【ネタバレあり】『スターウォーズ8 最後のジェダイ』:感想・解説:ようやく始まった新世代のスターウォーズを徹底考察

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今回はですね、いよいよ公開になりました映画『スターウォーズ8:最後のジェダイ」についてお話していこうと思います。

本記事は作品のネタバレになるような要素を含む感想・解説・考察記事になります。

作品を未鑑賞の方はお気をつけください。

良かったら最後までお付き合いください。

 

動画考察

当ブログの公式YouTubeチャンネルにて、『スターウォーズ』のシークエルトリロジーをライトセーバーに注目して振り返る動画を公開中です。

ナガ
ブログとは少し違った内容になっておりますので、ぜひご覧ください!

 

あらすじ・概要

「スター・ウォーズ」の10年ぶりの新作として大ヒットを記録した「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に続くシリーズ作品で、伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを探し当てた主人公レイがたどる、新たな物語が描かれる。

前作で「スター・ウォーズ」の新たな主人公レイに大抜てきされ一躍注目を集めたデイジー・リドリーのほか、ストームトルーパーの脱走兵フィンを演じるジョン・ボヤーガ、ダースベイダーを受け継ぐカイロ・レン役のアダム・ドライバー、そしてルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、2016年12月に急逝したレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーらおなじみのキャストが出演。

監督・脚本は「BRICKブリック」「LOOPER ルーパー」などで頭角を現したライアン・ジョンソンが担当した。

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『スターウォーズ8 最後のジェダイ』感想・解説・考察(ネタバレあり)

描かれたのは、ルークの物語の終わり

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

スターウォーズは現在ナンバリングのある映画が今作も合わせて合計8作品公開されています。

そしてそれをどう区切るかというのは、ファンの間で悩みの種であることは間違いないでしょう。

一般的には、エピソード1~3までを新三部作やプリクエルトリロジー、エピソード4~6までを旧三部作やオリジナルトリロジーと呼称することが多いように思います。他にも前者をアナキン三部作、後者をルーク三部作と呼ぶ人もいるでしょうか。

ただこのように区切ってしまうことは非常に難しいのです。

というのも、そもそもルーカスが制作したエピソード1~6は全てまとめてアナキンの物語と考えることもできるからです。

ルーカスが描いたのは、「シスを倒し、銀河のフォースのバランスを取る者」として期待されジェダイになったものの、その途上でシスに堕ちてしまい、ダースベイダーとして暗躍するも、最後はダース・シディアスを自らの手で葬り去り、銀河のフォースにバランスをもたらしたアナキン・スカイウォーカーの物語でした。

一方で、エピソード4以降の主人公は、言うまでもなくルーク・スカイウォーカーです。

もっと言うなれば、ルークとレイアのダブル主人公という見方もできるでしょう。

タトゥイーンのヨーマンの家で育てられたルークが英雄として見込まれ、故郷を脱出して、数々の英雄になるためのイニシエーションを経て、帰還するという典型的な英雄物語としてエピソード4~6は描かれています。

ただエピソード7「スターウォーズ:フォースの覚醒」以降の三部作は、ルーカス版の「スターウォーズ」六部作が伝説になった世界の物語です。

そしてこれはもちろんレイの物語となっています。

これらは後にレイ三部作と呼称されることになるかもしれません。

一方で、前作「スターウォーズ:フォースの覚醒」と今作「スターウォーズ:最後のジェダイ」は依然としてルーク・スカイウォーカーの物語でもあります。

だからこそ本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」はそんなエピソード4以来続いてきたルーク・スカイウォーカーの物語の終焉として捉える事ができるんですね。

そういう意味でも、本作が描いたのはまさに「最後のジェダイ」だったと思います。

 

スターウォーズを見る上で注目したいファーストシーン

「スターウォーズ」シリーズはどの作品もお馴染みのオープニングロールから始まって、そして必ず最初は宇宙のカットから始まります。

「スターウォーズ:新たなる希望」では、レイアたちが乗っている小さな宇宙船を巨大なスターデストロイヤーが追撃しているシーンからスタートしました。

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「スターウォーズ:新たなる希望」より引用

ナガ
このシーンはもう天才的としか言いようがないよね・・・。

まず「スターウォーズ」シリーズのオープニングロールの文字は基本的に上へ上へとスクロールしていきます。

そして文字が全て画面上方に吸収されたと思いきや、画面上方から下ってくるかのように巨大なスターデストロイヤーが現れるんです。

さらにはこのワンシーンだけで、逃げている小さい宇宙船が「善」で、追いかけている大きなスターデストロイヤーが「悪」であるという構図が単純明快なのが素晴らしいですよね。

「スターウォーズ:帝国の逆襲」では、スターデストロイヤーが正面から迫って来るシーンを採用しています。

このワンカットだけで、銀河の覇権を帝国側がほとんど手中に収めてしまっていることが視覚的に理解できますよね。

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「スターウォーズ:帝国の逆襲」より引用

「スターウォーズ:ジェダイの帰還」では、「スターウォーズ:新たなる希望」と同様で画面上方から侵入してくるスターデストロイヤーと再建されつつある未完成なデス・スターが映し出されています。

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「スターウォーズ:ジェダイの帰還」より引用

同じ構図を採用していることと「善」の勢力に該当する宇宙船が映らないことから、帝国側の力が依然として強大であること、そして未完成のデス・スターが暗示するのは、帝国の終焉でしょう。

「スターウォーズ:ファントムメナス」では、クワイガンジンとオビワンの宇宙船が映し出されます。

まだジェダイが銀河に安定をもたらしており、シスの影がまだ薄かったころの物語です。

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「スターウォーズ:ファントムメナス」より引用

「スターウォーズ:クローンの攻撃」では、パドメの宇宙船がコルサントにある共和国の首都に向かっているシーンから始まります。

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「スターウォーズ:クローンの攻撃」より引用

そして、「スターウォーズ:シスの復讐」では、コルサント付近の宇宙でヴェネタ―級スターデストロイヤーを上から映したカットから始まりました。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

これは、前作「クローンの攻撃」とはコルサントと宇宙船の配置が反転しているんですよね。

また、ヴェネタ―級スターデストロイヤーは共和国の宇宙船だったが、後に帝国側の宇宙船となります。

つまり「スターウォーズ:シスの復讐」の最初のシーンはまさしく、この作品の行く末を暗示しているわけです。

「スターウォーズ:フォースの覚醒」では、スターデストロイヤーの影が、惑星を覆い尽くすようなカットから物語がスタートしました。

ファーストオーダーという強大な「悪」が銀河を覆い尽くそうとしていることが視覚的に一目瞭然であったと思います。

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「スターウォーズ:フォースの覚醒」より引用

そして本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」では、基地のあった惑星からレジスタンスの一行が退散しようとしていて、そこに突如ニューオーダーの巨大な宇宙船ドレッドノートが現れるシーンから始まります。

本作のファーストカットは実に「スターウォーズ:新たなる希望」に似ているます。

ナガ
小さな「善」が大きな「悪」に追い詰められている構図だね!

