【レビュー】『POPEYE(ポパイ)』11月号「映画とドーナツ。」:映画好きは絶対読むべき一冊!!

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

さて、今日10月10日に私の楽しみにしていた雑誌の最新号が発売になりました。

『POPEYE(ポパイ)』の11月号ですね。そして特集は「映画とドーナツ。」です。

映画大好きな私としましては、これを買わない手はないというわけです。

ドーナツが登場する映画って結構ありますよね。と言いましても、私そんなに覚えてないのですが・・・。「フルメタルジャケット」にはドーナツ出てきましたよね!!それは何となく覚えてます。

 今回は、この『POPEYE(ポパイ)』11月号「映画とドーナツ。」の大まかな内容解説とレビューを書いていきたいと思います。

恒例の「僕の好きな映画。」

『POPEYE(ポパイ)』で映画特集をするとなれば、もう毎回恒例の企画ですよね。著名人が自分の一番好きな映画を1本紹介して、その解説を熱く語ってくれています。

前回『POPEYE(ポパイ)』で映画特集をしていたのが、確か2015年6月号でしたね。これももちろん購入しました。

それ以来の「僕の好きな映画。」ですので、実に2年ぶりですか・・・。月日が経つのは早いですね。

この企画は、著名人の方々が自分の生き方や考え方についてのお話を交えながら、なぜその映画が好きなのか?ということについて熱く語ってくださっています。そのため、どうしても見てない作品があると見たいなあ!と思わされますし、逆に見ている作品があれば、そうそう!と頷きながら読めたり、そんな見方が出来るんだ!と興味深く読む事ができます。

私も個人的に大好きな企画で、今回はどんな作品が紹介されているんだろうか?とわくわくしながらページをめくりました。

この記事では、いくつかピックアップして、紹介してみたいと思います。

スポンサードリンク




太賀(俳優):「ぐるりのこと」

太賀さんは、「ゆとりですがなにか」や今月末公開の映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」にも出演している今注目の若手俳優ですね。

「ぐるりのこと」は私も映画のオールタイムベスト10を質問されたら、絶対に挙げる作品です。監督は「恋人たち」などでも知られる橋口亮輔さんですね。また夫役にリリーフランキー、その妻役に木村多江さんが出演されています。ストーリーは夫婦の再生物語という感じですね。

「ぐるりのこと」で、自分の好きなポイントと俳優太賀さんの好きなポイントがすごく共通していて、分かる分かる!そうだよね!と頷きながら読んでしまいました。

今回の企画で紹介されたことがきっかけで、まだ見たことが無い人たちがこの作品を見てくれたら良いなあと思いました。

宇多丸(ラッパー):「クリード チャンプを継ぐ男」

宇多丸さん?「クリード」じゃない?と思っていたら、案の情でした(笑)。宇多丸さんは、映画界隈でも、ラジオで映画評をされているので、知名度が高いですよね。お恥ずかしながら、私はそのラジオは聞いたことが無いのですが。

今回は宇多丸さんの「クリード」の寸評が掲載されているのですが、これまたすごいですね。短い文章なんですが、この作品がなぜすごいのか?という解説から、自分の感想までスマートに述べられています。

映画をまだ見ていない人は、絶対に見たいと思わされる内容ですし、見ている人ももう一度見たいと思わされる内容になっていると思います。素晴らしいレビューです。

カンパニー松尾(AV監督):「青い体験」

映画「テレクラキャノンボール2013」でも知られるAV監督のカンパニー松尾さんが、紹介されているのが、エロス映画の名作と言われている「青い体験」ですね。

カンパニー松尾さんが、自分の青少年期の性的目覚めやAV業界に身を投じるきっかけがこの映画にあったというお話をされています。彼の性的嗜好はこの映画によって形作られたと断言されるほど影響力の強い作品だったようですね。

お恥ずかしながら、私はまだこの作品を見れていないのですが、彼のレビューを読んで俄然興味がわきました。近日中に見ておきたいと思います。

参考:これを見たらもう戻れない?エログロ変態映画25選!!

