【ネタバレ】映画「ジオストーム」:感想・解説:ディザスタームービーですら無いんだけど?

アイキャッチ画像:(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね映画「ジオストーム」についてお話していこうと思います。

本編のネタバレになるような内容も部分的に含んでいますので、未鑑賞の方はお気を付けください。(ここからネタバレ有りというポイントは別途表記します。)

良かったら最後までお付き合いください。

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あらすじ・概要

 地球の気候をコントロールすることを可能にした人工衛星が暴走し、世界中が異常気象や大災害に見舞われるなかで、未曾有の危機に立ち向かう人々の姿を描いたディザスターパニックアクション大作。「インデペンデンス・デイ」の製作・脚本を手がけたディーン・デブリンが監督として初メガホンをとり、「エンド・オブ・キングダム」のジェラルド・バトラー、「クラウド アトラス」のジム・スタージェスをはじめ、アビー・コーニッシュ、エド・ハリス、アンディ・ガルシアといった豪華キャストが出演している。世界各国の最新テクノロジーを集結し、天候を完璧に制御することを可能にした気候コントロール衛星の運営開始から3年。突如として衛星が暴走を始め、世界中で異常気象を発生させる。衛星の生みの親でもある科学者のジェイクは、衛星の暴走原因を突き止めるため宇宙へ向かうが……。
映画com.より引用)

予告編

エメリッヒ監督作・・・じゃないのね?

本作に関してそれほど事前情報を入れずに見に行ったということもありまして、監督が誰なのかすら知らずに見に行ってしまったんですね。

で、いざ本編が始まって、物理法則・化学的理論一切無視の「小学生の自由帳」みたいなおバカ映画が始まったので、「あ!これはエメリッヒ監督作品で間違いないだろう!」と確信しました。ただエンドロールを見ていますと、どうも監督・脚本は別の人だったようです。

本作「ジオストーム」の監督はディーン・デブリンという方だそうです。調べてみますと「インディペンデンスデイ」等のエメリッヒ監督作にも携わった人でして、道理で作風が似てるわけだと合点がいった次第です。

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いやぁ・・・「インディペンデンスデイ」の続編も大惨事になりましたが、「ジオストーム」はそれどころの酷さではないですよ・・・(笑)。見るに耐えない・・・(笑)。

 

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感想:もはやディザスタームービーですらないのね・・・。

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「ディザスターパニックアクションムービー」と銘打って宣伝されている本作ですが、それは予告編だけの話ですね。予告編は本作「ジオストーム」のディザスタームービーっぽいところをギュッと凝縮した感じです。本編に登場するディザスタームービー感のある映像は予告編で全て消化しているといっても過言ではないです。

 そのため予告編のようながっつりディザスタームービーを期待していくと完全に肩透かしを食らいます。例えるならば、二郎系アブラカラメ増し増しラーメンを食べたくて、ラーメン屋に入ったらさっぱり梅しそ和風パスタが出てきたぞ・・・くらい違います。

もしこの作品を見に行こうとしている方で、そういう期待を持っている方は「ディザスタームービー」としてのハードルを少し低めにしておくことをおすすめします。

当ブログ管理人のお気に入りディザスタームービー3選!!

あまりにも映画が酷かったので、すぐには本編について語る気になれず・・・。とりあえずおすすめのディザスタームービーなんかを3作品ほど紹介してみようかな?と思います。

①「インポッシブル」(2012:スペイン)

 

 


本作は言わずも知れたディザスタームービーの傑作です。2004年のスマトラ沖地震とそれに伴う津波を扱っていて、それに巻き込まれたスペイン人家族の実話映画となっています。本作の中心に据えられた「津波」の映像シークエンスが素晴らしいことは言うまでもありません。そして本作が描くのは、「自分の命すら保証されていない極限の状況でも他人を思えるのか?」という崇高なテーマです。脚本や演出には少し粗が見当たりますが、圧倒的な映像力で見ている我々を虜にする映画です。

②「パーフェクトセンス」(2011:イギリス)

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本作も比較的有名な作品ですね。世界中に五感が奪われる感染症が大流行するというプロットになっています。本作は、ディザスタームービーとして素晴らしいのはもちろんとして、1組の男女の「愛」の物語としても完成度が非常に高いです。見ること、聞くこと、触れること・・・愛の在り処は一体どこなのか?それを失ったらもはや愛は存在しえないのか?深く心に突き刺さる名作です。

③ディープインパクト(1998:アメリカ)

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ディザスタームービーの超王道!!それがこの「ディープインパクト」という作品だと思います。彗星が地球に衝突するというシチュエーションで繰り広げられる圧巻の人間ドラマに興奮が止まりません。彗星が降り注ぐシークエンスは2000年代以前に撮られた映画とは思えないほどの大迫力です。またラストに待ち受ける究極の勇気と決意のシーンは涙が止まりません。これはぜひ見ておきたい1本だと思います。


*以下「ジオストーム」本編のネタバレになるような内容を含みます。






*以下「ジオストーム」本編のネタバレになるような内容を含みます。

感想:頭を空っぽにしても入ってこない・・・

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(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

こういう映画はですよ・・・頭を空っぽにして何も考えずに見るというのが、正攻法的鑑賞方法だとは思うんですよ。ただですよ、ここまで酷いともはや頭を空っぽにしてにしても楽しめないんですよね。というのも映画そのものがあまりにも空っぽなんですよ。

あまりにも中身が無い映画過ぎて、劇場を出るころにはきれいさっぱり消化されてしまうような作品なんです。本当に何も残りません。

解説:もういろいろ可笑しすぎるでしょ?

