【ネタバレあり】『約束のネバーランド』解説・考察:謎が謎を呼ぶ最高のダークファンタジー

©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね1月よりテレビアニメが放送される『約束のネバーランド』について書いていこうと思います。

本記事は一部作品のネタバレになるような要素を含む内容になります。作品を未鑑賞の方はお気をつけください。

良かったら最後までお付き合いください。

『約束のネバーランド』あらすじ

GFハウス脱出(第1巻~第5巻)

衝撃の事実

様々な年齢の孤児が暮らす孤児院であるGFハウス(グレイス=フィールドハウス)では、「ママ」と呼ばれるイサベラの管理の下で子供たちが幸せに暮らしていました。

そこでは、子供たちが特殊なテストを受けさせられ、頭脳を鍛えながらも、のびのびと生活していました。

GFハウス(グレイス=フィールドハウス)においてはいくつかルールが定められていました。

  1. 森に作られている柵の外に出てはならない
  2. 外へと通じる門へ行ってはならない
  3. 12歳になるまでに里親が決まり、外の世界へと旅立つこととなる

子供たちはこんなルールにもさして疑問を抱くことなく、家族のように穏やかな生活を送っていました。

ある日コニーという少女が里親の下へと旅立つこととなりました。

コニーが旅立つ日の夜、本作の主人公でもあるエマは、コニーが大切にしていたウサギの人形が孤児院に忘れられていることに気がつきます。

エマは友人のノーマンと共に彼女の下に人形を届けようと、外へと続く門へと向かっていきます。

そこで彼らが目撃したのは、衝撃の真実でした。

なんと、コニーは既に殺害されており、人肉として出荷されようとしていたのです。

鬼のような形をした異形の存在が、コニーの亡骸を瓶に詰め、トラックに乗せて外の世界へと持ち出そうとしていました。

衝撃の事実を知ってしまったエマノーマンは戸惑いますが、GFハウスから脱出することを決意します。

GFハウス(グレイス=フィールドハウス):世界に4つある高級品としての人間を飼育する施設。イザベラが「ママ」として君臨しており、4つある高級農園の中でも特に「鬼」たちに重視されている。

脱出計画

その日からエマノーマンは、友人で頭脳明晰なレイを巻き込み、脱出の計画を進めることとなりました。

門からの脱出は難しいと考えた彼らは、森から脱出することを決断し、柵の向こう側を調査してみると、そこには塀がありました。

そこから導き出される道具等の準備の段階へ移ろうとするエマ達でしたが「ママ」のイザベラは一枚も二枚も上手でした。

なんと、彼女は発信機を使って孤児院で暮らしている全ての子供たちの位置情報を把握していたのです。

それに加えて、彼女はあの夜に門のところにうさぎのぬいぐるみが捨てられていたことと、発信機のデータから「真実」を知ってしまった子供が少なくとも2人いることまで把握していたのです。

