【感想・解説】実写映画版「美女と野獣」(2017):こんな美女と野獣は嫌だ?

アイキャッチ画像:©2017 Disney from final trailer of “Beauty and the Beast” 

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

さて、今回はですね、4月21日より公開となりました実写映画版「美女と野獣」について書いていきたいと思います。

もう何度も映画化されている作品ですし、アニメ版が非常に有名なので、ストーリーも知っている人が多いであろうということで今更感想記事を書くのも芸がないので今回はちょっとふざけまくった記事を書きたいと思います。

良かったら最後までお付き合いください。

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今回の記事の趣旨について

皆さんは実写映画版「美女と野獣」をもうご覧になりましたか?本作の源流と言われているのがヴィルヌーヴ夫人版の作品で、現在まで残っているのがボーモン夫人によって著されたものと言われています。これが著されたのが18世紀中ごろの革命前夜のフランス、ブルボン朝末期ですね。

つまり、本作の舞台はまさにブルボン朝末期、絶対王政が打破される直前のフランスということがまず考えられます。ディズニーアニメ版の「美女と野獣」はその舞台をかなりぼかして映画化していましたが、今回の実写版は思いのほか、舞台がフランスということを仄めかしていましたよね。そこからいくつか推測をしてみました。

まず、ベルの父親であるモーリスは劇中で仕掛け時計のようなものを作って、街に売りに行っていましたよね。彼の過去の事情から考えても、おそらく売りに行っていたのはパリですよね。そして、彼はベルに「1日もすれば戻ってくる。」と告げて、馬車を出発させました。馬車で、パリに行って、商品を売って、お土産のバラを買って、村まで1日で戻ってこれるということであれば、今回の舞台となっている村は比較的パリに近いのではないかということが推測できます。

また、時代についてですが、モーリスとベルの過去の回想シーンで、パリに疫病が蔓延しているという描写がありました。この点は後で詳しく書いていくのですが、これが大体17世紀末から18世紀初頭にかけての出来事だと言われています。そのため、そこからベルがだいたい年頃の年齢になるまでの期間を鑑みても、時代設定は18世紀半ばごろになるのではないかと思われます。

他にも食文化や衣装、建築物なんかを見てみても近世のフランスをイメージさせるモチーフがちらほらと見受けられました。

よって、実写映画版「美女と野獣」は18世紀初頭~半ばごろのフランスを舞台にしていて、ベルの住むヴィルヌーヴ村はパリからそれほど遠くない位置にある村であるということが推測できるのです。

と、これが今回の記事にどう関係するのか?という話になりますよね。

今回書いていきたいのはですね、この推測が仮に正しいと仮定するならば、「美女と野獣」はちょっと綺麗すぎるんじゃないか?ということなんですよ。「美女と野獣」という作品はあくまでフィクションであり、ファンタジーであるわけですから全然おかしくはないんですよ?ただ今回はですね、「美女と野獣」という作品を当時の社会状況を如実に反映させたうえで制作したならば、どうなるんだろうか?というもしもの話をしてみたいんですね。

端的に言うならば、ファンタジーをぶっ壊してやりたいんですよ!!(笑)

ですので、今回の記事の趣旨は18世紀初頭から中盤にかけてのフランスないしパリの社会状況をベースにいろいろと「美女と野獣」のシーンを考証していうというものです。

まあ、私自身も歴史の専門家ではないですし、世界史を学んできて、フランス史もいろいろと個人的に勉強はしたので、そういった知識をベースにお話ししてみたいと思います。

本当は「臭い」?「美女と野獣」

ちょっとここからしていく話は、若干食事中なんかに読むと不適切であろう内容も含まれてきますので、そういったちょっとダーティな話に敏感な方は、ここで読むのをやめていただいたほうが良いかもしれません。

あと「美女と野獣」の綺麗なイメージを壊したくないという方もここで読むのをやめていただいたほうが良いかもしれません。当ブログ管理人は一切の責任を負えませんよ?(笑)

王族は大食いだった??