このように「スターウォーズ」シリーズでは、常にファーストカットに重要な含みを持たせてある。作品の勢力関係を視覚的に分かりやすくするだけでなく、物語の行く末をも仄めかしているのだ。

 

「2」で読み解く「スターウォーズ」シリーズ

基本的に「スターウォーズ」シリーズにおいて「2」という数字は大切です。

これは、神が支配する一元論的な世界設定ではなく、「善」と「悪」が二元論的に存在する世界観であることが根底にあるのだと思います。

まず、R2D2とC3POという2体のドロイドが作中で重要な役割を果たしているのも注目したいところです。

ナガ
この2体は黒澤明の「隠し砦の三悪人」の太平と又七をモデルにしているとも言われているね!

だがそれだけではありません。ジェダイの師弟関係は基本的に2人組です。

またタトゥイーンの太陽は2つですよね。そしてエピソード4~6では、ルークとレイアという2人のスカイウォーカーが主人公となっています。

つまり「善」と「悪」、「ジェダイ」と「シス」という二元論的な世界観設定をそのまま作中のモチーフにも反映させているわけです。

「スターウォーズ:シスの復讐」のラストも「2」が印象的でした。

ルークとレイアという2つの新しい生命の誕生と共に、「アナキンの死」とパドメの死が描かれました。

本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」でも、予告編の時点から「光か闇か・・・」という「スターウォーズ」の二元論的世界観が前面に押し出されていましたよね。

またそれが作中のモチーフにも表れていたことは言うまでもありません。

BB8とBB9E、レイとカイロレン、2つの夕日、2つに割れるアナキン・スカイウォーカーのライトセーバー、フィンとローズ、そしてルークとレイアなど基本的に「2」という数字を印象付けているのです。

 

「2」つの夕日に思うこと

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本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」のラストシーンで採用されたのが、言うまでもなく2つの夕日のシーンです。

2つの夕日と聞くと、「スターウォーズ」シリーズをご覧になってきた方であれば、間違いなくタトゥイーンの2つの太陽を思い浮かべるでしょう。

この2つの太陽が何を示していたのか?という点にはいろいろな憶測があります。

ベイダーとルークだっったのかもしれないですし、はたまたルークとレイアだったのかもしれません。もしくはジェダイとシスの暗示だったのかもしれません。

個人的には、やはりルークとレイアだったのだと思っています。彼ら2人のスカイウォーカーこそが世界を照らす最後の希望であったし、だからこそどちらかが消えるようなことがあっても、残された1人が世界を照らすことができるのです。

タトゥイーンに登る2つの太陽がルークとレイアだったのだとしましょう。

そう考えると本作のラストシーンはまさに「ルークの物語」の終わりが色濃くなります。もっと言えば、本作はルーカスが作り上げた「スターウォーズ」シリーズとのある種の決別をも示しているようです。

ルークがオクトーで最後に見た2つの夕日。

そして彼の生命が弱くなるにつれて1つは沈んでいきました。やがて2つのうち1つが見えなくなり、1つが煌々と空に輝いています。その時既にルークは消えていました。

この時、ルークとレイアという旧三部作以来の「希望」のうち1つが消えてしまったのです。

ここでまさにエピソード4来続いてきたルーク・スカイウォーカーの物語が終わりを迎えたわけです。2つの太陽、ルークとレイアの内1つはついに沈んでしまいました。

ルークがタトゥイーンで見た、2つの夕日。まだ何も成し遂げていなかった頃の自分が見たものと同じ光景を全てを成し終え、死ぬ間際に見るのがまた感慨深いですよね。

だからこそ私はラストシーンの夕日をルークとレイと捉えて「終わりと始まり」を描いていると考えるよりは、あくまでルーカスのスターウォーズから続いてきた「ルーク・スカイウォーカー」とレイアの物語の1つの帰結であると考えています。

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マスクを捨てたカイロ・レン

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

「スターウォーズ」世界において、仮面は「三銃士」に登場する囚人の仮面をモチーフにしていると言われてきました。

そのために、「スターウォーズ:ジェダイの帰還」でダースベイダーがマスクを脱ぐシーンというのは、シディアスの、ダークサイドの牢獄に囚われ続けてきたアナキン・スカイウォーカーの帰還として印象的なシーンになっていました。

「スターウォーズ:フォースの覚醒」以降のヴィランとして描かれているカイロ・レンもまたスノークに、ダークサイドに囚われた男として描かれていましたよね。

しかし、彼は自らの意志でマスクを破壊してしまうんですね。この点は重要です。つまり、彼は自分の意志でその牢獄から脱獄してしまうわけです。

このシーンがカイロ・レンが「ジェダイ」サイドに来るのではないかというある種のミスリードとして機能しているわけですが、これはスノークという自分の監守を殺害して、自分がファースト・オーダーの最高指揮官になるという展開を暗示していたわけです。

 

ポーはアナキンのアナザールートである

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」を見ていて、ポーがエピソード2・3の頃のアナキン・スカイウォーカーに似ていると感じた人は少なくないと思います。

自分の力で何とかしようとし、上官の命令を聞くことなく行動し、「ヒーロー」になろうとします。

そして降格を命じられ、さらにレイアが意識不明に陥った際も最高指揮官に任命されたのはホルドであって彼ではありませんでした。

レジスタンスのエースパイロットであるにもかかわらず、自分の力を認めてもらえずに葛藤するポーの姿が本作で特に印象的です。

この姿はまさにかつてのアナキン・スカイウォーカーなんですよね。師であるオビワンの命令を無視して敵に向かっていったり、自分の力を評議会で認めてもらえず、なかなかマスターにしてもらえない。そんな力への渇望をダークサイドに取り込まれてしまいました。