「ママ」の目をかいくぐり、脱出計画を進行させる3人でしたが、大きな問題が生じます。

イザベラは新しいシスターとしてクローネという女性を呼び寄せたのです。

監視の目が増えたことに困惑する3人でしたが、まずは発信機の解除を目下の目標として動き始めます。

その後、発信機が耳の後ろに隠されていることを知った彼ら。

一方で、新しくやって来たクローネは、イザベラを失脚させて自分が「ママ」になる野望を抱き、独自に行動を開始します。

計画を進め、新たな仲間を引き入れようと画策する3人でしたが、想像以上に情報がイザベラ側に漏れていることから、「内通者」の存在を疑い始めます。

ノーマンは「内通者」をあぶりだすために罠を仕掛け、その結果レイが「ママ」のスパイであることを探り当てます。

レイは長年にわたり自分が脱出するために「ママ」に内通し、脱獄の準備を進めていました。

さらに彼は発信機の解除方法にもほとんど辿りついているというのです。

こうして二重スパイとして暗躍することになったレイ、そしてドンギルダを仲間に加え、計画をさらに進めることとなります。

スポンサードリンク




クローネの暗躍

シスターのクローネは監視を続けるうちにエマたち5人が計画を進めていることを悟ります。

「ママ」の座を狙う彼女はなんとエマたちに協力関係を結ぶ提案を持ちかけられるのでした。

しかし、ノーマンは彼女の目的に気がついていました。

クローネの目的とリスク

  • 目的:エマたちと関わることでイザベラを失脚させるための証拠をつかみ、子供たちは即時出荷してしまうこと。
  • リスク:イザベラのスパイであるレイに密告されてしまえば、自分の立場が危うくなる。

エマたちの目的とリスク

  • 目的:「ママ」と共闘する重要なキーになる上に、外で生活していく上で必要な情報を聞き出せる可能性がある。
  • リスク:ボロを出してしまえば(証拠を出してしまえば)、即時出荷されてしまう。

クローネエマノーマンは夜に密会の場を設け、探り合いをしますが、一枚上手だったクローネは彼らの表情や挙動から手の内を徐々に把握していきます。

「証拠」を掴もうと、暗躍するクローネでしたが、イザベラはさらにその先を読んでいました。

イザベラはクローネを昇進という名目で、GFハウスの外へと出し、人肉として出荷してしまう算段を整えていました。

クローネは掴んでいた「証拠」を盾に、保身を図りますが、殺害されてしまいます。

しかし、彼女は最後の最後で、ノーマンの机に1本の「ペン」を置いていきました。

それはウィリアム・ミネルヴァに纏わるキーアイテムだったのです。

「ペン」:外の世界でエマたちが自分たちの現在地の座標軸を確認するために活用できるツール。物語が進行するにつれて、様々な機能が発展していき、キーアイテムとなる。
ウィリアム・ミネルヴァ:エマたちの読んでいる本の中に暗号を仕込み、逃亡の手助けをしていた人物。逃亡した子供たちは彼の示した座標軸に向けて旅を続ける。

ノーマンの出荷

そしてエマたちの暗躍にも気がついていたイザベラですが、彼女が脱出計画を悟りながら彼らを泳がせていた理由も判明します。

それは、彼女にとってはテストで300点満点を取っているエマ、レイ、ノーマンの3人を12歳の満期でもって出荷することが至上命題だったからです。

だからこそ彼女は、脱出計画に過度に干渉することをせず、「制御」するに留めていました。

時期が整ったと見たイザベラは、本部からの要請だとしてノーマンの出荷をエマたちに告げます。さらにエマの足の骨を折り、脱出計画を妨害します。

ノーマンを死なせないために、エマレイは、彼に1人でGFハウスを脱出するように提案し、そのための準備を進めていきます。

計画実行の当日、ノーマンは予定通りに「ママ」の目を盗んで逃亡しますが、その後、ハウスに戻ってきてしまいます。

彼は、エマたちに逃亡中に知り得た塀の向こうが崖であったという真実やハウスや門を取り巻く施設の構造を説明しました。

その情報を置き土産にして、ノーマンは出荷されるために門へと連れて行かれてしまうのでした。

スポンサードリンク




脱出実行へ

ノーマンが出荷され、絶望し、すっかり意気消沈した様子のエマレイでしたが、水面下で計画を進めていました。

そしていよいよ計画実行の日。GFハウスに放火し、それを陽動にして脱出する算段でした。

そんな時に、レイは「奥の手」としてあらかじめ考えていた作戦を実行に移します。

それはイザベラが300点満点の個体である自分が焼けているのを見れば、助けようとし、時間稼ぎができるだろうというものでした。

しかし、エマはその「奥の手」の内容を、全てを悟っていたノーマンから伝えられており、その作戦を遮りレイを助け、共に脱出を目指します。

  1. フェイクでもって実際に人が焼けているように演出したこと。
  2. エマとレイは耳を切り落とし、無効化されていない発信機をGFハウスに残して来たこと。
  3. 4歳以下の子供たちは、また機会を改めて救出に来ることとし、ハウスに残したこと。

