ママと呼ばないか?と提案するのでした。

→9時間前

チャールズのKLFのメンテナンスをするレントン。そこにチャールズがやってきて一緒にKLFに乗って空へと飛び立っていきます。

しかし、その際にチャールズ夫妻が、月光号襲撃とエウレカの抹殺の任務を課されていることが分かりました。レントンはチャールズから、ここから出ていくも留まるもよしという提案を受けるのでした。

→3時間30分前

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

レントンはチャールズ夫妻の下から出ていくことを決断し、荷物をまとめます。

そこにチャールズ夫妻が現れます。レントンは2人に自分がアドロック・サーストンの息子でなくとも養子にしてくれましたか?と問いかけます。2人はもちろんだと答えます。

→現在

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

チャールズ夫妻の船から飛び出したレントンは、野犬に追われながらボードで、月光号を目指しています。

→12分後

レントンは世界を守る覚悟を決め、夕日の方角へと走り抜けていくのでした。

ここで「始まりはいつも月曜日だ。」というセリフがあるのですが、これはテレビシリーズ第1話が「ブルーマンデー」というサブタイトルだったことに関連してのセリフですよね。

エウレカとの再会まで18時間24分。

解説:「音楽」がキーワード?

「交響詩篇エウレカセブン」の音楽はやはり印象的なのですが、今回の映画「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」は特に作品内容的にも、劇伴音楽等の面でも音楽が非常に重要な役割を果たしていました。

Hardfloorがついに参戦

「交響詩篇エウレカセブン」のファンであれば、このHardfloorというアーティスト名を聞いただけで胸が熱くなると思います。というのもエウレカセブンの劇中でたびたび出てくる「アクペリエンス」という言葉は元々彼らの楽曲のタイトルに着想を得たものだからです。

今回はこの「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」のために”Acperience7”という曲を提供してくださったそうです。

もう満を持してのコラボというほかにないですね。

尾崎裕哉の楽曲

今回の「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」の主題歌には尾崎裕哉さんの”Glory Days”が採用されました。尾崎裕哉さんはあの尾崎豊を父に持つため、レントンに非常に近い境遇だったと話しています。そのため、レントンに思いを重ねがら、今回の楽曲を製作したそうです。

私自身もこの曲がエンドロールで流れた時、思わず泣いてしまいました。

以下にオフィシャルミュージックビデオのリンクも張っておきますので、良かったら聞いてみてください。

©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

「音楽」がテーマ?

本作「エウレカセブン:ハイエボリューション1」では「音楽」が今後の展開においてキーになるのではないか?と予感させてくれる場面がいくつかあります。

まずは、「決戦弾頭シルバーボックス」ですよね。ブラヤやコーダたちはこの装置について、「音楽」で世界を救うための装置であると話していました。

サマー・オブ・ラブのエピソードで、このような「音楽」に絡めた装置を出してきたのはすごく印象的でした。

他にもテレビシリーズでも登場した、公園のステージでチャールズ夫妻が踊っているシーンも印象的に挿入されていました。

またラストシーンでも少し聞き逃してしまったのですが、「~の曲が」ということをレントンが話していました。

このことから考えても、「エウレカセブン:ハイエボリューション」3部作においては「音楽」が非常に重要な役割を果たすことになるのではないかということを予感させられます。

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実はただの総集編ではない

冒頭15分の「サマー・オブ・ラブ」から一転、本編の映像を再構成した一見総集編のようなパートが始まりますが、これ実はただの総集編なんかじゃないんです。

「エウレカセブン:ハイエボリューション1」は12分の物語

作中で何度もこの映像がインサートされませんでしたか?

まずは、Play Back、つまり巻き戻しですよね。

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

そして、Play Forward、つまり再生ですね。

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

この2つがたびたび出てくるのですが、本作における「現在」がどこだったか覚えていますか?そうです、チャールズ夫妻の船から家出したレントンが野犬に追われているシーンですよね。そして、この映画はその「12分後」に終わります。

 つまり、この再構成版というのは、レントンの頭の中で「12分間」の間に行われた回想なんですね。「現在」の地点から「12分間」、あれこれとレントンは過去のことを回想して、最後に「世界と向き合っていく」覚悟をするんですね。

ですので、一見ただの時系列をバラバラにしたテレビシリーズの再構成版に思えるのですが、よくよく考えるとレントンの回想であるわけですから、レントンが「現在」の状況に至った経緯だけではなく、彼の思いがどのように変化してきたのか?が際立つように緻密な順番で再構成しているわけです。

映像に隠された秘密?