ですので、私は本作を見ていて、ポーがファーストオーダー側に寝返るという展開もあり得るのではないかと想像していたのですが、レイアとホルドという2人の存在が彼を「ヒーロー」ではなく「リーダー」として成長させました。

ポーには見習うべき存在、手本になってくれる存在がいたことが大きかったのだと思います。アナキンにはあまりにも強大すぎる力ゆえに自分の手本になってくれる存在、自分の進むべき道を示してくれる存在がいませんでした。

だからこそ、ポーというキャラクターが辿ったのはアナキンと同じ道でしたが、2人は異なる帰結を迎えました。

 

「スターウォーズ」を語る上で欠かせないライトセーバーの動線

「スターウォーズ」シリーズを語っていく上で、ライトセーバーの動線について避けて通ることはできません。この章ではあえて時系列順に解説していきましょう。

「スターウォーズ:ファントムメナス」で重要なのが、クワイガンジンのライトセーバーの動線です。

ダースモールとの戦いで、クワイガンジンは命を落としますが、その師のライトセーバーでもってオビワンが戦いに決着をつけます。

ここでのライトセーバーの動線は間違いなく、オビワンのマスターになるためのイニシエーションを表現しています。

自分の師のライトセーバーを手に取り、それでもってダースモールを倒すわけですから、まさしくオビワンというジェダイがようやく1人立ちしたことが見て取れます。

「スターウォーズ:クローンの攻撃」では、アナキンが師であるオビワンに変わってドゥーク伯爵に立ち向かいますが、腕を切り落とされてしまいます。

師であるオビワンのライトセーバーが彼の身体から離れていくという動線は、まさに彼のダークサイドへの道の端緒です。

「スターウォーズ:シスの復讐」で印象的なのは、アナキンがドゥーク伯爵を倒すシーンですね。

このシーンで彼は自分の青いライトセーバーとドゥーク伯爵の赤いライトセーバーをクロスさせています。まさにアナキンの運命の交錯をライトセーバーの動線にのせて表現しているシーンだと思います。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

またこのエピソード3でアナキンのライトセーバーをオビワンが回収しており、それがルークに渡ることになります。

そして最も重要なのが、エピソード5「スターウォーズ:帝国の逆襲」におけるライトセーバーの動線です。もちろん該当のシーンはルークがベイダ―に腕を切り落とされるシーンです。

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「スターウォーズ:帝国の逆襲」より引用

ルークはオビワンから渡されたアナキンのライトセーバーを使っていました。

つまりこのシーンはオビワンという師的存在からの決別、ルークの自立を仄めかしているシーンです。

一方で、ルークは自分の本当の父親であるアナキンをベイダ―に殺されたと思っていたわけです。ここでベイダ―こそが自分の父親であり、そして倒すべき存在であるということを知らされました。そのためそれまでの「アナキン」という父親像をも父親が愛用したライトセーバーと共に喪失しているわけです。

ここで失われたライトセーバーが巡り巡ってレイの手に渡ることになりました。

「スターウォーズ:ジェダイの帰還」では、ルークは自作の緑色のライトセーバーを使用するようになります。

この点は非常に重要で、まさにルークがジェダイとして自立したことが明確になっています。そしてその自作のライトセーバーでもって自身の父を超えるわけです。

「スターウォーズ:フォースの覚醒」では、雪の中に刺さったスカイウォーカー家の象徴たるライトセーバーをレイとレンがフォースの力で引き寄せようとし、それがレイの下へと渡ります。

このワンシーンはまさに長きにわたるジェダイの、スカイウォーカー家の物語がレイへと継承された瞬間を示しています。

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「スターウォーズ:フォースの覚醒」より引用

そして本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」でも印象的なシーンがありましたね。レイとカイロレンがアナキンの、ルークのライトセーバーをフォースで取り合うシーンです。

このシーンで思い返して欲しいのは、先ほどの「2」という数字とこのライトセーバーがジェダイ時代のアナキンの持ち物だったということです。

カイロレンがスノークを倒し、そしてレイと共闘してエリート・プレトリアンを掃討します。ここでレジスタンスの戦士とファースト・オーダーの戦士の共闘が描かれたことで、「善」と「悪」の融合が想起されます。

しかし、カイロレンの思惑はレイとはかけ離れていて、結果的に2人は「善」と「悪」、「光」と「闇」に分かれて戦わざるを得ないことを悟ります。そして2人はスカイウォーカー家の象徴たるライトセーバーを取り合います。

そしてそのライトセーバーは真っ二つになってしまうのでした。

このライトセーバーは元をたどるとアナキンスカイウォーカーの所有であったということです。

つまりこのライトセーバーは「善」と「悪」、「光」と「闇」が混在しているモチーフなのです。

彼はジェダイとして戦いながら、ダークサイドに堕ちてしまい、このライトセーバーで多くの「善」なる人を殺めました。

つまり、このシーンで2つに分裂したライトセーバーはまさに「光」と「闇」の分裂を描き出したのです。2つが混在していたアナキン・スカイウォーカーのライトセーバーを分裂させることで視覚的にそれを明確にしています。

融合しかけていた、一元論的世界へと一時は向かいかけていたスターウォーズの物語がこのシーンで再び二元論的世界、「光」と「闇」が相いれない世界へと突入していきます。

「スターウォーズ」シリーズを見ていく上で、やはりライトセーバーの動線は重要なモチーフですね。

 

やはり「スターウォーズ」は西部劇なのである

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

ジョージ・ルーカスが「スターウォーズ」シリーズを製作するに当たって西部劇に大きな影響を受けている点は、既に多くの人の知るところでしょうし、今回は割愛いたします。

前作の「スターウォーズ:フォースの覚醒」の監督を務めたJ.J.エイブラムスは、その点に敬意を払って作品をジャク―の砂漠(荒野)の風景からスタートさせたと言います。

本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」もまさしく西部劇的要素が多く散りばめられているんですよね。それが顕著なのが終盤のシーンです。

クレイトという塩の砂漠に覆われた鉱山惑星で、レジスタンスの麦城の戦い(三国志)を思わせるような籠城戦が始まります。そこに現れたルーク。そしてそれに立ち向かうカイロレン。

あれだけ大規模な人員と兵器がありながら、夕日をバックに2人の一騎打ちが始まります。この画作りは極めて西部劇的です。

さらにルークはオクトーの島でひっそりと息を引き取ります。それをレイアは静かに悟るのでした。これも「男は黙って女の下から去る」という西部劇の鉄則から成るプロットと言えます。