3つの作戦が見事に的中し、子供たちは無事に脱獄するための「時間稼ぎ」をすることができました。

計画を悟ったイザベラは子供たちが脱出するために「橋」を活用することを予見し、警報を発令し、先回りしようとします。

しかし、エマたちが脱出経路として選んだのは「崖」でした。

2046年の1月15日、こうしてエマたち15人の子供がGFハウスからの脱出に成功しました。

ミネルヴァ捜索(第5巻~第6巻)

外の世界

GFハウスを脱出したエマたちを待ち受けていた外の世界はとても厳しいものでした。

彼らは人食い木の誘い穴に落ちてしまい、絶体絶命の危機を迎えます。

そんな時に、エマは人食い木の特性や習性がミネルヴァの本に登場した「アルヴァピネラの蛇」に似ていることに気がつく。

本の通りに行動したエマたちは何とか、誘い穴から脱出することに成功するも、既にハウスからの追っ手鬼たちが迫って来ていた。

そんな彼らを謎の人物が、助ける。その正体はソンジュとムジカという男女ペアの鬼でした。

世界の真実

ソンジュは原初的な鬼の在り方を信仰しているため、食用に養殖された子供を食べるのは神への冒涜であるとして敬遠していました。

彼は、エマたちを気に入り、彼らに世界の秘密を語り始めたのでした。

  • エマたちがいる世界は地球だが、人間の世界とは隔てられた鬼の世界であるということ。
  • 人間の世界と鬼の世界はかつて結ばれた「約束」によって隔てられていること。
  • 2つのの世界を行き来することは現在できなくなっていること。

絶望的な状況ながら、エマとレイは人間の世界に行ける可能性があることに歓喜します。

そうして脱出した彼らの目標が人間と鬼の間に結ばれた「約束」を結び直し、人間の世界に戻ることになりました。

そんなエマにムジカは「7つの壁」に向かうように助言します。どうやらそこには鬼の最上位に君臨する「謎の存在」がいるようです。

その後、彼らはソンジュとムジカと別れ、ミネルヴァの本が指示した目標地点に辿り着きます。

何とそこにあったのは、地下シェルターでした。

『約束のネバーランド』キャラクター

エマ(認識番号:63194)

本作の主人公で、物語開始時点では11歳の少女。

運動神経と学習能力が非常に高く、GFハウスで実施されるテストでも常に300点満点を獲得している。

天真爛漫で、勢い任せな側面もありますが、脱出計画が始まると、狡猾で知性的な側面も見せるようになり、成長していく。

当初、レイから少数精鋭で脱出することを提案された際は、ハウスの全員を助けるという意志を曲げない姿勢を見せ、非常に仲間想いな性格であることが伺えます。

しかし、ノーマンが「出荷」され、状況が厳しくなると、後に迎えに戻ることを誓い、4歳以下の子供たちをハウスに残して脱出計画を実行に移します。

レイ(認識番号:81194)

本作のメインキャラクターで、物語開始時点では11歳の少年。

幼児健忘症を経験しなかったこともあり、6歳の頃には既に「鬼」の存在やGFハウスの秘密に気がついていた。

その事実をイザベラに打ち明け、彼女の「協力者」になった。

それにより、報酬として外の世界からの物資を得られるようになり、それを用いて外の世界の事情の把握や発信機無効化装置の開発を進めた。

エマとは方針が合致しないものの、共に脱出計画を進めていくこととなる。

しかし、脱出計画の最後の段階では、エマの熱い思いに感化され、ハウスの子供たち全員を救いたいと熱望するようになりました。

イザベラの親友レスリーの好きだった歌を彼が歌っていたことから、イサベラは彼が自分の産んだ子供であることを悟っている。

ノーマン(認識番号:22194)

