傑作連発で選べない?ナガの2019年上半期ベスト映画ランキングTOP10!

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね、当ブログ管理人が選出する2019年上半期のベスト映画ランキングTOP10を発表していこうと思います。

ナガ
2019年も本当にいろんな映画との出会いがあったよね・・・。

ちなみに当ブログ管理人は今年の上半期に劇場で合計62本の映画を鑑賞しました。

今回はその中から特に素晴らしかったものを10作品選んで、みなさんにご紹介していこうと思います。

この記事でのランキングはあくまでも当ブログ管理人の完全なる独断と偏見で選出していくものになりますので、その点はご了承ください。

また作品発表の合間に特に素晴らしかったスタッフ・キャスト陣についても言及していければと思っています。

良かったら最後までお付き合いください。




2019年上半期のベスト映画ランキングTOP10(10位~7位)

第10位:大嫌いな映画を撮った監督の最新作がまさかのランクイン!

第10位に選出したのは、『長いお別れ』という作品です。

(C)2019「長いお別れ」製作委員会 (C)中島京子/文藝春秋

この作品の監督は中野量太さんという方で、『湯を沸かすほどの熱い愛』で知られています。

ナガ
何と言っても当ブログ管理人はこの映画が苦手です(笑)

過剰な演出、バグった倫理観、「死」に対する異常な執着。

見ていて非常に気味が悪くなるような演出の連続で、その年のワースト映画候補にまでなりました。

そんな監督の映画だからということもあって、『長いお別れ』は正直あまり期待値は高くなかったんですが、これが大当たりでした。

この作品は、認知症の父とその妻、そして2人の娘が少しずつ記憶を失って衰弱していく彼との切ないけれど、穏やかで、優しい日々を綴ったハートウォーミングな物語です。

『長いお別れ』という作品を見ていて、素晴らしいと感じたのは、小道具の使い方でして、見ていると本当にちょっとした小道具にまできちんと意味が付与されていて無駄がないんです。

だし巻き卵。相対性理論の本。パーティー帽子。ボンタンアメ。ジャガイモ。鮭の切り身。

出てくるすべてのアイテムに意味があって、物語に寄与しています。

また、家族のカタチを探っていく中野監督の視点も秀逸でした。

記憶を失って家族を他人のように認識するようになっても、彼らを家族たらしめるものは何なのか?という問いを中野監督らしい優しいフィルターで突き詰めています。

前作をあれほど嫌っていたのに、その評価を一気に覆されることになるとは、驚きでした。

 

第9位:なんじゃこのラストシーンは?『マルコムX』のあの監督がまたやりやがった!

第9位に選出したのは、『ブラッククランズマン』という作品です。

(C)2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL RIGHTS RESERVED.

『マルコムX』スパイク・リー監督完全復活を印象付けるとんでもない傑作でした。

彼がアカデミー賞の会場で『グリーンブック』の作品賞が決まった瞬間に会場から退出しようとした一件が大きな話題になりましたが、この映画を見ると、彼がなぜそんな行動を取ったのかが理解できます。

近年映画界には過剰なポリティカルコレクトネスの傾向が散見されます。

スパイク・リー監督は、昨今の白人ハリウッド映画界のポリコレ潮流を、かつてのブラックスプロイテーション映画の興隆と重ねているのかもしれません。

この映画は黒人監督が撮る現代アメリカの今ですし、人種差別を主題に据えた作品なのです。

この映画が素晴らしいと感じたのは、白人と黒人のどちらに肩入れするでもなくすごくフラットな視点で、その「愚かさ」を描き出した点だと思います。

白人と黒人のどちらかを卑下するわけでもなく、どちらかをステレオタイプ的に描くわけでもありません。

どちらもの過ちや愚かさを認めた上で、お互いに尊重し合う未来を模索しようというのがこの作品のスタンスです。

スパイク・リー監督をこの映画に見たような気がしました。

 

第8位:この映画はあなた以外が撮ったら大バッシングを浴びますよ(笑)