今回の「スターウォーズ:最後のジェダイ」は今まで以上に西部劇色が増しているのではないかという印象を受けました。このような形で旧三部作へのリスペクトが感じられる点は素晴らしかったと思います。

 

今作におけるルークの振る舞いについて

まず、今作におけるルークの行動で最も多くの人が首を傾げたのは、弟子であるベンを手にかけようとしたシーンではないでしょうか。

しかし、この行動は『スターウォーズ6 ジェダイの帰還』を見れば納得がいきます。

同作の中でルークはパルパティーンにけしかけられて、ベイダーを瀕死の状態に追い詰めます。

ただ、彼は怒りに任せて自分の父を殺してしまう寸前で、自らの機械でできた右手を見つめて思いとどまるんですね。

(『スターウォーズ ジェダイの帰還』より)

実は本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」においても、ルークはベンに対して恐怖を抱き、ライトセーバーを抜きながらも、自らの右手を見つめて思いとどまっているんです。

ルークは変わってしまったという意見が多いんですが、このシーンを比べて見ると、むしろ変わっていないように思いますよ。

また、彼はマスターになり、責任も重くのしかかっているからこそ、背負うものが大きくなっているからこそ、恐怖を人一倍敏感に感じていたのかもしれません。

ナガ
またクレイトでの戦いには、興味深い点があります!

カイロレンが足を動かすと地面が赤色になり、ルークはそうならないというのは、1つ伏線になっていたわけですが、彼のライトセーバーの持ち方にも秘密があるんです。

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」より引用

ルークはこれまでのシリーズを見ても、常に右手を上側にしてライトセーバーを握っていました。

これはルーカスが日本の「サムライ」の文化に強く影響されたからでもあり、だからこそ右手が上側に来るというのが基本の構えでした。

さらに言うと身体の左側にライトセーバーを差す「左差し」がこのシリーズの基本でした。

しかし、クレイトに現れたルークはライトセーバーを「右差し」にしており、さらに持ち手も今までの彼とは逆になっているんですね!

ナガ
何か意味があるんでしょうか・・・?

もちろん日本にもいろいろな流派があるので、一概には言えませんが、一般に刀の「右差し」は「戦う意思がないこと」を示すサインだったそうです。

もっと言うなれば、刀は「左差し」であるため、そこからの抜刀を考えても必然的に右手が上に来ますよね。

そのため「右差し」でかつ左手が上に来る持ち方でライトセーバーを握り、カイロレンに対峙したルークには「戦う意思がなかった」ことを実は暗に仄めかしていたわけです。

彼は、寺院での修業時代に弟子だった彼を手にかけようとしましたが、最後の最後に彼を信じ、そして彼が正しい道に戻って来てくれることを師として信じたかったのでしょう。

だからこそ、彼には「戦う意思」はなかったんですね。

 

キリスト教・聖書の影響を受けている「スターウォーズ」

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「スターウォーズ:フォースの覚醒」より引用

「スターウォーズ」シリーズは神話や英雄物語、そして聖書の影響を大きく受けている作品です。

その中でも聖書は特に作品のモチーフなどに反映されています。

例えば、プリクエルトリロジーでは、12人の評議員が描かれ、そのうちの1人になるはずだったアナキンスカイウォーカーが共和国を裏切るというまさにイエスを裏切るユダのエピソードをモチーフにしていると考えられます。

また、オリジナルトリロジーで「新たなる希望」として描かれるルークとレイアを産んだパドメはある種「聖母」のように描かれています。

他にも数え切れないほどに聖書に影響を受けた要素が散見されますが、ここでそれを列挙していくときりがないので、今回は新作「スターウォーズ:最後のジェダイ」に焦点を当てていきたいと思います。

私が今作を見ていて、気がついたのは徹底的にレイが救世主、レンが裏切り者的な描かれ方をしているということです。

レイが本作で岩を砕いたり、岩を持ち上げたりといった描写が見られました。特にラストシーンのレジスタンスメンバーの鉱山からの脱出シーンは、「旧約聖書」に登場する海を割ったモーセを想起させます。

ただモーセはあくまでも預言者であって、救世主はイエスのことを指します。前者は旧約聖書に、後者は新約聖書に登場します。(前者でも預言としてはイエスが登場します。)

私は、ジェダイたちの傲慢と欺瞞というのが、まさに彼らがイエスになろうとした点にあるのではないかと考えています。

自分たちこそが銀河に安寧と調和をもたらすことのできる唯一の存在であるという過信がジェダイたちを滅ぼしたのです。

そしてその最たる例として描かれたのがルークスカイウォーカーだったのかもしれません。彼はエピソード4~6における一連の戦いで伝説となり、神話の中の存在として語られるようになり、ジェダイマスターでありながらある種の神のような存在になりました。

しかし、そんな彼が自分の12人の弟子の中にいた「ユダ」に気がついた時に、ベンソロの心の中に膨らむダークサイドに気がついた時に、彼は殺そうとするんです。

このシーンは、ジェダイが神にはなれない、イエスにはなれないということを一層強調しています。イエスは「ユダ」の裏切りを悟りながら、それを赦し、自らを十字架に架けました。

しかしジェダイマスターと言えど人間でしかないルークスカイウォーカーにそれはできなかったのです。このシーンでジェダイは神にもイエスにもなれないことを明確にし、彼らのこれまでの傲慢や欺瞞を明るみに出したのです。

だからこそレイはあくまでもモーセという預言者をモチーフに描かれたのではないでしょうか?