これは完成披露試写会の後の舞台挨拶で京田監督が仰っていたことなんですが、どうやら本作には2つの隠し要素があるらしいんですね。それが今後の2作目、3作目にも関係してくるんだとか。

1つは、再構成版の映像の背景部分にアネモネのポスターのようなものが張られている描写があるそうです。なんと劇中に全部で7カ所登場しているそうです。私は初見では、1カ所しか見つけられていません。

(2回目の鑑賞で6箇所は発見できました。ベルフォレスト、空港、ゲイブルズタウンのシーンの背景を注視してみてください。スタッフ陣のコメントによると、青髪のアネモネ?がいるとかなんとか。)

また、背景にaの文字がたくさん隠されているということも仰っていました。これもどうやら今後の展開に関係してくるようですね。 おそらく続編での「アネモネ」の登場を示唆しているのだとは思います。ゲイブルズタウンの街の落書きなどを注視してみてください。

同じシーンでも意味合いが違う

再構成ということで、テレビシリーズと同じ映像が使われてはいるのですが、「レントンの物語」として再構成したということで、同じシーンであっても、そのフォーカスのポイントや意味合いが大きく変わっているシーンがいくつかあります。

その最たるものがヴォダラクの娘との一連の事件だと思います。

テレビシリーズでは、それまで、「レントンとエウレカの物語」にフォーカスしてきたため、ヴォダラクの娘との一件においては「レントンが彼女を守る」つまり「ヴォダラクの娘」にフォーカスがありました。

一方で、「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」では、「レントンが世界に向き合うまでの物語」を描いたために、「レントンが父親と向き合うまでの物語」を描いたがために、「娘の両親」の方にフォーカスがあるんですよね。子を守り、子を思う親の姿みたいなところに、フォーカスがあって、それがレントンに大きな影響を与えています。

このように一見ただのテレビシリーズの映像のつぎはぎなのですが、その時系列をレントンの回想として上手く再構成したり、今後の展開に向けて、映像に隠しギミックを付け足しているのです。

つまり、これはただの再構成版・総集編なんかでは決してないのです。

本作は「モーニング・グローリー」の再定義だ!!

「モーニング・グローリー」というのは、「交響詩篇エウレカセブン」のテレビシーズでも屈指の神回とファンの間でも評判の第26話のことです。

この第26話「モーニング・グローリー」がどう素晴らしいのかというと、それまでの25話で描いてきたレントンがエウレカと向き合うことへの不安や葛藤、そして一度はエウレカから逃げてしまったこと、それらを乗り越えて「レントンがエウレカと、エウレカがレントンと向き合う」パートだからです。

これはまさにテレビシリーズの前半部分がレントンとエウレカの物語だったゆえの帰結なんですね。レントンとエウレカがベルフォレストで出会い、戸惑いながら、ぶつかり合いながら、時には逃げたり、突き放したりしながら、この第26話「モーニング・グローリー」でようやく2人は互いと向き合うんですね。

それが劇中の「もっと知りたい!」というセリフにも表れています。

一方で、今回の「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」は、「レントンの物語」なのです。それが分かるように、エウレカはほとんど出てきませんよね。レントンの回想で時々出てきはしますが、明らかにメインヒロインとしての登場頻度ではありません。

その代わりに、今作には2人の父親が印象的に出てきます。

1人はレントンの実父アドロック・サーストン

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

もう1人は、義父のチャールズ・ビームスですね。

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

アドロック・サーストンはレントンの実の父親ですが、10年前の「サマー・オブ・ラブ」で命を落としました。そして、レントンは学校等で「英雄の息子」と評されることを最悪だと言っています。