同じく本作のメインキャラクターの1人で、物語開始時点では11歳の少年。

頭脳明晰で、GFハウス始まって以来の傑出した頭脳と知性を持っています。

エマに好意を寄せており、彼女を助けたいという強い熱意を持っている。そのためエマが願うハウスの子供たち全員での脱出を成し遂げたいと熱望しています。

しかし、突如として早期出荷の対象にされたことをイサベラに告げられ、葛藤することとなります。

出荷の日に、エマたちに1人でも脱出するように提案されますが、調べぬいた情報を置き土産に、自分が出荷される運命を受け入れます。

ドン(認識番号:16194)

物語開始時点では10歳の少年。

ハウス脱出の中心メンバーの1人として活躍する。

GFハウスにある秘密の部屋に潜入するべく、イザベラのポケットから鍵をくすねるなどのスキルも発揮。

秘密の部屋で、気にかけていたコニーの遺品のバニーを発見し、気持ちを押さえられなくなる一幕もあった。

ギルダ(認識番号:65194)

物語開始時点では10歳の少女。

当初は、シスターのクロードと夜に密会をしているところを垣間見られるなど、「内通者」として疑われていたが、内気な印象とは相反する芯の強さを見せ、脱出メンバーの1人として活躍する。

GFハウスでのテストでも200点台を獲得するなど頭脳も優れている。

フィル(認識番号:34394)

物語開始時点では4巻の少年。

テストの得点でも200点台を獲得し、以前からGFハウスの独特の空気感を察知しており、孤児院ではなく飼育農場であることを薄々感じ取っていた。

また、エマがミネルヴァの書籍に隠されたモールス符号の秘密に気がつく手助けをする一幕もあり、他の子供たちとは比べものにならない才能を秘めていることが伺える。

第1巻の表紙の時点で既にメインキャラクターの1人であることが仄めかされているので、GFハウス脱出編では出番は少ないですが、今後物語のキーマンになることは間違いないでしょう。

イザベラ(認識番号:73584)

GFハウスを管理する飼育監。

飼育監のなかでも特に優秀で、鬼たちやグランマからも一目を置かれている。

彼女自身も一度脱出を試みたようだが、塀の向こうに広がる断崖絶壁を目撃し、諦めた過去がある。

脱出計画を知り、何とか300点満点を取る優秀な個体であるエマ、レイ、ノーマンを12歳の満期に出荷しようと策を巡らせる。

しかし、結局は脱出を許してしまい、最後にはエマたちの未来が明るいものになることを祈るなど「母」の顔を見せた。

また、レイは気がついていないが、彼女は彼が自分の実の子供であることを悟っている。

スポンサードリンク




『約束のネバーランド』解説・考察

本作の世界観

『約束のネバーランド』の独特の世界観はこれまでにもいくつかの作品で見られた要素を踏襲しています。

特に強く影響を受けていると考えられるのが、カズオイシグロ『わたしを離さないで』ではないでしょうか?

この作品では、人間たちによって臓器売買のためにクローンとして製造された子供たちの物語が描かれています。

似ている要素をいくつか挙げていきましょう。

  • 子供たちが「真実」を知らされないままに施設で育てられている。
  • 主人公たちは秘密に感づき、情報を探るようになる。
  • 一定の年齢に達すると施設の外に出され、臓器提供を待つこととなる。

このように『約束のネバーランド』の世界観や設定は『わたしを離さないで』の影響を受けていることが分かります。

他にもルシール・アザリロヴィック監督映画『エコール』の影響も強く感じられます。

この作品は、森の中の閉鎖空間で少女たちだけが育てられているという世界観の物語です。

以下の点は非常に『約束のネバーランド』に似ています。

  • 少女(子供たち)だけの閉鎖空間
  • 初潮を迎えると外の世界へと連れ出される。(その後は明らかになっていないが、売春をさせられるのではないかという説も)
  • 脱出しようとすると、命を落とす。

昨年放送されていた、『ダーリンインザフランキス』というテレビアニメもこの2作品御影響を色濃く受けていたように感じられますが、『約束のネバーランド』はさらに強く世界観を受け継いでいるように思います。