フォースを神の言葉と置き換え、その力を預かった存在として描かれたのです。そしてそれを人々に還元していく役割を果たします。

さらにこの点からもジェダイが特別な存在、神的存在ではなく、あくまでも銀河に流れるフォースの力に仕える者であるという新しい秩序を想起させるようにできています。

また、カイロレンが「ユダ」として描かれた点も興味深いと思います。彼は、ルークの12人の弟子の中の1人で、そしてルークを裏切りました。

そして彼のライトセーバーはなんと十字架型なのです。つまり、カイロレンは裏切り者「ユダ」であり、「十字架に架ける者」として描かれているわけです。まさに彼はイエスを売って、十字架に架けた「ユダ」そのものなんです。

だからこそ、彼はルーク、そしてスノークをも裏切ります。スノークが倒されるシーンのライトセーバーの動線を見てみると、ライトセーバーが横から水平に動いていますから、彼の玉座ないし、彼の身体と垂直に交錯しまさに「十字架」を形成しています。

また終盤には、その十字架のライトセーバーでもってルークスカイウォーカーを打倒します。(正確にはカイロレンが倒したわけではないが)

カイロレンがスノークを倒した点は、かつてダースシディアスが師匠であるダース・プレイガスを殺害して後に銀河を統べる最強のシスとなることにも通じているのかもしれません。

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ルーカスの「スターウォーズ」シリーズとの決別:「ジェダイ」の新秩序とは

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

「ジェダイ」とは中世の騎士的な側面が強いが、基本的にはフォースを操ることができる戦士という言葉が適当で、誰にでもなれるわけではないという存在でした。ルーカスの「スターウォーズ」において「ジェダイ」というのは、特別な存在だったわけです。

本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」は、そんな「ジェダイ」の何たるかの概念をある種根底的に覆してやろうという意図すら見えました。まさに本作は、ルーカス版「スターウォーズ」との1つの決別なのです。

特にそれが視覚的に表れていたのが、霊体のヨーダがフォースの聖地とそこに置かれていた重要な書物を燃やしてしまうシーンですよね。これってまさに旧スターウォーズへの決別を示しています。

そして物語は終盤へ向かい、ルークとレンが対峙するシーンに至ります。このシーンで、ルークは「最後のジェダイは私ではない。」というセリフを残しています。

このセリフを聞いて、これが「レイ」のことであると解釈してしまうと本作は実に腑に落ちない作品へと変貌します。というのも前半部分でルークはひたすらに「ジェダイは終わる」と発言をしていましたし、ルークとレイは半ば喧嘩別れのような別れ方をしています。

レイも旧時代の「ジェダイ」になるための訓練を積んでいるとはとても言えません。

つまりあくまでも「ジェダイの終わり」を描こうとした本作において、「最後のジェダイ」がレイなのであれば、それは作品の主題がブレていることになります。

では、どう読み解くのかというと、本作が描いたのは旧時代的な、ルーカス的な「ジェダイ」の終わりだったのです。

ルークのセリフに、「ジェダイは滅びたことにより神格化された」というものがありました。つまり旧時代的な「ジェダイ」という存在は特別な存在、選ばれた存在でしかなかったわけです。

フォースを扱え、ダークサイドに堕ちることなくそれを使いこなせる戦士のみが「ジェダイ」と呼ばれていました。

本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」はまさにそんな旧時代的な「ジェダイ」の終わりを描きました。その最後の1人がルーク・スカイウォーカーだったというわけです。だからこそ紛れもなくルークは「最後のジェダイ」なのです。

それを視覚的に示していたのは、「火」と「水」という2つの元素だったのではないでしょうか。「ジェダイ」という存在には、どうしても「火」のイメージがつきまといます。

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「スターウォーズ:ジェダイの帰還」より引用

火葬することで、ジェダイの亡骸はフォースと一体になると言われているように、「ジェダイ」にとって「火」という元素は間違いなく重要なものです。

「火」で燃えつくされなかったエピソード3のアナキンがダークサイドに堕ち、ダースベイダーというマスクをつけたシス卿として生きながらえた点も「火」と「ジェダイ」の結びつきを強めています。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

一方で本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」で強調されたのは「水」という元素でした。特にレイやカイロレンに関するシーンでは「水」のモチーフが印象的に登場していました。

フィンが目覚めた時に、着ていた医療用のパックから「水」が漏れだしていたシーンもありましたね。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

一方で、ルークやチューイ、ヨーダといった旧時代のキャラクターには「火」のイメージがつきまといます。

燃える寺院を見るルーク、フォースの聖地を燃やすヨーダ、そしてポーグの肉を焼いて食べようとするチューイ。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

このように「火」と「水」を対比的に配置することで、本作は旧時代の「ジェダイ・オーダー」の終わりと新しいそれの始まりを印象的にしているわけです。

では、ルークの「最後のジェダイは私ではない。」という言葉がどう繋がってくるのかと言いますと、本作は「ジェダイ」という言葉の意味を拡張した物語と見ることができるのです。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

ルークが示したのは、レイのことだけではなくて、心に善を持つ全ての人々の総称こそが「ジェダイ」なのではないかというまさに新しい秩序だと思います。

都市奴隷だった幼少のアナキンやヨーマンの子として育てられたルークを思わせるラストシーンで映し出される子供は、ライトセーバーではなく箒を握りしめています。

しかし、その指には「レジスタンス」の指輪が輝いています。そして彼の心には純粋で淀みない「善」の心があります。宇宙には、大きさの差異こそあれど、純粋な「善」の心を持ち、「レジスタンス」という小さな火花に希望を持ち続けている人がたくさんいるのです。

そしてそういう人たち全員を総称して「ジェダイ」であると光の戦士たちであるという新しい秩序を本作は提示したわけです。

もはやフォースはジェダイだけのものではない、フォースは銀河に生きる「善」を志向する全ての人に宿るものであると高らかに宣言したのです。

だからこそルークは間違いなく最後の旧時代的ジェダイであったし、彼が死んでも「ジェダイ」は終わらないのです。特別な存在としてのジェダイでなく、「善」の心を持ち「悪」に対抗しようとする人を総称する普遍的存在として新しい「ジェダイ・オーダー」を打ち立てたわけです

ここに本作がルーカス版「スターウォーズ」とのある種の決別であり、新時代の「スターウォーズ」の幕開けである所以が見え隠れしています。

 

余談①:紫色死亡フラグ説・・・。

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「スターウォーズ:シスの復讐」より引用

ナガ
 「スターウォーズ」シリーズって紫色のイメージが強いキャラクターへの風当たりが強くないですか?(笑)

「スターウォーズ:シスの復讐」では、パドメとメイス・ウィンドウという2人の紫色のイメージが強いキャラクターが命を落としています。

前者は紫や青色の衣装を身に着けていることが多かったように思います。また、後者は「スターウォーズ」シリーズでは珍しい紫色のライトセーバーを操っていました。

そして、「スターウォーズ:最後のジェダイ」でもまた新たな紫色の犠牲者が出ましたね。レジスタンスのホルド将軍は髪が紫色でした。

ナガ
どうやら「スターウォーズ」シリーズでは、紫色は死のカラーのようですね・・・(笑)