小島秀夫(ゲームクリエイター):「2001年宇宙の旅」

「メタルギア」シリーズのクリエイターとして知られる小島秀夫さんが選んだのは、キューブリック監督の不朽の名作「2001年宇宙の旅」でした。

彼が、中学時代に初めてこの作品を見た時の印象、この作品を見るときのポリシーや作品の魅力について短い文章で、分かりやすく述べられています。

自分も高校生の時に、初めてこの作品を見て、眠くなったのを覚えていますが、それから数年して改めて見返したときに「なんて傑作なんだ!」とハッとさせられたので、小島秀夫さんの経験と通じる部分を感じました、

非常に興味深いレビューですので、一読の価値ありです。

コムアイ(水曜日のカンパネラ):「ブンミおじさんの森」

水曜日のカンパネラで歌唱担当をされているコムアイさんが紹介しているのは、タイの奇才アピチャッポン監督の「ブンミおじさんの森」ですね。

このチョイスを見た瞬間に感じたのは、渋すぎだろ!!という印象ですね。アピチャッポン監督の作品は私も大好きで、チェックしているのですが、こういった企画で作品をあげてくれる方がいるとは思いませんでした。

それでいて、アピチャッポン監督の描きたいものを自分なりに考察していらっしゃって、それがとても興味深いです。ここで紹介されたことで、少しでも多くの方がアピチャッポン監督の作品に興味を持ってくれると嬉しいですね。

個人的には、「光りの墓」という作品がオススメです。

「ブレードランナー」特集!!

やはり今回の記事の一番の見どころは、この「ブレードランナー」特集ですよね。

最初に「はじめまして、ブレードランナー。」と題して、今年の新作公開を前にして、初めて「ブレードランナー」を見た人のレビューが掲載されているのですが、これがまず熱いです。自分が「ブレードランナー」を初めて見た時の手触りが生々しく蘇ってきたようでした。

また、その後も著名人が選ぶ名シーン集やサウンドトラック解説、ファッション解説、用語解説などが掲載されていました。

最後に「『ブレードランナー2049』どうなる?」と題した、新作の予想記事が掲載されているのですが、これがすごく面白かったです。私自身が最近のハリウッド続編攻勢に対して抱いている感情にぴったりとハマる内容で、すごく感激でした。

内容としては、「オタク的”目配せ”に終始する続編」への懐疑的な意見ですね。この記事はとても興味深いものなので、一読の価値があります。

参考:【ネタバレ】『ブレードランナー2049』を20000字超で徹底解説&考察!!

黒沢清監督がオススメするSF映画特集!!

現在公開中の映画「散歩する侵略者」の監督としても知られる黒沢清さんが9つの質問に答える形でSF映画について語ってくださっています。

  1. SFビギナーがまず見るなら?
  2. 映画監督を志望しているなら?
  3. 「ウォーキングデッド」にハマったなら?
  4. 怪物に阿鼻叫喚したいなら?
  5. ガールフレンドとデートで見るなら?
  6. リアルに思える地球侵略を見るなら?
  7. とにかく爆笑したいなら?
  8. アウトローの活躍に酔いしれるなら?
  9. H・G・ウェルズの原作ものを見るなら?

個人的に、面白かったのが、⑤のガールフレンドとデートで見るなら?の質問の答えとして紹介されていたトビー・フーパー監督の「スポンティニアス・コンバッション」という作品ですね。トビー・フーパー監督は最近亡くなったばかりですよね。

私は彼の作品は「悪魔のいけにえ」しか見たことが無かったので、この作品にすごく興味がわきました。体から発火してしまう能力を身につけた男が恋人のために・・・みたいな映画だそうです。これはチェックしてみたいですね。

他にも⑦のとにかく爆笑しながら見たいなら?のパートで挙げられていたティムバートン監督の「マーズ・アタック」という作品は個人的にも大爆笑しながら見た作品なので、お勧めしたいです。

黒沢清監督独自の目線で語られるSF映画論議はボリュームたっぷりで見応えがあります。ぜひご一読ください。

リンチとドーナツ。

名匠デヴィッド・リンチ監督の伝説のドラマ「ツイン・ピークス」にドーナツが印象的に登場することから、組まれた特集のようですね。恥ずかしながら私はこのドラマは見れていません。