認識番号のルール

本作では登場人物にそれぞれ認識番号(コード)が振り当てられています。

先ほど紹介したキャラクターたちのコードを見てみてみましょう。

  • エマ(認識番号:63194
  • レイ(認識番号:81194
  • ノーマン(認識番号:22194
  • ドン(認識番号:16194
  • ギルダ(認識番号:65194
  • フィル(認識番号:34394
  • イザベラ(認識番号:73584

しかし、この番号我々が普段そうしているように左から読んでしまうと、何の脈絡もない数字の羅列に見えますよね。

ただ注目してみるとエマたちの世代の人間は下2ケタが「94」になっています。

その点に気がつくと、この認識番号は後ろから読むことで意味を成すということが把握できるでしょう。

つまり並び替えるとこうなるわけですね。

  • エマ(認識番号:49136)→11歳
  • レイ(認識番号:49118)→11歳
  • ノーマン(認識番号:49122)→11歳
  • ドン(認識番号:49161)→10歳
  • ギルダ(認識番号:49156)→10歳
  • フィル(認識番号:49343)→4歳
  • イザベラ(認識番号:48537)→ママ

きちんと年齢順に配列されていますし、レイの方がノーマンより誕生日が早いことも仄めかされていましたので、これで認識番号を適切に読むことができるでしょう。

スポンサードリンク




謎の鬼文字について

『約束のネバーランド』最大の謎の1つがやはり鬼が用いている文字(言語)ですよね。

特に鬼たちが崇めている謎の存在は物語のキーになること間違いなしです。

「謎の存在」の鬼文字 ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

ナガ
この文字結局解読できないんだよね・・・。

ラテン文字とか古代ギリシア文字、ヘブライ語等を参照してみると、似たような文字は見当たるんですが、それが解読に繋がるかと聞かれると微妙なところです。

他にもエマたちがGFハウスからの脱出後に出会ったソンジュやムジカたちが鬼の言語を使っていましたが、これに関しては完全に独自言語という印象ですね。

後にこの言語(文字)の秘密も明らかになるかもしれませんし、注目しておきたいところです。

鬼たちが崇める謎の存在について

鬼たちが崇めている謎の存在は今のところ正体は分かっていませんが、いくつか情報は提示されています。

まず、第6巻で鬼のソンジュの口からこの世界の「真実」が明かされました。

その時に、ムジカがソンジュが子供たちの「謎の存在」について話していないことを指摘しました。

ソンジュはムジカに対し鬼語で「謎の存在」を「疾うに食用児の敵になる存在」であると評しています。

また、本作最大のキーワードとも言える「約束」にこの「謎の存在」が絡んでいることも明確になっています。

「約束」とは、人類と鬼が互いの領域を守るために結んだ協定で、これにより人間と鬼は互いに殺し合わないことを取り決めました。

その際に鬼の世界に残された人間は、家畜として鬼たちに飼育される立場に置かれ、今の「食用児」という存在が出来上がったこととなります。

そしてその「謎の存在」について更なる情報が示されるのは、第12巻です。

エマたちは、不思議なお守りを頼りにグヴィディダラと呼ばれる場所を捜索します。

そこで、エマは「謎の存在」と竜の幻覚を見ました。(正確には「謎の存在」とエマが主張しているにすぎませんが)

彼女のビジョンに登場した「謎の存在」の姿は、小さな鬼の形をしていました。

その後、エマが見たビジョンを頼りにして彼らはとある「寺院」と「金の水」を捜索することとなります。

辿り着いた寺院で彼らが目撃したのは、人間に似た姿をしている「謎の存在」だったのです。

「謎の存在」が人間なのかそれとも鬼なのかというところもまず気になるのですが、12巻の内容にキリスト教や聖書的な内容が絡んできている点も気になります。

まず、このコマですが、明らかに聖母マリアとイエス・キリストを思わせる作りをしています。

イエスキリストを思わせる像 ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

そしてイエスに当たるのが「謎の存在」ということになるのでしょう。

加えて、「昼と夜が一緒になった場所」という記述も興味深いです。旧約聖書の創世記において、神(創造主)はまず、最初の日に昼と夜を作り出しているんです。

そう考えていくと、「謎の存在」というのは神と人間、そして鬼が三位一体となった超越的な存在なのではないかということも予見されます。

またこの像と共にヴィダ(挿し木)が映し出されているのも意味深です。

というのもマリアというのは「処女懐胎」を象徴する存在です。それとクローンを象徴する挿し木が同じ場所に置かれているという事実が非常に多くを物語っているようにも感じられます。