第8位に選出したのは、『運び屋』という作品です。

(C)2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

監督はクリント・イーストウッドなんですが、この映画ってただの彼の人生なんですよね(笑)

というよりも彼の人生というコンテクストなしで見ると、本当にボケ老人の大放言でしかないですからね・・・。

ただ、クリント・イーストウッドという男を追いかけてきた人にとってはとんでもなく熱い映画です。

彼はこれまでに「遺言」と称した映画を幾度となく世に送り出してきていて、結局引退する気ないじゃん!と笑ってしまうんです。

しかし、流石に今作『運び屋』を見ていると、「人は永遠には走れない」とか言い始める始末なので、まさか引退するのではという思いが頭をよぎりました。

偶然か必然過去の映画には、彼の後継者と目されるブラッドリー・クーパーも出演しています。

ただラストシーンの刑務所の中でデイリリーを育てる彼の姿を見て確信しましたよ。

ナガ
この人絶対まだ映画撮る気満々じゃん!(笑)

まだまだ彼には引退せず、新しい映画のカタチを探し続けて欲しいですね。

 

第7位:こんなに愛溢れる実写版を作ってくれてありがとう!

第7位に選出したのは、『アリータ バトルエンジェル』という作品です。

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

何と形容したら良いか分からないんですが、この映画にはただただ感謝の思いが溢れるばかりなんですよね。

ハリウッドが日本の『銃夢』というマンガ作品をとんでもない予算と労力をつぎ込んで、本気で映画化してくれたということに涙が止まらなくなります。

しかもただ原作を借りたというだけではなくて、本当に原作を深く読み込んで、しっかりとその本質を把握した上で作劇してくれているので、原作が大好きな自分としてもすんなり受け入れられる内容でした。

とりわけ驚かされたのは、アクションシーンの画です。

『アリータ バトルエンジェル』のアクションシーンはマンガのコマをそのまま映像化したのか?というくらいに原作の構図を丁寧に踏襲しているんです。

これを見ただけで、こだわって撮影してくれたんだという製作陣の熱い思いが見ている我々にまで伝わってきますし、無性に泣けてきます。

また主人公のアリータの存在に対する解釈も原作のガリィとは少し異なるんですが、そこもすごく納得がいくものになっていて、改変されている部分にまで原作愛を感じました。

マンガの実写化映画としては洋画邦画含めてトップクラスに優れた作品だと思っています。



2019年上半期のベストスタッフ

さて、まず最初の番外編では、2019年の上半期に公開された映画のスタッフの中で特に優れていた人を各部門1人ずつご紹介してみたいと思います。

ナガ
では早速発表させていただきます!!
ベストスタッフ
  • 編集:平井健一『ホットギミック』
  • 撮影:ロビー・ライアン『女王陛下のお気に入り』
  • 照明:宮尾康史『君は月夜に光り輝く』
  • 美術:丸尾知行『長いお別れ』
  • 音楽:久石譲『海獣の子供』

洋画邦画ごちゃまぜでの選出にはなりますが、上記の5人が個人的に2019年の上半期優れていたと感じました。

まず、編集の平井健一さんは、『ホットギミック』にて山戸監督の要求に応える形で映画の枠組みを超えるとんでもない編集アプローチを披露しました。

映像の高速カット、カットバックの多用、動画や写真のインサートなどもはや映画が完全に瓦解してしまいそうな印象を受けるのですが、彼の編集の手腕があってこそこの作品は映画として辛うじて成立していたように思います。

そして撮影は『女王陛下のお気に入り』ロビー・ライアンが圧倒的でした。

広角レンズと魚眼レンズを絶妙に使い分け、深度の深い映像とゆがんだ映像で見る者を魅了しました。

照明は『君は月夜に光り輝く』宮尾康史が良かったと思いました。

「月」というモチーフがタイトルにもある作品なのですが、非常に月明かりの演出の仕方も美しくて、人間ドラマを包み込むような優しく温かい光を見事に演出していました。

照明の当てる方向や、強さ、当て方に至るまですべてが洗練されていて、見ていて思わずうっとりしましたね。

美術には先ほどもご紹介した『長いお別れ』丸尾知行さんを選出したいですね。

先ほども話題に挙げた小道具の件も然りですが、家を舞台にした映画って生活感の出し方も難しいですし、家族の構成員の性格や気質を考慮して美術を構築していく必要があります。