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余談②:いくつか不満点をば・・・

ここまでほとんど作品に対して肯定的な内容しか書いてませんが、不満点が無かったかと言われるとそんなことはありません。

いくつかはありますよ。その中でも大きいものを紹介しておこうと思います。

まずはローズに関してですね。

このキャラクターって必要だったんですかね?その辺りにそもそも疑問があるんですが、それ以上にあのクレイトでのファースト・オーダーとの戦闘で、絶対にやってはならないことをしていますよね。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

「スターウォーズ」では、基本的に名誉の死に価値ありという武士道精神的な価値観が根付いていました。これは、ルーカスが影響を受けた作品を考えても明らかでしょう。

ただ、本作の終盤でローズはその価値観を否定せんとばかりに、敵のキャノン砲に突撃するフィンのスピーダーに自分のスピーダーで突撃しました。

そして両者のマシンは大破。ローズは重体。キャノン砲は無事発射されてしまうという何とも言えない展開になります。

このローズの行動が極めて不可解ですよね。スピーダーを衝突させると、自分とフィンの両者ともがその衝撃で命を落とす可能性もあったわけです。しかもそうした場合に、敵の砲撃を止めることもできません。さらに、意識が朦朧とする中でフィンに愛を告げてキスをする始末。

このローズというキャラクターは自分自身のエゴでレジスタンスを壊滅させる気だったのでしょうか?

今年公開の映画「ダンケルク」では、「名誉の死よりも不名誉の生」というメッセージ性を強調していましたが、「スターウォーズ:最後のジェダイ」は、過去作からの変革性を優先しすぎるがあまりに、プロットを犠牲にしてしまったのかもしれません。

ローズのこのシーンに関しては大きな疑問符が付きます。

ナガ
加えて、ポーグも必要でしたかね・・・?
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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 映画「スターウォーズ8:最後のジェダイ」予告編より引用

ほとんど何の活躍もしてないですよね。わざわざ新キャラクターとして登場させて、予告編でも印象付けておいて、まさかただのマスコットキャラクターだとは思いもしませんでした。

グッズ収益目当てのキャラクターだったんですかね?次回作で、ポーグが何らかの活躍を見せてくれることを祈っております。

あとは、フィンとローズ、ポーの作戦についてですね。フィンとローズがファースト・オーダーの追跡装置を止めて、母船をジャンプさせて逃亡するという作戦だったのは良いんですが、この作戦ってフィンとローズは放置していくつもりだったんですかね。

追跡装置が止まっている時間は短いわけですから、フィンとローズがファースト・オーダーの宇宙船から短時間で戻って来て、一緒にジャンプというのがそもそもハードルとして高いような気がしました。

ナガ
加えてブリッジを統治していたのは、ポーではなくてホルド提督でしたからね・・・。

本当にこの作戦に実現の見込みがあったんでしょうか?さすがに計画としてお粗末すぎる気がしました。

他にも細かい不満点はいろいろとありますが、やはり今回は「スターウォーズ」シリーズのエピソード7以降を作る意義というものがすごく伝わってきましたので、個人的にはその点で大満足しております。

 

今だから考えてみたいポスターの本当の意味

今回の「スターウォーズ:最後のジェダイ」で最初に登場したポスターを映画を見た今、改めて見直してみて、思ったことを追記していこうと思います。

まずは、本作のポスターを掲載しておきます。

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(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

これが今作「スターウォーズ:最後のジェダイ」のポスターとして最初に世に送り出されたものです。ルークがダークサイドに堕ちるのではないかということを予感させるポスターですよね。

このポスターは公開前から様々な憶測を呼びました。

特に声が大きかったのが、オリジナル版「スターウォーズ」のポスターに非常に似ている、そしてダースベイダーの位置にカイロレンとルークスカイウォーカーが描かれているというものでした。

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映画「スターウォーズ」より引用

ナガ
つまりこれがルークスカイウォーカーのダークサイド堕ちを予感させたわけです。

そして映画を見た今、多くのスターウォーズファンがそれが杞憂だったと安心していることでしょう。

しかし、本当にそうなのでしょうか?今考えてみると、それで納得している自分に何だか納得できなくなってしまいました。

そのため、ルークスカイウォーカーは実はダークサイドに堕ちていたんじゃないか?という仮説を考えてみることにしました。

「スターウォーズ」シリーズのヴィランと言えば、やはりダースベイダーの存在が最も大きいです。そしてエピソード以降はカイロレンがヴィランとして暗躍しています。

この2人の共通点として、スカイウォーカーの血が流れていること、元はジェダイだったこと、そして自分の父親(父親的存在)を葬っていることが挙げられます。

これって実はルークスカイウォーカーにすべて当てはまってしまうんですよね。彼はダースベイダーという自分の父親をあんな形であったとはいえ手にかけているわけです。

ということはですよ。ルークスカイウォーカーという人物は既に「スターウォーズ」シリーズにおけるヴィランになる資格を得ていると考えられるのです。

その上で、本作「スターウォーズ:最後のジェダイ」では、彼が恐怖心からベンソロに手をかけようとする描写が登場します。

アナキンスカイウォーカーは自身の妻パドメとその子供を失いたくないという恐怖心からダークサイドに堕ちました。そしてエピソード4で自分の父親的存在であったオビワンを葬りました。

ベンソロは、自分の強大すぎる力への恐怖、そして自分の思いを惑わせる父親への恐怖からハンソロを殺めました。

つまり恐怖という感情はダークサイドへの重要なトリガーなのです。マスターヨーダも「恐怖はダークサイドの入り口」であると述べています。

ナガ
ということはですよ、ルークスカイウォーカーって完全にダークサイドに堕ちる条件を満たしてしまっているんですよね。

そんな彼だからこそ、ジェダイという神格化された存在がいかに脆く、危険な存在だということに気がつけたのでしょう。

ジェダイという存在が一歩踏み外せば、ダークサイドに堕ち、そして銀河を破壊する勢力に加担してしまうという「善」と「悪」の表裏一体性に気がついたのかもしれません。

ダースシディアスがエピソード3の時にこんなセリフを残しています。「善は見方次第だ。シスとジェダイはあらゆる点で、ほとんど変わりはない。」

「スターウォーズ」シリーズって常に二元論的世界観でありながら、「善」と「悪」が表裏一体であるという点を強調してきたんですね。それはかつてのジェダイオーダーに基づくジェダイという存在がシスとほとんど相違無いからなんです。