彼自身、父親と一緒に居られないことを寂しく思っているのでしょうし、むしろ居てくれない父親に対して怒りのような感情を抱いているのかもしれません。

つまり英雄なんかじゃなくていいから、普通の父親として一緒に居て欲しかったということですよね。

アドロック・サーストンは、自身が「サマー・オブ・ラブ」とも表現したこの「美しい世界」を守るために死んでいきました。

その最期に、「この美しい世界をレントンにも見せてやりたかった。」と言っていたのが印象的でしたよね。

一方のチャールズ・ビームスはレントンの義理の父親です。彼は身寄りのなくなったレントンを養子として引き取ったのでした。そして、彼は本作で、レントンにその美しい世界を見せる役割を果たしていましたよね。

つまりアドロック・サーストンがレントンにしてやれなかったことをしてあげたわけです。

レントンはこの2人の父親に大きく影響されてきました。アドロック・サーストンが自分と一緒に居てくれないことへの寂しさや怒りもありました。そしてチャールズはそんなレントンに家族の温かさと世界の美しさを見せてあげました。

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©2017 BONES/Project EUREKA MOVIE 尾崎裕哉「Glory Days」アニメ版(OMV)より引用

そしてレントンは思いを馳せるのです。自分が生きているこの美しい世界を守るために命を懸けた父親の存在に。そして決意するのです。父親が命を賭して守り抜いたこの世界を自分が守り抜いて見せると。

つまり、「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」で新たな始まり、「モーニング・グローリー」として描かれたのは、「レントンが父親が守ってくれた世界に、そして父親に向き合う」ことだったんですよね。

よって、「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」というリブートシリーズ第1作目で描いたのは、「交響詩篇エウレカセブン」テレビシリーズで「真の始まり」として描かれたあの「モーニング・グローリー」の再定義だったわけですよ。

続編の予告がやばいんです!!

「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」のエンドロール後に次回作の予告編が挿入されていました。

どうやら第2作はアネモネが中心に描かれるようですね。

今日の舞台挨拶でスタッフ陣が仰っていましたが、「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション」の初期ポスターには意味があって、それぞれメインに描くキャラクターを全面に押し出しているんだとか。

つまり、第1作目が「レントンの物語」であったわけですから。第2作目は「アネモネの物語」、第3作目は「エウレカの物語」と考えるのは割と妥当なところなのではないでしょうか?

そして、続編の予告編で自分が一番テンションが上がったのは、アネモネのKLF「ジ・エンド」の幼生らしきものが映っていた点なんですよ!!

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映画「交響詩篇エウレカセブン:ポケットが虹でいっぱい」より引用

これ実は、テレビシリーズには登場しなくて、劇場版の「交響詩篇エウレカセブン:ポケットが虹でいっぱい」に登場する設定なんですね。また今回の初期設定である、チャールズ夫妻がレントンの義理の両親であるという点も実は、この「交響詩篇エウレカセブン:ポケットが虹でいっぱい」からの引き継ぎなんですね。

参考:『エウレカセブン』ポケ虹は見返してみるとレントンとエウレカの素晴らしい物語だった

もしかすると、続編には「交響詩篇エウレカセブン:ポケットが虹でいっぱい」の内容が何らかの形で絡んでくる可能性もありますよね。

おわりに

今回も長々とお付き合いいただきありがとうございました。

最後に、完成披露試写会の舞台挨拶で、私が一番印象に残ったスタッフの言葉を紹介しておきたいと思います。

「今回も、手で絵を描くことにこだわりました。」

今やロボットアニメに登場するロボットなんてその大半がCGです。しかし「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」での冒頭の「サマー・オブ・ラブ」でのロボットのカットはオール手描きだそうです。それでいてあのクオリティですよ・・・。いやあもう脱帽です。

今作はエウレカファンの間でも賛否が分かれると思いますし、正直エウレカセブンのテレビシリーズを見てない人には遠く理解の及ばない内容になっています。

しかし、私はリブート1作目、全3部作の中の1つ目としてこの「交響詩篇エウレカセブン:ハイエボリューション1」は完璧な作品だと思っています。

そして、その描きたい主軸にあったのが、「モーニング・グローリー」の再定義なのではないか?と考えています。

皆さんはどう感じられたでしょうか?