スポンサードリンク




鬼たちの設定や正体について

さて、ここからは『約束のネバーランド』に登場する鬼たちの設定や正体についての解説や考察を書いていきます。

大きく分けると鬼には知性鬼野良鬼の2種類が存在しているようです。

まず、知性鬼は人間の様な知性を持っていて、鬼の言語だけでなく人間の言語も操り、都市や社会を形成し、階級制度や家畜制度をも構築しています。

また自分たちの弱点が目であることにも気がついていて、それを守るために仮面を身につけています。

階級が低い知性鬼は、量産農場で育てられた安い人肉を食べ、逆に貴族はGFハウスのような高級農場で育てられた人肉を食べているという格差社会は人間さながらとも言えます。

そして一方で存在しているのが、第5巻以降に何度か森の中でエマたちに襲い掛かっている野良鬼ですね。

野良鬼は知性を持たず、仮面も付けておらず、鬼社会には属さず、小さな家族コミュニティを築いて生活しています。

このように鬼たちにも人間の様な格差社会が存在しているわけですが、鬼たちが人間を食べるのには大きな理由があるのではないかということが推察されます。

というのもこれは第1巻でも既に描かれていましたが、鬼たちは成績が優秀な人間を高級肉として扱います。

つまり、知性鬼たちの高位層の認識では、人間を食べるうえで最も大切なのは「脳」なのです。

ナガ
そして何と言っても衝撃的なのが第10巻だよね!

そうなんです。第10巻では鬼の正体に迫っていく上で、重要なヒントが示されています。

ゴールディ・ポンドでの戦いを繰り広げている際に、ノウスという鬼がペアで行動していた女性の鬼ノウマを殺され、激高するんですが、彼が次にとる行動が驚きです。

何と、ノウスはノウマの亡骸(頭部)を捕食し始めるんです。

©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

すると、ノウスにノウマの人格が乗り移って、2人が会話し始めたりするんですね。

このことから鬼たちは、人間の脳を食べることで人間の「知性」を捕食することができるのではないかという可能性を指摘することができます。

さらに第12巻でもまた重要なヒントがさりげなく残されています。

エマたちが訪れた寺院で見た1枚の掛け軸のようなものに注目してみてください。

鬼たちの進化の系譜 ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

ナガ
これっておそらく進化の系譜を表してるよね!

この内容が表しているのは、鬼と何か別の生物の遺伝子をかけ合わせることで様々な形の鬼が生み出されていくという設定です。

鬼が人間同様の社会構造や文明を築いているのは、やはり人間の「知性」を取り込んだからであるという可能性が高いと思われます。

また、鬼がいろいろな形状をしているのは、掛け合わされた動物の遺伝子によって左右されているということなのでしょう。

ソンジュとムジカの謎

本作に登場する数多くの鬼の中でも特に謎が多いのが、やはりソンジュとムジカですよね。

ソンジュとムジカが最初に登場するのは、第5巻ですね。そしてその正体が明かされたのが第6巻です。

彼らは原初の鬼の在り方を信仰していて、そのため養殖された人間を食べることを良しとせず、神が自然に作り出した人間を食べることは厭わないと述べています。

ソンジュは「狩り」によって人間を捕食することには抵抗がない姿勢を示していますし、だからこそエマたちに「約束」を崩壊させて、昔の様な世界に戻してほしいと願いを託しています。