また、デヴィッド・リンチ監督自身も大のドーナツ好きだったみたいですね。そんなエピソードも書かれていました。

加えて、ストーリー解説、サントラ解説、アート的視点からの解説などなど非常に充実していて、作品に興味が持てる内容でした。

「ツイン・ピークス」を知らない私でも掲載されている写真を見るだけで、ドーナツが食べたくなってきますし、「ツイン・ピークス」を見たいと思わされました。

マイ・ベスト・ジブリ

この企画もかなりページ数がありましたね。著名人の方々が、自分の一番愛するジブリ映画について熱く語っておられます。

どれも興味深いのですが、やはり自分の大好きな女優さんである蒼井優さんが「魔女の宅急便」を紹介されているレビューは2度3度と読んでしまいましたね。彼女が幼少期からこの作品を見ていたことや、成長して見返すたびに見え方が変わるということをお話しされていて、すごく共感的に読める内容になっていました。

またこの企画の締めくくりに、詩人の最果タヒさんが「風立ちぬ」についての寄稿を寄せられていて、これがすごく印象的でした。「風立ちぬ」は人生の物語であり、そして愛の物語(恋愛ではなく)であるという結論に向かって、深い視座からの考察が据えられています。これは間違いなく一読の価値があります。

ちなみに私自身のマイ・ベスト・ジブリも「風立ちぬ」です。

ジム・ジャームッシュとトム・フォード

ジム・ジャームッシュ監督の新作としては「パターソン」と「ギミーデンジャー」が、トム・フォード監督の新作としては「ノクターナル・アニマルズ」がそれぞれ今年公開になります。ということもあってこの2人が改めて特集されているのだと思います。

イラスト付きで2人のフィルモグラフィーを熱く解説くださっていたり、2人の映画監督のこれまでを比較しながら書かれた論評があったりと充実の内容になっていました。

私は、特にジム・ジャームッシュ監督作品はほとんど見ている大ファンですので、すごく楽しめながら読めました。ただこれから彼の作品を見ようと考えている人にもお勧めしたい、非常に魅力的な特集でしたね。

私の個人的なオススメは「ストレンジャーザンパラダイス」という作品ですね。

ジム・ジャームッシュ監督の最新作『パターソン』のレビューはこちらからどうぞ!!

参考:【ネタバレあり】『パターソン』はジムジャームッシュ監督作品の1つの到達点だ!!

トム・フォード監督は「シングルマン」以来の新作ですので、非常に楽しみですね。

参考:【ネタバレあり】『ノクターナルアニマルズ』はトムフォード流の西部劇である!!

北野武×大根仁対談

現在「アウトレイジ:最終章」が絶賛公開中の北野武監督と「モテキ」シリーズで知られる大根仁監督の対談が掲載されています。

対談の内容ももちろん面白いですが、その後に掲載されている大根仁による北野作品解説が非常に魅力的な内容です。映画監督だからこその視点で語られる北野作品の魅力にただただなるほどと頷かされます。

この素晴らしい解説だけでも定価800円の価値があると思いました。

特に、大根仁監督が「ソナチネ」を日本映画の最高傑作と評していたのは、少し意外でしたね。私も北野作品で一番好きなのは?と聞かれたら、「ソナチネ」と「あの夏、いちばん静かな海。」で頭を悩ませますかね。

これがD級映画だ!

D級映画と題して、ドーナツが登場する作品がいくつか紹介されています。

私が最初にちらっと名前を挙げていた「フルメタルジャケット」もここで紹介されていました。

ここに紹介されている作品は、ぜひドーナツ片手に見たいところですね。

この特集を見ながら思い出しましたが、「アイアンマン2」でもドーナツ食べていましたよね。しかもあれはかなり重要シーンでした。

おわりに

ざっとですが、特集の大まかな解説とレビューを書かせていただきました。

どの特集も一読の価値ありで、それぞれが定価800円以上の価値がある内容だと思います。それが4つも5つも合わさってお値段据え置き800円ですからね??安すぎませんか??(笑)

『POPEYE(ポパイ)』が送る久々の映画特集です。映画ファンの方は絶対に読んでください!!間違いない内容です!!

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

スポンサードリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください