【ネタバレあり】『日日是好日』感想・解説:樹木希林という「一期一会」の女優の凄みに触れた!

(C)2018「日日是好日」製作委員会

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね映画『日日是好日』についてお話していこうと思います。

作品のスタイル的に特にネタバレどうこうがあるタイプの作品ではないのですが、一応終盤の展開等には触れない形で感想や解説を書いていこうと思います。

良かったら最後までお付き合いください。

映画『日日是好日』

あらすじ

大学2年生になっても将来の展望が見えない主人公の典子。

彼女は、ひょんなことから近所の武田先生による茶道教室に従姉の美智子と共に通うこととなります。

やりたいことが見つけられない典子。

最初は茶道教室に嫌々通う日々でしたが、武田先生の美しくも威厳ある振る舞いに惹かれ、徐々に茶道にのめり込んでいきます。

それでも容赦なく迫る大学卒業と就職。

そんな辛い日々を支えてくれたのもまた茶道でした。

茶道が教えてくれるのは、作法だけではなく生き方なのかもしれません。

「日日是好日』その言葉にどんな意味があるのか?

映画を見終わった後にぜひとも皆さまご自身で感じ取っていただきたいですね。

スタッフ・キャスト

本作『日日是好日』は森下典子さんによるエッセイ『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』を原作としています。

主人公の名前が典子になっていますが、これはつまり森下さん自身の自伝的な内容になっているということです。彼女は今でもお茶の稽古を細々と続けているそうですよ。

ナガ
さて、まずはスタッフから!!

本作の監督を務めるのは、 大森立嗣さんですね。

ナガ
彼の作品って基本的に重苦しくて、時に暴力的なハードボイルドな作風のイメージが強いよね・・・。

最近は『セトウツミ』のような娯楽映画も撮っていますが、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』や『さよなら渓谷』などかなり重ための作品が多い監督だと思います。

正直に言うと、あまり好きなタイプの映画監督ではないですし、脚本もあまり良いとは思わないです。何というか基本的にセリフで言わせすぎな感が強いです。ちなみに『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』には多部未華子さんが出演されてます。

もう一点この映画に関して注目なのが、劇伴音楽です。

担当されたのは、世武裕子さんという方で個人的に大注目しています。

特に今年公開された『羊と鋼の森』の劇伴がとにかく素晴らしかった野ですが、本作『日日是好日』でも最高の映画音楽を贈りだしてくれました。

四季折々の映像。そこにそっと寄り添うような美しい音楽。映像と音楽を聴いているだけで癒されるような時間でした。

ナガ
ここからキャストについてお話していくよ!!

キャストについてご紹介していくんですが、これに関しては後ほど詳しくお話しますので、簡単な紹介程度に留めておきたいと思います。

まず主人公の典子を演じたのが、当ブログ管理人が大好きな黒木華さんです!!

実はサイン入り写真集なんてものも持っていたりします!!

すみません。どうしても自慢したくて・・・(笑)お許しください。

閑話休題。この映画はとにかく黒木華さんの魅力が詰め込まれた映画です。

おてんば黒木華。おっちょこちょい黒木華。泣く黒木華。笑う黒木華。カラオケする黒木華。海ではしゃいじゃう黒木華。

ナガ
そして和服黒木華だよね!

和服黒木華は強すぎるんですよ。とにかく強い。こんなに和服が似合う女性はそうそういませんよ!

黒木華さんの和服をもっと堪能したいという方は現在公開中の『散り椿』がおすすめです。

参考:【ネタバレあり】『散り椿』感想:木村大作監督が贈る美しすぎる時代劇!!

そしてそんな典子の茶道の師である武田先生を演じているのが樹木希林さんです。

先月亡くなられた日本を代表する名女優。改めてご冥福をお祈りいたします。

最後に、多部未華子さんですね。典子の従姉である美智子を演じています。

より詳しい作品情報は公式サイトへどうぞ!