さて「狩り」と聞くと、やはり思い出されるのが、レウィウス卿ですよね。

第11巻で、レウィウス卿はエマたちによって倒されますが、彼が絶命する瞬間に見た走馬灯に要注目です。

レウィウス卿の走馬灯 ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

レウィウス卿は設定では、1000年以上生きていることが明かされています。

そのため彼の回想には非常に面白い要素がたくさん詰まっています。

  • 猿に似た形態の鬼(進化の過程か?)
  • ソンジュとムジカ
  • 培養されている鬼の細胞?
  • グヴィディダラ

ソンジュとレウィウス卿は「狩り」を志向しているという点では、考え方が似ているので、かつて共に行動していたのではないかと個人的には考えています。

そんな時に2人が決別するきっかけになったのがムジカの存在なのではないでしょうか?

その重要なヒントになりそうなのが、走馬灯の中に映し出されている鬼の細胞のようなものです。

私の推測では、ムジカは人間に鬼の細胞を埋め込んで作られた存在です。

彼女の存在がソンジュが食用児を食べない理由にも関係しているように思えます。

彼らはおそらくまた物語に絡んでくると思いますが、一体どんな秘密を抱えているんでしょうか?非常に楽しみです。

スポンサードリンク




挿し木とクローンについて

本作を語っていく上で、やはり気になるのが、ヴィダと呼ばれる吸血植物ですね。

最初に登場したのは、第1巻のコニーが出荷されていくシーンでした。

そしてその植物に関しての説明が登場したのが第6巻です。

獲物が生きているうちに、このヴィダを獲物の胸に刺すことで血抜きとグプナ(儀程)の役割を果たすということです。

ヴィダはスペイン語にvidaという似たような言葉がありますが、スペイン語では「生」「生命」を表す言葉です。

また、このヴィダはある種の挿し木なんですよ。

挿し木というのは、茎の一部を切り取って、それを挿し床に刺すことでクローン生成の要領で個体を増やす農業技術のことです。

そして第11巻にはとんでもないシーンが登場しています。

ラートリーが研究しているシーンが映し出されたときに、ノーマンに似た子供が6人彼の前で培養されている様子が映し出されていました。(カプセル詰めにされている)

ノーマンに似た子供たち ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

そして個体それぞれの胸部に挿し木が刺さっています。

こういったことから考えても、挿し木やクローン技術が物語において何らかの形で絡んでくる可能性は高いでしょう。

またクヴィティダラの竜の目って実は、挿し木が刺さった人の形をしているようにも見えるんです。

竜の眼の紋様 ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社

皆さんもぜひぜひ考察してみてください。

第120話で明かされた鬼の正体

第120話の『形のない怪物』にて『約束のネバーランド』における大方の鬼の設定が明かされましたね。

ここで明かされた重要な設定はズバリ「鬼はなぜ人間を食べるのか?」という部分についてでした。

では以下に鬼の特性をまとめてみました。

  • 鬼とは元々は「細菌のようなもの」だった。
  • 他の生物を捕食し、食べた生き物の形質を受け継ぐことができる。
  • その過程で、人間を捕食したことで高度な文明を築いていくこととなった。
ナガ
これまでに示唆されていたヒントから大方予想がつく内容だったね!

ただ1つ面白かったのは、鬼がなぜ人を量産化してまで食べ続ければならないのかについてです。

この答えとして示されたのは、「鬼はその生物を食べ続けないと、その形質を維持できない。」というものでした。

ここでようやく『約束のネバーランド』の世界に「農園」などという施設が存在しているのかが判明したわけですね。

ナガ
ただここで当然気になるキャラクターがいるよね!!

この記事の中でも何度か触れてきたソンジュとムジカの存在ですよね。

彼らは食用児を食べないと公言していますし、おそらく一定規模以上人間を食べていないでしょう。

しかし、人間の形質や知能を維持しているのです。

ここで1つの齟齬が生じてきたことからも、今後ソンジュとムジカがキーキャラクターになってくることは明確ですね。

 

127話で明かされたムジカの正体とは?