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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参考:【ネタバレあり】『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』解説と考察

ナガ
ぜひぜひ上記の記事も読んでみてね!

18件のコメント

今日公開日なので見てきました。
最初は見てて、見る側にどう何を伝えたいのか分かりかねていました。
なんで順を追って流れないのか?それはレントンの回想の話だったんですね。
でも、過去シリーズ見てない人にはついていけない内容には残念な所があります。
初見では字幕のあちこちの情報量が多過ぎるのもついていけず戸惑ってましたが、作り手の意向がどういったものなのかここのサイトの解説のおかげで理解できるようになりました。
視聴者置いてけぼりはエヴァQと比べたら全然良い方かな。
解説ありがとうございます。とても助かりました。
次回作の作風の焦点がアネモネ、エウレカとなっていくとここのサイトで知れて良かったです。

はじめまして
本日ハイエボリューション見てきました
見ながらだいぶ前の作品なので混乱しつつ見ていましたがこの記事を読んでまた見たいなと強く思いました
素敵な記事をありがとうございますm(_ _)m

AΩ級0系統さんコメントありがとうございます。
参考になったようで幸いです。
エウレカセブンのファンでも、かなり整理しながらみないと、わからなくなるくらい複雑な時間構成でした。
ただの総集編ではなく、新たな主題の下で再構成するというスタッフの意欲は十分に伝わったように思います!次回作も楽しみですね!(^ ^)

あざらしさん、コメントありがとうございます。
私も最近映画のための復習で見直して、何度も号泣してしまいました。
エウレカセブンは自分の「人生」の一部です!!笑
ぜひ見直してみてください!!

公開日、3日前ですかね、観てきました!
ナガさんはどう思ったかなと考えて久し振りに赴きましたが、どうやら見にきて正解だったようです
私も今回の映画には大満足の域でした!!
いやあ、やっぱり交響詩篇エウレカセブン、更に更に自分を楽しませてくれる挑戦盛り沢山で素晴らしい再構成だったように思います
風評だと総集編やら映像の使い回しやらあらぬ事を言われてますけど、そうじゃないだろ!と私も昨日書いたレビューで間接的にぶちまけさせてもらいました
今回、ナガさんも同じ考えを持っていて下さって、個人的に凄く安心した次第です
後、新しい要素としてアメリカ文学要素を前作まで以上に感じたように思います
1950年代のビートジェネレーションや反抗青春小説『ライ麦畑でつかまえて』の息吹を僅か90分の間で感じました
狙ってか狙ってないかは分かりませんが、そういった新要素を分かる人には盛り込んで来る辺り、やっぱりこの作品は挑戦と進化の作品だと思います
来年も再来年も期待してます
ムビチケも後2枚あるので、いつまた見にいくか、非常に楽しみです(笑)

タカさんコメントありがとうございます。
ファン向けの内容で、新規層には厳しめな作品であることは否めないですが、エウレカファンとしては、新しいエウレカセブンが見れた!という印象が強いですね!
テレビシリーズの再構成がメインにはなっていますが、きちんと新しい主題と方向性の元で設定、時系列、セリフ、背景美術なんかを弄ってるので、全く退屈しませんでした。
最高のリブートでした!!

はじめまして。
賛否両論ある(否のほうが多いのかもしれませんが)内容となってましたが、サマーオブラブとアドロックを10年越しで見れたのは原作を見てた世代として嬉しかったですし、KLFの戦闘シーンは鳥肌が立つくらいでした。
話の構成は音楽で言うところのリミックスで、数々のテクノネタ(各話のタイトル、KLF、AFX、TRシリーズ等)を使ってきたエウレカセブンにハードフロアが流れたのも熱かったですし、特にレントンが「「どう思っているんだい?」と問いかけから始まる曲(New OrderのBlue Monday)が〜」と言う台詞で月曜ネタに繋がるとこにニヤッとしました。
10年前にレントンとほぼ同じ世代だった身としてはまた振り返ることで違った視点に立てる映画だなと思いました。

通りすがりさんコメントありがとうございます!
ハードフロア参戦、マンデーネタなどなどいろいろと感慨深いリブート版でしたね!
テレビシリーズから12年、今新たに始まるエウレカセブンという意味では素晴らしい1作目だったと感じました!
ハイエボリューション2の公開が待ち遠しいですね!