参考:映画『日日是好日』公式サイト

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映画『日日是好日』感想

理解できないことにも意味がある

本作『日日是好日』という作品には、しきりにフェデリコ・フェリーニ監督の『道』が登場します。

この男女の形を描いた名作は、子供にとっては理解が難しいものでしょう。プロット自体はいたってシンプルな映画ですが、この映画が何について語ろうとしているのかと考え始めると実はすごく深いんです。

映画の中では10歳の頃に典子は両親に連れられて、フェリーニの『道』を見るんですが、その後20歳の時、30歳の時に見返すと、どんどん見え方が変わっていったというエピソードが描かれます。

ナガ
皆さんにもこんな作品ありませんか?

誰しもが子供の頃に、理解も出来ないままに鑑賞した映画やドラマ、本なんかがあるはずです。

私が子供の頃に読んだけれども全く理解できなかった本を一冊挙げるとするならばヘミングウェイの『老人と海』ですね。

老人が海の主たる巨大な魚と闘うというだけのこの本がなぜそんなに名作と言われているのかが、この本を初めて読んだ中学1年生の時には全くもって理解不能でした。

しかし、20歳になって改めて読み返してみると、全然違う作品に見えたものです。おそらく自分が「老人」になってから読むと、また違った作品に見えるんだろうな~なんて楽しみに思えたりもします。

実はこれは茶道にも当てはまることなんですね。

これはどこに置かなければいけない。これはこの順番でなければならない。お茶の立て方はこうでなくてはならない。などとシステマチックに様々な作法が定められているのが茶道です。

主人公の典子もそうですが、最初はこの細かすぎるルールに戸惑い、茶道を敬遠してしまいます。というのもその様々なルールには意味があるようには思えてこないからです。

ただ樹木希林さん演じる武田先生のセリフにこんな言葉がありました。

「はじめにカタチを作っておいて、後からココロが入るものなのね。」

この言葉は、物事の本質を見事に突いているように感じられました。

きっと我々はこの世界にある多くの物事をすぐには理解できないし、誰でもが最初はカタチからです。

でも歳をとっていく中で、様々な経験や学びがあり、それが少しずつ自分の中に蓄積されていき、カタチにココロを注ぐことができるようになります。

映画の中で少しずつ成長していくそんな典子の姿に不思議な親近感を覚えました。

二十四節気で描かれる季節の機微

皆さんは一般的に「四季」という言葉を使いますよね。

ただ日本には、もっと細かい季節の区分が存在しています。

それが「二十四節気」と呼ばれる分け方です。

「住むなら京都」より引用

このような細かい季節区分による映像描写を施しているということもあって、本当に繊細な季節の移ろいを映画を見ながら堪能することができます。

都会の喧騒。仕事の疲れ。そんな日々の憂鬱をそっと癒してくれるような、そんな映画に仕上がっていると思います。

多部未華子と黒木華、2人の女優。

ナガ
皆さんは好きな俳優っていますか?

映画やドラマを見ている人であればもちろん、そうでなくとも好きな俳優の1人や2人は誰しもいるものです。

かく言う私は何度も公言している通りで、黒木華さんを溺愛しております。

1人寂しい夜、何度あの写真集に救われただろうか・・・?

ナガ
ちょっと待って!それ黒木華さんの写真集を不純な目的に使用してないか??

いやだなぁ。してませんよ・・・。保存用と使用用と2冊持ってるんですけどね。

ナガ
使用用ってなんだよ!!意味深すぎるだろ!!

言葉の粗ですね(笑)

まあ要はサイン本の方が保存用で、もう1冊が鑑賞用ということです。

それはさておきですよ。私が学生時代に好きだった女優というのが、実は多部未華子さんなんですよ。

もうベタ中のベタなんですが、『君に届け』の実写版を見て、一目惚れしました(笑)

最近だと『ピースオブケイク』の多部未華子さんが本当にやばいので皆さんにぜひとも見て欲しいです!!

(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会

この映画のキスシーンの破壊力を何と形容したら良いのかわかりませんが、誤解を恐れずに言うのであれば、男である当ブログ管理人が思わず「妊娠」しちゃうような錯覚に襲われるキスシーンです!!

ナガ
いや、その表現は流石にドン引きだよ・・・。

不適切な表現があったことお詫び申し上げます。

とにかく本作『日日是好日』を見て、多部未華子さんが良いなぁ~と思った方は、すぐに映画『ピースオブケイク』を見てください!