その点で、彼の仕事は完璧で、すごく見ていてノイズが少ないんです。違和感なく見れたという言葉が最高の誉め言葉になるでしょう。

最後に音楽は『海獣の子供』久石譲さんが圧倒的でした。

この映画は海が舞台ということで、すごく自然の音を大切にした映画なんですが、彼の劇伴音楽は海の波の音や鳥の鳴き声と調和して不思議なハーモニーを奏でるんですよね。

決してうるさすぎるということもなく、かと言って目立ちすぎることもない実に計算された劇伴音楽に仕上がっていたと思います。

 

2019年上半期のベスト映画ランキングTOP10(6位~4位)

第6位:オリジナル版を超えられないと思っていたらまさかの

第6位に選出したのは、『サスペリア』という映画です。

(C)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC All Rights Reserved

ダリオ・アルジェント監督のオリジナル版が非常に有名で公開前から超えられないだろうと言われていました。

しかし、ルカ・グァダニーノ監督はきちんとオリジナル版を再解釈したうえで、オマージュも込めて、見事にリメイクしてみせました。

彼は、現代に巣食う悪魔像を、母性的に自分を庇護し、傍にいるものとして描いているように感じました

人間はいつだって辛いことからは目をそむけたくなる生き物です。

だからこそ「優しい悪魔」に囁かれ、厳しい現実から目を背けようとしてしまう弱さを持っています。

「母」のように自分にすり寄ってきて、そして優しい悪夢を見せる現代の悪魔は私たちに暗い過去を忘れさせ、そしてその過ちを繰り返させようとしてくるのかもしれません。

グロテスクで目をそむけたくなるような映像の連続である本作ですが、その中にもルカ・グァダニーノ監督なりの思いが込められていました、

リメイクなど不可能という声を見事に覆した彼の仕事ぶりを評価しないわけにはいかないでしょう。

 

第5位:カンヌ国際映画祭から追放されたあの異端児が帰ってきた!

第5位に選出したのは、『ハウスジャックビルト』という映画です。

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かつてナチスを擁護するかのような発言をし、カンヌ国際映画祭から追放されたラース・フォン・トリアーが帰ってきました。

そんな彼が撮ったこの『ハウスジャックビルト』という作品には近年の過剰なポリコレによって均質化されていく映画に対する警鐘が込められていました。

メッセージ性やポリティカルコレクトネス的な配慮ばかりが評価されている現状。

それは「有益」な映画ばかりが蔓延し、評価され、そうでない映画は排除されていくかのようです。

そんな方向に映画界が突き進めば、いつかは映画という芸術が死んでしまうのではないかという警鐘をトリアーはこの作品の中で、自嘲的に表現したのです。

特に主人公が女性とその2人の息子を猟銃で撃ち殺していくシーンは見るに堪えないものでした。

それでも、ただ自分の撮りたいものを撮りたいように撮るんだという信念を感じました。

「光」の中には「闇」がある。

一方で「闇」の中には「光」があるんだという主題の下、徹底して「闇」を描くことに終始したトリアー流の「インフェルノ」はあまりにもグロテスクで、あまりにも狂気的で、それでいてゾクゾクするほどに魅力的でした。

ナガ
この映画を上半期ベストに入れているあなたは変態です!!(笑)

 