彼女を連れて見に行ったんですけど、見終わってずっと???でしたが、このページを見てもう一度みようと思いました!ありがとうございます!
誰もコメントしてないんですけど、次回予告のときにエウレカセブンAOのフカイ・アオが搭乗したニルヴァーシュ・ネオらしき機体が出ませんでしたか?(KLFが並んでいるシーン)
そこで思わず、は??といってしまいました、、、見間違いでしたらすいません(^_^;)

ぺがにゃんさんコメントありがとうございます!
まじですか!実はAOの復習がハイエボまでに間に合わなくて、ハイエボを見た後にAOを見返したんで、気づけなかったのかもしれません。またチェックしてみますね!

初めまして。
僕個人としては、演出・脚本に対する評価は80点です。前作であるエウレカセブンAOに関して発表当時の監督は完全なる続編と言っておきながら、実は昔話だったなんてオチをかましましたが、今回の映画ではきちんとどんな映画になるのかを、公開する前に正直に伝えてくれたので、視聴者側の僕は何も心配する事なく観ることが出来ました。その点は評価したいのです。
しかし、これだけは言いたいのです。(結構長い)同じシーンを二回連続して流すことだけはしないでほしかった。さすがに萎えましたよ。それさえなければ筆者と同じく満点でした。
最新映像も完璧。音楽は劇中に流れるアシッドテクノ。チャールズさんのフェイバリットであるあの曲のリミックス版。どれも最高でした。
ただただ、あの一点だけが心残りでした。もちろん来年も期待しています。次回予告の衝撃は凄かったですし…!

project Eurekaさんコメントありがとうございます!!
自分はもうひたすらに興奮しすぎて、おそらくは冷静な評価はできてないです笑
project Eurekaさんの仰る通り、冷静に見ると粗はいくつかあるように思いました。それでもリブートとして素晴らしい出来でしたね!次作も期待です!

はじめまして。劇場版を公開日に見に行くことができて、そのあとのほかの方々が感じたこと、思ったことを見聞きして、そうか…俺はすごい好きだったし、嬉しいことがたくさん詰まった1作目だったんだけどなぁと落ち込んでしまっていました。エウレカシリーズは1つも漏れずすべて観てきて、今回のブルーレイ発売に関して買うか迷ったのですが、気付いたら手もとにありました(笑)
たまたまシルバーボックスの検索でこの記事を見つけることができて、本当に救われる思いがしました。自分の中では言葉にできなかったけど、総集編では決してないと確信する思いがそのまま如実に表現されていて、世の中の評価の声に対し、憶する必要がなくなりました。
2作目、3作目も絶対に観に行きますし、全力で応援し続けていきたいと決心することができました!!日本語変なとこありますが、本当にありがとうございます!!!!

@アスクレピオスさん
コメントありがとうございます!!
そういう風に感じていただけたなら、書いた私としてもこの上ない幸せです!!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
そうなんですよ!これは総集編なんかじゃないんですよ!!再定義であり、再スタートなんです!!
レントンが父親と向き合うまでの頭の中を描いた素晴らしい作品だと思ってます!!
これからもエウレカセブンを応援していきましょう!!^ ^

こちらの記事とポケ虹の記事、楽しく読ませて頂きました。
過去作品を知らない方には厳しい内容だと感じましたが、昔からエウレカセブン大好きなので、個人的には同窓会気分で楽しめました。
スタッフのクレジットに佐藤大さんのお名前をお見掛けしたので、AOのような残念な内容にはならないはずと信じつつ、旧作でちらっと描写されていた琥珀の丘やロケット「EUREKA」の謎解きも楽しみにしていたりします。

2作目についてですが、確かラジオRayOutでアネモネセブンの回ありましたよね、まさかあんなノリに…

Space Rockさんコメントありがとうございます!!

アネモネセブンありましたね!懐かしい!
もうハイエボ2が楽しみで楽しみで居ても立っても居られない今日この頃です。

とにかく楽しみに待ちましょう!!