さてそんな当ブログ管理人の新旧好きな女優が揃って出演しているという奇跡のような映画なんですが、やっぱりこの作品はとにかく黒木華さんの魅力が炸裂しています。

和服を着れば、もはや敵なしという美しさを放つ黒木華さん。

本作では和服を着ているシーンが多いことは言わずもがな、それ以外のシーンももう「可愛さ」が爆発しています。

私が個人的に一番お気に入りなのが、20代の黒木華さんが迎える冬のお茶教室のシーンで、彼女が大学生がチョイスしたものとは思えないような毛織の服を着ているところなんです。

ナガ
これを見た時に、ああああ衣装スタッフグッジョブ!!と叫びそうになったよね(笑)

そうそう!!そうなんです!!黒木華さんは量産型大学生的な服じゃなくて、こういうおばあちゃんのおさがりみたいなちょっと古風な衣装が似合うんですよ!!

とにかくこの映画を見ると、もう黒木華さんが好きなあなたも、まだ好きではないあなたもノックアウトされること必至です。

私は先ほども少しお話した年齢を重ねるごとに人間は少しずつものの見方が変わっていくという話もこの2人の女優に繋がってきました。

好きな女性のタイプも歳を重ねると変わっていくんだなぁ~なんて。

多部未華子さんと黒木華さん。自分は過去に大好きだった女優と、現在進行形で大好きな女優を同じ作品で見れたことで、いろいろと感じるところも多かったです。

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映画『日日是好日』解説

冗長な心情ナレーションは不必要

本作『日日是好日』って実はセリフが少ない映画なんですね。

基本的にその場その場ではキャストにセリフを言わせずに進行し、後から心情ナレーションで演出を足していくというスタイルをとっています。

ナガ
ただこの演出はどうなの?とは思うよね。

『日日是好日』という作品は日本の季節を美しく描いた作品でもあります。

季節が移ろう中で少しずつ変化していく自然や茶道の世界を瑞々しいタッチで繊細に描き切っています。

ただ、これだけ映像で美しく物語を語ることができる下地が出来ているにもかかわらず、後から心情ナレーションで映画を薄っぺらくしていく行程がはっきり言って蛇足だとは思います。

ナガ
まさかこれも「はじめにカタチを作っておいて、後からココロが入るものなのね。」ってこと?

はっ!!この冗長すぎる演出はまさか作品のテーマを表すためのものだったのか!!

この演出をどう改善するかということに関してですが、私ならこの演出を後半までは敢えて使って、後半のある時点でピタッとこの演出を止めて映像での心情テーリングに終始するアプローチを取りますね。

そうすることで、心の中であれこれと考えていた典子が茶道の世界で成長していく様を演出とリンクさせられると思います。

せっかく映像が美しく、役者の演技も素晴らしいのに、安いドキュメンタリー風の味付けで文字通り「お茶を濁して」しまったのが何とも勿体ない印象です。

樹木希林という「一期一会」の女優の凄みに触れた!

(C)2018「日日是好日」製作委員会

先月9月に亡くなられた樹木希林さん。

私がこの報道を聞いた時に最初に抱いた感情は、「あの人って死ぬんだ・・・。」という少し不謹慎なものでした。

全身をガンに侵されていて、治療を放棄し、それでも元気に女優として活躍されている彼女の姿を見て、私はどこかでこの人の演技を永遠に見続けられるんじゃないか?この人は死なないんじゃないかなんて錯覚していたのかもしれません。

その樹木希林さんが亡くなった。自分にとってはすごくショッキングなニュースでした。

そしてその訃報を聞いてから、樹木希林さんが出演されている作品をいくつか見返していました。

すると今までに自分が見たものとは全く違う彼女の演技がそこにはあったんですよね。

でも、これは樹木希林さんが亡くなったという先入観がそうさせているんだろうなとその時は納得しました。

樹木希林さんを追悼するということでリバイバル上映された映画『万引き家族』。公開当初に劇場で3回見たにも関わらず、4たび劇場に足を運ぶことになりました。

するとこれがまた公開当時に感じたのとは全く違う印象だったんです。その時に、公開当時に3回見た時の記憶が蘇ってきたんですが、思えば樹木希林さんの演技って、3回見れば、3回とも違った味わいがありましたし、彼女のキャラクターに関する解釈は3回見たら、3通り生まれました。