ブルボン朝末期に王であった、ルイ14世、ルイ16世は非常に大食いであったことで知られています。それもあって宮廷では常にとんでもない量の食事が振る舞われていたそうです。その中でも特に多かったのが鳥料理と言われていて、卵や肉がふんだんに使われた料理が様々な調理方法で、所狭しとテーブルに並んだと言います。

「美女と野獣」に登場する王子がどのような経緯であの城にいたのかはちょっとわかりませんが、王子ということであれば、当時のフランス王の家系と考えるのが普通ですよね。ということは、あの王子はリアルに描写するなら、とんでもない大食漢、暴食家なのではないかということが推測できます。

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©2017 Disney from final trailer of “Beauty and the Beast” 

劇中でベルとおしゃれなポタージュを飲んでいるシーンがありましたが、野獣化して、より食欲も増しているでしょうし、普通に考えてあんな少量のスープで満足しているはずがありません。(笑)

史実に基づいて、当時のフランス王子ということにするならば、とりあえずベルをドン引きさせる勢いで鳥料理をむさぼっていたことでしょう。(笑)

パリの都はとんでもない悪臭!?

これはすごく有名な話ですよね。当時のパリは水道のシステムや排泄所の仕組みが発達していなかったために、とんでもない悪臭を放っていたそうです。また、キリスト教の価値観のために、死者の土葬が一般的だったので、墓地には死体がそのまま埋められ、腐敗していったためにとんでもない悪臭と疫病が蔓延したそうです。これがベルの母親の死の原因にもなっていました。

パリがこんな状況ですから、他の比較的発展した都市や街や村もパリよりはましにしても同じような事情を抱えていたことは容易に想像がつきます。つまり、悪臭と疫病が蔓延したパリから、モーリスはベルを連れてヴィルヌーヴ村にやって来たということではありましたが、多分そんなに大きく状況は改善されないんじゃないかと思うわけです。

だから、本作の村でのシーンは4DXでリアルに再現するならば、終始吐き気を催すような臭気が劇場に漂っているということが考えられます。

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汚染された水・河川

先ほども述べていたように、当時のフランスでは下水道の設備が発達しておらず、糞尿や生活排水などがそのまま河川に流されていました。パリ付近を流れていたセーヌ川は特に汚染がひどかったそうで、疫病の原因の一つになったとも言われています。

今回の実写映画版「美女と野獣」でも、水車のようなもので街に河川から水を引き込んでいる様子が見受けられました。ただ当時の衛生観念のレベルから考えるならば、その河川から引いてきた水路に生活排水や糞尿が流されていたと考えられます。

こういう水質の汚染状況も相まって、当時のフランス社会では病原菌は水を経由して体内に入ると考えられていたそうで、洗濯や後に触れますが入浴の頻度はすごく低かったことが分かっています。

セーヌ川では洗濯船という文化があって、パリの住民たちは少ないと1か月に1回程度の頻度で洗濯船に洗濯をさせていたそうで、その汚水がセーヌ川の水の汚染につながったことが分かっています。

こういった洗濯物事情があったので、推測にはなりますが、おそらく当時のフランス人たちが着ていた服は全然洗濯しないで、着ているでしょうから相当な異臭がしていたんでしょうね・・・。

ベルも作中で馬を使って、樽で簡易ドラム式洗濯みたいなことを優雅にしていましたが、汚水は垂れ流し・・・。多分村の水路を流れている水は相当汚染されていたことでしょうに・・・(笑)

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©2017 Disney from final trailer of “Beauty and the Beast” 

このシーンもそういう目で見ると、水がめちゃくちゃ汚く見えてきませんか??(笑)

こういった事情もあって、当時のフランスの都市・街の近くの河川の水質汚染問題は深刻だったそうで、異臭や病原菌の温床だったそうです。

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風呂に入らないフランス人

先ほども書きましたが、フランスでは水を経由して病原菌が体内に入るという考え方があったために水浴びないし入浴の習慣がほとんどなかったそうなんですね。17世紀の医学書物では、水の使用を警告し、白いリンネルで顔や目をきれいにし、白い下着を身に着けることが「清潔」であるとされていました。そんな間違った衛生観念が蔓延していたのが当時のフランスなわけです。

そして、風呂に入らないために生じる強烈な体臭、悪臭をごまかすために香料やお香が発達したとも言われています。しかし当時の香料というものは、たいていが動物性の香料であったためにこれ自体も今考えると、とんでもない臭いであったと推測できます。

それに加えて、ただでさえ肉食であったために、当時のフランス人の体臭は強かったと言われていますから、もう人そのものがとんでもない異臭を放っていたわけですよ。

「美女と野獣」で、ベルと野獣がダンスを踊る直前に、野獣が入浴しているシーンが映りますよね。おそらく、日常的に入浴しているということは、当時の社会状況から考えるとあり得ません。つまり、あれはベルに思いを告げるための、久々の入浴だったということが想像できます。