ルークスカイウォーカーはベンソロに恐怖と殺意を抱いた瞬間にそのことを悟ったのだと思います。ジェダイマスターの自分でさえダークサイドに堕ちる可能性を孕んでいることに。だからこそダークサイドを生み出してしまうジェダイの育成を止めたのでしょう。

そして本作は「善」と「悪」を明確に区別した二元論的世界観へと帰結していきます。それは「善」と「悪」の混在の象徴であったアナキンスカイウォーカーのライトセーバーの分裂とルークスカイウォーカーの最期という2つのシーンでもって彩られました。

ルークというキャラクターがジョージ・ルーカス自身を投影したものであることを考えると、このシーンはあのラストシーンはより感慨深いです。

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本作が描いたのは、まさにジョージ・ルーカスが描いたジェダイ・オーダーの終わりであり、そして新たな「ジェダイ・オーダー」の誕生だったのでしょう。

本作のタイトル「最後のジェダイ」の意味を反芻しながら、このポスターを見返してみると涙がこぼれてきました。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は映画『スターウォーズ8:最後のジェダイ』についてお話してきました。

いろいろと不満点もある作品でしたが、前作の「スターウォーズ:フォースの覚醒」とは違って、「新しいスターウォーズ」を作るんだという気概を強く感じられたので、個人的には大満足です。

ナガ
いろいろな意味で「衝撃のスターウォーズ」でしたので、賛否がかなり分かれている印象ですね。

良かったら皆さんの感想もお聞かせください。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

 

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54件のコメント

素晴らしいレビューですね!
短時間でここまで深い考察をまとめてしまうとは…脱帽です。
歴史ある作品ですから、いろいろな意見があっていいとは思いますが、
私は本作、かなり楽しみました。
本レビューで更に造詣が深まり、2回目は新たな視点で鑑賞ができるように思います。

マイルスさんコメントありがとうございます!!
私自身もまだ1回目で書けることはこれで限界です…笑
今作はまさにスターウォーズの変革が描かれていて、非常に満足できました。ようやく続編を作った意義が見れたな…と思います。2回目楽しんできてください(^ ^)

素晴らしい考察だと思います。
私の気になる点を、、、
ラストの子供が箒を手に取るシーン
男の子は、箒を触らずに取っていた様な気がします。
つまり、フォースを使っている!
ルークはフォースは誰にでも備わると、それがラストシーンに繋がっていたのでは?
どうでしょうか?

クニさんコメントありがとうございます!
その辺りのディテールを若干見逃してしまってまして…。参考になります!
まさにクニさんが仰る通りで、これまでのジェダイだけが、フォースを操り傲慢に世界を統治していく時代を終わらせて、銀河に生ける全ての「善」なる者にフォースが宿り、そしてその全員がジェダイであるというラストになったかと思います(^ ^)

「スターウォーズを作る」って簡単じゃないですよね。
守らなきゃいけない事と壊さなきゃいけない事。この線引きは作り手、見る人、それぞれだと思うわけです。
私が感じたのは、前作「7」は「守り(ファン大事にサービスサービス)」今作は「攻め」なんだと思う。
基本的に三部作の真ん中は、「攻めな姿勢」が必要で、今作もその点では十分だと感じた。
ただ最後に記載されていた二点「作戦の意義」と「新キャラポーグ」については全く同感でして、後者はまだ許せても、作戦があまりにも無謀で、うまく遂行されればまだしも、あの有様では「?」がついてしまう。
また、レンとの対決後のレイをファルコン(チューイ)が回収するところって描かれてないですよね? ちょっと不満かな(^^)

アホキンさんコメントありがとうございます!!
そうなんですよ。前作みたいな作品だと、保守的すぎるという声が上がり、今作みたいな作品だといろいろ壊しすぎだという声が上がりますから、結局どっちに転んでも難しいんですよね…。
ただ細かい粗はちらほら見られますが、続編をなぜ作ったのか?という点をこの最後のジェダイでようやく示せたのだと思いました!!
本当にスターウォーズの続編を作るって難しい作業だと思います!

共感できるレビュー拝見させて頂きました。自分の頭の中で言葉にならなかったことが整然とまとめられていてあっという間に読んでいました…。
二元論的世界観がとくに強く表現されて前作のオマージュのようなシーンもあり個人的にかなりお気に入りのエピソードになりました!!
ジェダイオーダーという言葉が印象的で次回作でもキーワードになりそうだと思いました。

フランさんコメントありがとうございます!
これまでの作品へのオマージュやリスペクトもありつつ、まさにスターウォーズの変革を見せつけられる本作は素晴らしいかったと思います!
本作はジェダイオーダーの書き換えという主題が印象的でした!次回作にも絡んできそうですよねε-(´∀`; )

丁寧な考察、解説に思わず読みいってしまいました。
最後に出てきた少年は、確かにフォースを用いて箒を取ったように見えました。
レイの両親が名もなき者達だったことからも、フォースを扱う力の有無や強さは、スカイウォーカー一族だけが秀でているわけではないという、フォースを用いる者の可能性を広げたかったのかな(もしくは、Ep1〜3時代への回帰)と感じました。
しかしながら、スノークの正体やアナキンのライトセイバーがクラウドシティからどう流れたかなど、不明瞭な点は残ってしまったと思いますし、前作のレイのフォースや、今作のルークの技(?)が、ルーカスの描いたフォースのイメージだったのかどうかも私は疑問に思いました。
ちなみに私的には、アジア系のローズを出したのは、中国系の視聴者狙い、いわばチャイニーズマネー狙いではないかと考えています。
個人的には、地球の様々な人種を出せば出すほど、遠い銀河系感が薄れてしまい、残念な気持ちになります。

アソーカさんコメントありがとうございます!!
ジェダイの定義を大きく拡張したところに本作の革新性がありましたね!
仰る通りで、まだまだ謎は残る印象ですね。スノークが本当にあれで終わりなのか?というのも疑問ではありますが。
確かにチャイニーズマネーっぽいですね。ローズはキャスト云々もありますが、まずキャラクターとして欠陥が多いなあという印象ですね…。