第4位:幸せになりたいっすね~

第4位に選出したのは、『愛がなんだ』という作品です。

(C)2019「愛がなんだ」製作委員会

原作も素晴らしいんですが、今泉力哉監督の解釈も非常に素晴らしかったです。

共感できないといえばそれまでなんですが、心のどこかで無意識のうちに登場人物に寄り添ってしまうような不思議な引力を持った作品です。

原作者の角田さんも仰っていたことなんですが、人間って常に自分や他人を「区分け」したがる生き物なんです。

なぜなら自分の知っているサンプルの中に自分や他人を押し込めてしまえば、すごく安心感を得られるからです。

しかし、愛なんて感情はありふれている様ですごく特別です。

きっと無理やりサンプルに押し込めようとしたってむしろそのギャップに苦しくなってしまうだけです。

だったら「愛がなんだ!」と嘯いて、自分だけの特別にしておけば良いじゃないか。

見終わった後に、無性に切なくなって、無性に誰かを愛したくなる。

そんな映画でした。



2019年上半期のベスト監督・脚本

2つ目の番外編では、2019年の上半期に特に優れていたと感じる監督・脚本を選出しました。

ナガ
では早速発表していきますね!!
ベスト監督・脚本
  • 脚本:ジョシュ・シンガー『ファーストマン』
  • 監督:山戸結希『ホットギミック』

まず脚本は『ファーストマン』ジョシュ・シンガーが優れていたと思います。

ナガ
これについては脚本をきちんと読み込んだからこそ肩入れしてしまっている節はありますけどね・・・。

ニールアームストロングを1人の人間として描くというアプローチも興味深いものでしたし、何より映像面も含めた映画の設計図として完璧だったと思っています。

彼の脚本なくしては、いくら監督がディミアン・チャゼルと言えど、これほどまでの傑作にはならなかったのではないかと思います。

そして監督については『ホットギミック』山戸結希さんが圧倒的でした。

この人の良さは良い意味で映画に固執していないところだと思っています。

映画のセオリーを守って既存の枠組みの中で評価されるものを作ろうというよりも、あくまで映画はツールとして捉え、自分の表現したいものを撮るために行使しているような印象です。

だからこそ映画の文法と呼ばれるような手法は片っ端からなぎ倒していきますし、だからこそ今までに見たこともないような刺激的な作品が作れるのだと思いました。

 

2019年上半期のベスト映画ランキングTOP10(3位・2位)

第3位:偉人だって1人の人間だったという視点から読み解く

第3位に選出したのは、『ファーストマン』という映画です。

(C)Universal Pictures

監督は『ラ・ラ・ランド』ディミアン・チャゼルでした。

私が彼の作品を見ていて、すごく気に入っているのはブルーという色の使い方です。

ブルーは切ない感情や憂鬱な感情を掻き立てるようなそんな色なんですが、彼はそれを実にロマンチックにかつ美しく演出します。

作品の様々な場面に散りばめられたブルーが意味を持ち、ニール・アームストロングという1人の男の等身大の物語を一層エモーショナルなものへと昇華させました。

またIMAXカメラの使い方が本当に素晴らしくて、ハッとさせられました。

この作品は終始手持ちカメラで撮られているような「手振れ」感が続いているんですが、アームストロングが月面に出るシーンでそれがピタリと止まります。

さらにそのタイミングでIMAXカメラで撮影されたフル画角の映像に切り替わり、映像が巨大スクリーンいっぱいに広がるのです。

まさに月面にリアルタイムで立っているかのような、そんな映像体験でした。

 

第2位:上半期のダークホース!完璧な音楽映画だった!

第2位に選出したのは、『さよならくちびる』という映画です。

(C)2019「さよならくちびる」製作委員会

塩田明彦監督の最新作ですが、正直あまり期待値が高かった作品ではなかったので、劇場で度肝を抜かれました。

とりわけこの映画が素晴らしいと感じたのは、音楽映画としてあるべき音楽の使い方を全うしていた点です。

というのも『さよならくちびる』という映画は実に不完全なんです。

正直に言うと、映画だけでは描けていない物語がたくさんあります。

しかし、私たちは劇中に登場するハルレオの楽曲の中に描かれていない余白の部分のイメージを膨らませることができるのです。

つまりこの映画は単体では完成していると言いづらく、挿入歌ありきで完成している映画なのです。

音楽映画の中には、音楽が大切だとか何とか言いながら肝心なことは全部セリフで喋らせてしまうような残念な作品もあります。

だからこそ今作の音楽の力を信じ、音楽に物語を託そうという姿勢に感銘を受けました。

音楽映画のオールタイムベストと言っても過言ではないと思います。

 