まあこの手のディザスタームービーに物理法則とか化学的理論を求めるのは間違ってはいると思うんです。ただ作品内ルールくらいは守ったらどうなんだ?というお話です。

宇宙船が摩擦力のかかっていない状態で、旋回しているようなシーンはもう視覚的シークエンスのために見逃しますよ。これくらいは全然問題ないんです。

本作「ジオストーム」は天候を完璧にコントロールできる衛星が暴走するというお話ですよね?それは重々理解しています。であれば、そのあたりの設定はいくら「頭を空っぽにして見るタイプの」映画と言えどしっかりしておいてほしいわけです。作品の骨になる部分ですからね。ただこの映画はそれがズタボロなんです。

例えば、アフガニスタンの村が凍り付いているシーンなんてあまりにも可笑しすぎませんか?あの村だけが局所的に凍っているのもちゃんチャラ可笑しいですし、大体あんな湿度もほとんどなさそうな砂漠がどうやってあんな凍り方をするんでしょう?リオデジャネイロのビーチで凍るシーンならまだわかりますよ?高温多湿な気候ですから、一気に気温が下がってあのような現象が起こる可能性は否定できないと思います。ただアフガニスタンの砂漠で、同じことが起こるのはちょっと納得がいかなさすぎます。

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他にも「ダッチボーイ」は「気候コントロールシステム」だと言っているのに、地震や津波を引き起こしているというのはどういう事なんでしょうか?地震も津波も気候とは関係ない現象だと思うのですが・・・?(長期的に見ると、気候がプレートの動きに影響を与える可能性は指摘されていますが)

「気候コントロールシステム」と銘打っているわけですからそれくらいの設定はしっかりしておいて欲しいものです。

他にも「ジオストーム」という単語が非常に気になりました。「ジオストーム」って造語何ですかね?てっきり「磁気嵐」を指す”geomagnetic storm”という単語の略称だと思っていたんですが、そうではないんですかね?

ただもし「ジオストーム」という言葉が”geomagnetic storm”に関連しているのであれば、これまた可笑しな話ですね。この現象は、地磁気を全世界的に減少させるものです。現実世界でも太陽活動の活発化に伴う磁気嵐は時々話題に上りますよね。強い磁気嵐は電波障害や送電障害などをもたらすので、人間の生活に大きな影響を与えると言われています。1989年にはカナダのケベックで磁気嵐のために大規模な停電が起こったなんてこともあったそうです。

あれ?そうかんがえると磁気嵐って竜巻やら津波やら、雷雨やら気温上昇とは全然関係が無いんですよね・・・。「ジオストーム」という単語の意味がよく分かりません(笑)。

解説:結局何が言いたかったの?

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本作「ジオストーム」は、シンプルに捉えるならば、政治的な風刺や環境問題への問題意識が根底にありますよね。政治的な風刺という面であれば、本作のヴィランであるデッコムの発言はドナルド・トランプを思わせますよね。「アメリカを再び(1945年のときのように)偉大な国にしてやるんだ!」という発言をしていましたし、彼は他国を貶めてでもアメリカの地位を上げようと画策していました。

環境問題の風刺という点であれば、人類の環境問題への無配慮が結果的に大規模な災害をもたらし、「ダッチボーイ」の開発に至ったという本作の前提条件が極めて風刺的です。

ただ本作の環境問題への言及は一体何がしたかったんだ?と言わざるを得ません。

人類の環境問題への無配慮が大規模災害を引き起こし、人類は生き残るために気候コントロールシステム「ダッチボーイ」を開発しました。しかし、そのシステムは不完全であったがために、悪用されてしまい人類は再び危機に陥りましたが、事なきを得て、「ダッチボーイ」は復旧に向かいましたとさ、おしまい。この映画はそういうストーリーなんですよ。

よくよく考えてみてくださいよ?この映画、実は最初と最後で何にも変わっていないんです。人類が環境を破壊しつくした挙句に「ダッチボーイ」という逃げ道に頼らざるを得なくなったわけですよ。しかしそれも人類の傲慢だと言わんばかりに、本作ではそれが人類に牙をむくこととなります。

 つまり、本作で描かれた大災害というのは人類に対する大きな警鐘であるはずなんですよ。ただ、それを経てもなお結局人類の未来は「ダッチボーイ」に近似の気候コントロールシステムに頼る未来なんですよね。本作で起きたことは何の意味もなかったじゃないか?と言わざるを得ないのが正直なところです。

 環境問題に警鐘を鳴らすはずの映画がもはや、環境を破壊しつくしてもこういうシステムを開発したら良いだけだから!!大丈夫!!と言っているようにしか聞こえないんです。

映画の始まりと終わりでその辺りが何にも変わっていないというのは、本作のようなジャンルの映画としてはあるまじきミステイクですよね。

本当に何がしたかったの?この映画は?

おわりに

がっつりディザスタームービーを期待しても肩透かしを食らいますし、手に汗握るサスペンス映画というわけでもないですし、環境問題に一石を投じる映画なのかと思いきやそうでもないですし、結局中身が何にもない映画なんですよね。

エメリッヒ監督の「インディペンデンスデイ」も正直そんなに評価は高くないのですが、あの最高に熱くなれる演説シーンがあるので、嫌いになれないんですよ。こういうワンシーンで観客の心を鷲掴みにするような映像があれば、良いのですが、それすら無いんです。本当に何も無い。

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間違いなく今年の洋画年間ワースト候補筆頭になるであろう映画でした。

個人的にはあまりおすすめはしませんが、興味がある方は、百聞は一見に如かずとも言いますから、ぜひぜひご自分の目で確認してみてください。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。




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