それくらいに同じ映像にも関わらず、彼女の演技だけはどうしても同じには見えないんですよ。まるで私が映画を見るたびに、彼女はわざわざ撮り直しをしているんじゃないかというくらいに別物に見えます。

そんな樹木希林さんを何と形容したらよいのだろうかと思っていた時に、この『日日是好日』という映画を見ました。

そしてこの映画に登場するある言葉が自分の中でストンと落ちました。

樹木希林さんは「一期一会の女優」である。これが私の見つけた答えでした。

確かに映画に閉じ込めらた映像そのものは変わることはありません。5回見れば、5回とも同じ映像を見ることができます。

ただ樹木希林さんは違います。

最初に見た時には、手を伸ばしても届かないようなずっと遠くにいる人物に見えるのに、見返してみると、すごく身近に感じられたりする。ある時は柔和で、優しい笑顔に見えるのに、ある時はその裏に隠れた冷酷な感情が表出する。

そんな不思議な魅力が彼女の演技にはあります。日本の女優で、そんな演技ができるのは私の見てきた限りで彼女以外に見当たりません。

樹木希林さん、本当に偉大な才能だったんだなと今になって痛感させられました。

「あたし最近思うんですよ。こうして毎年同じことができるってことが幸せなんだなぁ~って。」

映画『日日是好日』の終盤に登場する樹木希林さん演じる武田先生のセリフです。

このセリフを聞いた時に、樹木さんがこの世にはもういないこと、彼女がもうこれから新たに演技を披露することは無くなったんだということを強く噛みしめて、涙が止まらなくなりました。

でも私は気づくことができました。樹木希林さんがこれまでに出演してきた数え切れないほどの作品。そしてそこに映る彼女はこれからも「変わり続ける」ということにです。

きっと『万引き家族』の5回目を鑑賞すれば、私はまた樹木希林さんの新しい一面が見られると、今は信じることができます。いえ、確信しています。

「一期一会の女優」樹木希林さんは映画の中で永遠に不滅であり、そして可変です。

おわりに:樹木希林から黒木華へ

いかがだったでしょうか。

最後に少しだけ黒木華さんと樹木希林さんについて語らせてください。

本作の撮影秘話としてこんなお話が挙がっています。

アドバイザーの観世あすか氏によると、希林さんは出演をためらっていたが、黒木が主演すると聞き、考えを変えたという。観世氏は「希林さんは黒木さんと多部さんを『2人はしんのある役者。自分の跡を継いでくれる』と何度もおっしゃっていた」と話し、2人に期待を寄せていたことを明かした。

ライブドアニュースより引用)

樹木希林さんはおそらく自分の命が長くないことを悟っていたでしょうし、『日日是好日』はもしかしたら最後の作品になるかもしれないくらいの覚悟で臨んだことでしょう。

そんな作品への出演の決め手の1つが「黒木華さん」だったというのです。

実は黒木華さんってもうとんでもない経歴の持ち主なんですよ。舞台(演劇)の世界で彗星のごとく現れ、数々の舞台監督を唸らせてきた才能であり、勢いそのままに女優の世界へと足を踏み入れました。

そして『小さいおうち』『母と暮らせば』で文句なしの2年連続最優秀助演女優賞受賞に輝きました。

とにかくとんでもない才能の持ち主なんです。だからこそ私は今の女優を見回しても、樹木希林さんが「認める存在」がいるとしたら、間違いなく黒木華さんはその中にいるだろうと思っていました。

現にこうして樹木さんが話されていたというエピソードが上がってきたわけです。

偶然にも『日日是好日』における2人の役どころは先生と教え子という関係でした。

黒木華さんという素晴らしい才能の持ち主が今後、樹木希林さんのような日本を代表する名女優になれるのか?

私が黒木華さんの大ファンであるという贔屓目抜きにしても、その可能性を彼女は秘めている存在だと確信しています。

最後になりますが、エンドロールで「樹木希林」のクレジットを見た時に、もう涙が止まらなくなりました。

あなたのような素晴らしい女優の演技を見ることができて本当に幸せです。本当にありがとうございました。

心からご冥福をお祈りいたしますと共に、この記事を締めくくらせていただきます。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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