だとしたらですよ。多分、ベルが最初に野獣に出会った時の第一声は驚きの声よりもまず、「なんだこいつ、くせぇ!!」だったんじゃないかと思うわけです(笑)

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©2017 Disney from final trailer of “Beauty and the Beast” 

これ多分「なんだこいつ、くせぇ!!」って言ってる顔ですね!!(笑)

ちょっとためになる知識

ここまでひたすら、臭いだの汚いだの書いてきましたが、最後に少しだけタメになるお話をしておこうかと思います。

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©2017 Disney from final trailer of “Beauty and the Beast” 

ガストンは、ベルに「結婚しない!」と言われても全くくじけることなくアプローチを続けましたが、父親のモーリスに「娘は絶対に結婚させない」と言われると、ひどく取り乱し、結果的にオオカミの餌にしようとしたり、精神病院送りにしたりしようとしました。

これは当時の風潮からするとすごくリアルな描写だと思います。というもの当時のフランスでは父親に絶対的な権限があるとされていました。娘の結婚の最終決定権は、本人ではなく父親に有ったのです。そのためガストンは父親であるモーリスに認めてもらえない限りは、ベルと結婚することは叶わないんですね。ゆえに認めてくれないのであれば、排除してしまおうなんて過激な考えに至ってしまったわけです。

ラストの雰囲気を台無しに・・・

最終的にベルは王子と結婚するわけですから、社交界にデビューするということですよね。ただ当時の社交界では貞操観念がめちゃくちゃだったということが言われています。

なんと、妻が夫を愛するあまり常に一緒にいようとすると、周囲から嘲笑われたそうです。基本的に夫も妻も自分の生活領域を持っていて、別々に暮らすため、何か月も顔を合わさないことすらありうるのが当時の社交界における夫婦事情だったそうです。夫は自分で次々に他の女に手を出し、妻も自分で次々に他の男に手を出すという自由奔放で無節操な性秩序が当時の社交界には蔓延していたと言います。

つまりですよ。実写映画版「美女と野獣」のラストのそれぞれのキャラクターが自分のパートナーとダンスを繰り広げるという感動的なシーンは、当時の社会状況や風潮を反映させるととんでもないことになります。自分の妻と踊っているはずの男性キャラクターたちは他の女性に手を出し放題、自分の夫と踊っているはずの女性キャラクターたちは他の男性に手を出し放題なんて言う地獄絵図になってしまうんですね(笑)

もうこんなことを考えながら見ると、ラストシーンの感動も何もかもぶち壊しですね・・・(笑)

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©2017 Disney from final trailer of “Beauty and the Beast” 

上の画像は一番最初のシーンですが、まあ当時の社交界というものは、性が乱れまくりだったんでしょうなあ。

『シェイプオブウォーター』と『美女と野獣』

 

2018年3月に公開されたギレルモデルトロ監督の『シェイプオブウォーター』と『美女と野獣』は非常に関係性の強い作品です。元々彼は『美女と野獣』の実写版を手掛ける予定だったんですが、企画が没になり、それに併せて監督も降板となりました。

しかし『美女と野獣』への思いを断ち切れなかった彼は『シェイプオブウォーター』という作品で、自分なりの美女と野獣を作り出したのです。

本作のラストに対して結局は美女と美男子の話じゃないかと指摘を加えた彼は、徹底的にシビアな異類今類譚を描きました。だからこそ美醜や経済的側面といった外的要因に左右されない、純粋な愛を描き出すことが出来ていました。

参考:『シェイプオブウォーター』で描かれた形の無い真実の愛

ぜひぜひ合わせてご覧になって欲しい作品ですね。

おわりに

今回色々と自分が調べていて、面白そうだった当時のフランスの社会状況や風潮なんかを「美女と野獣」に反映させてみるということをしてみました。

自分の推測やかなり無理矢理こじつけている部分もあるので、妥当かどうかと言われると自分でも疑問符がついてしまう部分はあります。

「こんな美女と野獣は嫌だ」という大喜利を、当時の社会状況を鑑みながら、本気でやってみたよ!!くらいのノリで書いたということはご了承ください。

あくまで、自分の中での「もしも」の話ですので・・・。

これを読んで、実写映画版「美女と野獣」を見に行くと、いろいろと違った見方が出来るかもしれませんよ??(笑)

「美女と野獣」の興行収入予測記事も良かったら読んでいってください!!

参考:『美女と野獣』は興行収入100億円越え間違いなしか?

今回も読んでくださった方ありがとうございました。




 

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