さて、最新話の第127話にて、ついにムジカの正体が明らかになりました!

ナガ
おそらく多くの方が気になっていた情報ですよね!!

端的に言うと、ムジカは「人を食べなくてもヒト型の形質と知能を保てる超特異個体」だったのです。

また、ムジカはその血を分け与えることで、他の鬼に自分と同じ能力を授けることができたようです。

ナガ
ここでノーマンの考えに疑問を持っていたエマがピンとくるわけだ!

エマはノーマンの「鬼を全滅させる」という考え方に対して、懐疑的でした。

故にムジカの特性を使えば、彼女が望む鬼と人間が共生する世界を作れるかもしれないと考えたのです。

しかし、王家はその力を恐れ、ムジカは追われる身となってしまったと言います。

そして、何とも面白いのが、王家がムジカを「邪魔だ」と考える理由ですよね。

ナガ
ここが人間の社会にも言えることなんだよ!

ムジカの力は鬼の世界にとっても素晴らしい。しかし、その力が普及してしまうと、今の人間を家畜にして食べるという利権に恩恵をあずかっている王族は、利益を失うんですね。

今の人間の世界でも、まさに同じことが起こっています。

利権が絡むと、本当に良いものが世に出回ることなく黙殺されてしまうのです。

この考え方を巡って決定的にすれ違うエマとノーマン。今後も目が離せません!

 

他に気になる点

まず気になるのが、やはりフィルという存在ですよね。

ナガ
間違いなく物語のキーマンになるキャラクターだよね!

まず、彼はミネルヴァの本に隠されていたモールス符号を読み解いているんです。

キリスト教でも神の言葉を人間に伝える役割を果たしている人のことを「預言者」なんて言いますが、フィルはまさにこれですよね。

ミネルヴァが本に残した言葉を汲み取り、解釈してエマたちに伝えたわけです。

そして彼は農場に残ったわけですが、第12巻でラートリーの手下であるアンドリューに目をつけられる一幕がありました。

ここで何があったのかはまだ不明です。

また、第1巻の冒頭の「鬼ごっこ」ってすごく意志深な伏線のように感じられます。

というのも、ノーマンが鬼で逃げ回るのが子供たちで、最後まで逃げ続けるのがエマです。

ノーマンは出荷されずに、新しい農場であるラムダ7214に連れて行かれたわけですが、ここはある種の人体実験場ですよね。

そう考えると、ノーマンが鬼の細胞と同化させられて、エマたちの前に立ちはだかるという悲しい展開の可能性もあるのかもしれません。

あとは「フクロウ」というモチーフも気になりますよね。

ミネルヴァが自分の著書に暗号を隠す際に用いたマークは「フクロウ」です。

そのため、「フクロウ」は食用児たちを助けるためのものなのかと思わせつつ、ラートリーたちの監視のための道具としても使われていて、エマたちを窮地に陥れることもあります。

細かい部分でも今後の伏線になりそうな要素やシーンが散見されるので、目が離せません。

スポンサードリンク




おわりに

書きたいことが山ほどあるので、少しずつ解説や考察等を書き足していくようにしたいと思います。

まだ完結していない作品で、アニメ放送もこれからということでどんどんと盛り上がっていくことと思いますし、私も何度も読み返す中で作品を深く考察していけたらと思います。

今後とも定期的に記事の内容を加筆していくつもりですので、良かったらまた読みに来てください。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

関連サイト

・テレビアニメ『約束のネバーランド』公式サイト

参考:アニメ『約束のネバーランド』公式サイト

・週刊少年ジャンプ『約束のネバーランド』公式サイト

参考:マンガ『約束のネバーランド』公式サイト

ナガの映画の果てまでfacebookアカウント

当ブログのfacebookアカウントをフォローしていただければ、いち早くブログの更新情報をお知らせします!

おすすめのサービス

現在当ブログ管理人も活用しているAmazonプライムビデオでは話題の映画が定額で見放題です。今なら30日間の無料体験ができます