2019年上半期のベストキャスト

最後の番外編として、2019年上半期に特に優れていたと感じたキャスト陣をご紹介してみようと思います。

ナガ
では早速発表していきますね!!
ベストキャスト
  • 主演男優:ライアン・ゴズリング『ファーストマン』
  • 主演女優:オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』
  • 助演男優:山崎努『長いお別れ』
  • 助演女優:芳根京子『居眠り磐音』

まず主演男優では、『ファーストマン』ライアン・ゴズリングを選ばせてください。

彼は切なげな表情と言いますが、物憂げな表情をさせたら右に出る役者がいませんよね。

ニール・アームストロングという1人の人間の等身大の不安や葛藤を見事なまでに表現しきったその大仕事にただただ拍手を贈りたいと思います。

そして主演女優についてはアカデミー賞でも主演女優賞を獲得したオリヴィア・コールマンを選びました。

アン女王の横暴っぷりと、それでいて人恋しさに孤独感を感じる姿をまさに迫真の演技で演じ切りました。

すごく複雑な人格のキャラクターだったとは思うんですが、見事なまでに表現できていたと思います。

助演男優部門では、『長いお別れ』山崎努さんが圧勝です。

彼が演じたのは認知症の父親役なのですが、もう巧すぎるとしか言いようがありません。

これについては、とにかく見てくださいとしか言えません。

こんな芸当ができるのは、日本で間違いなく彼だけでしょう。

最後に助演女優部門では、『居眠り磐音』芳根京子さんを選びました。

冒頭のシーンでは、主人を慕う淑女という印象だったんですが、ラストシーンで花魁として登場した時には、物憂さと悲しげな表情の中に強さを秘めた女性として登場し、そのギャップで見る者を虜にしました。

昨年の『累 かさね』という作品での演技も素晴らしかったのですが、女優としてさらに高みへと上りつつありますね。



2019年上半期のベスト映画ランキングTOP10(1位)

第1位:これはもはや映画を超えた何かだ!圧倒的上半期ベスト!

第1位に選出したのは、『ホットギミック』という映画です。

(C)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

日本映画界を激震させる山戸結希監督の衝撃の最新作でした。

とにかくもうこれを既存の映画というフレームに当てはめて語ることは難しいと思います。

映像の編集の仕方、撮影の仕方、劇伴音楽の使い方、映像や写真のインサートなどなど。

あらゆる点で「映画の文法」と呼ばれるものを無視しており、とにかく撮りたいものをひたすらに追い続けたようなそんな作品でした。

物語的な面としても、恋愛というものを誰かに主体性をゆだねるものではなく、主体性を獲得するためのものとして再解釈するという山戸結希監督の視点が光っていました。

とりわけ主演に堀未央奈さんを抜擢したのも大きかったですね。

彼女の「何色にでも染め上げられてしまいそうな純白」のイメージは、本作の主人公の自分の価値を他人に求めようとするキャラクターにピタッと合致していました。

とんでもない映画が世に送り出されてしまった・・・。

ただただそう感じています。

山戸結希監督はこれからの日本映画界をけん引する存在に間違いなくなっていくことでしょう。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は2019年上半期のベスト映画ランキングTOP10ということでお話してきました。。

約60本の映画を今年も見てきましたが、すごくハイレベルで10本選出するにもすごく苦労しました。

下半期もまだまだビッグタイトルが目白押しなので、本当に楽しみです。

一体どんな映画との出会いが待ち受けているのか・・・。

今回も読んでくださった方、ありがとうございました。

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