非常にわかりやすく、深い感想でなるほどなぁとためになったり、そんな捉え方もあったのか!となりました。
僕もさっき観たばかりですが、今回は無駄が多かったイメージですね…てっきりフィンとレイがくっつくもんだと思ってましたが…
作戦もそれやる意味あるか?と思う事も多々あり、登場人物の行動も自分は理解できないところがしばしばありました。
個人的にはジョークの多さが気になりました。シリアスの中の本の僅かなジョークこそ意味があるかと。
気になった点といえばマズは誰と戦っていたのか、レイの親はただの一般人?であるのにがライトセーバーを持ったときの反応等があったのは何故なのかの二点でした。
また見返してさらに理解を深め考察しないと…

ナガさん、いつも丁寧な考察ありがとうございます!
昨日前夜祭に行き、ナガさんの考察を読んで「そういうことか、、ナガさんすげぇ、、、」と共感してから2回目行きました。
2回目でいくつか気になった点がありました。
1.カントバイトでフィンとローズが追われてるシーンで、月が2個あったように見えた(一瞬だったので見間違いかもしれないです汗)
2.ルークはヨーダに「地平線を見るな」と諭されたが、ルークは地平線に浮かぶ太陽を見ながら死んでいった
1については、もし本当に2個あったとしたら、それはフィン+ローズのことではないかと。極秘作戦のため、太陽=レイアに隠れて遂行しなければいけない→無事成功すれば、太陽によってその存在が照らされる=レジスタンスを救ったヒーローとなりえる?
2については、ヨーダに諭された後、ルークなりに、レジスタンス、ないしはレイをはじめ次世代のジェダイに自分が教えられることを教えた(背中で示した)→レイを失わずに済み、ヨーダが言ったようにマスターとしての役目を果たした
というような意味があったのかなと考えました。(まとまってなくて申し訳ないです汗)
ぜひナガさんの考察も頂きたいです!!

感想拝見いたしました。
評価ポイントが分かりやすかったですリピート鑑賞の参考にいたします。
個人的には今回の作品はイマイチでした、特に反乱軍のパートは不満が多く一番ダメだったのはオープニングのアクションシーンです。スターウォーズはシリーズを通して冒頭のアクションシーンの「掴み」が素晴らしくそのまま観客を映画の世界に引っ張って行ってくれますが今回はそれが非常に弱いと感じました。理由は反乱軍の目標の設定が(戦艦を撃沈or戦艦から逃げる) 示されていない為に現状が有利なのか不利なのか良く分からないまま戦闘シーンは進み気付けば敵も味方も大損害で気付けばレイア姫に怒らるポーダメロン…観ていてもどちらが客観的に正しいのか分から無い上に感情移入も出来ず物語にも乗れませんでした。これは致命的失敗だったと思います。
他にも悪に染まったとは言え実の甥であるベンにルークが殺意を持ったり(しかもそのまま隠居)、スノークが簡単に殺されたり、旧帝国の残党に過ぎないファーストオーダーの組織が大きすぎたりと不満な点は有りますがこれは前作フォースの覚醒でJJエイブラムスが先送りにした問題でもあるので…
ただしフォースが特別な血族だけのものでは無いという次回作に向けてのメッセージは受け取る事は出来と過去の遺産である旧三部作からの脱却を目指して作られた点は良かったのでエピソード9完成後に改めて観ると違った感想になると思います。それまで死ねません。

おーぷん2ちゃんねるまとめさんコメントありがとうございます!
確かにちょっと不必要な感じがするシーンがちらほらと見られて、間延びしてるパートもありましたね。
疑問点の2つは同感です!なぜレイにはビジョンが見えて、フィンには見えなかったのか?など、まだ分からない謎が残されてますね!

ラストオーダーさんコメントありがとうございます!
ルークがベンに殺意を持ってしまうのは、確かに疑問ではあるのですが、弟子の人数なんかから考えても、ルークと弟子の関係はイエスと12使徒に似ています。いわばカイロレンはユダのような存在です。イエスはユダの裏切りを知りながら、それを黙認し、自分が殺される道を選びました。しかしルークはジェダイマスターといえど、人間ですから、ユダ(カイロレン)の存在に本能的な恐怖を感じても無理はないのかな?と思った次第です。ここでルークの人間としての弱さが描かれただけに終盤の神的な描かれ方が映えたようにも思いました。
確かに冒頭のシーンは必要だったのか?と疑問符がつきますね。ちょっと間延びした印象です。
まさにその通りで、続編が来るまで絶対に死ねません!笑

R4さんコメントありがとうございます!
1の方はちょっと見れてないので、2回目で確認してみますね!
2の解釈は非常に興味深く拝見しました。地平線を見る=自分の死を想起することかな?と思ったので、まだやり残したことがあるだろ?と問いかけているようにも思えますかね?2回目を見て、考えてみます。
非常に参考になりました。ありがとうございます!

初めまして。
昨日劇場で作品を観た後、封印していたネットでの情報収集(?)を解禁し、様々な方の書かれた考察をずっと読んでいました。
自分で気づかないたくさんの考察を読むことができ、改めてこの作品の深さを感じる次第です。
またこのコメント欄での皆様との意見交換もまた非常に興味深く、これからさらに多くの意見が交わされていくんだろうな、と非常に楽しみです。
私自身はまだ自分の考えもまとまり切れませんが、ひとつ思ったのは、「ジェダイは100%の存在ではなく、間違いも起こすし失敗もする。決して神ではない」と言う事が強調された気がしています。
そしてどんなに時代が進んでも、また新たな光が生まれ、新たな闇も生まれる。
ん~まさに終わりなき物語ですね。
商業的に考えても、エピ10以降、終わる事なく進んで行くんじゃないかと思いますが、自分が生きている間に「これが最後」の作品が観れるといいなぁと思ってみたり、でも多分観れないで「次の作品を観たかった」と思いながら死んでしまうかもと思ってみたり。
この作品のおかげで「長生きしたいな」と思ってしまったのはちょっと大袈裟でしょうか(;^_^A

かたちんさんコメントありがとうございます!!
いやはやまさに「終わらない物語」ですね。どこまで続くかは分かりませんが、今作で「ルークスカイウォーカー」の物語が完結したというのが非常に感慨深かったです。

訂正さん…でよろしいでしょうか?
誤字のご指摘ありがとうございます!
訂正させていただきました。

すみません、一度誤って投稿してしまいました。
素晴らしい記事でした!
観終わってからも釈然としない部分があったので解説を求めていろいろ探していたのですが読めてよかったです。
特にライトセイバーの動線に関してはあまり意識していなかったが故に目から鱗でした。
自分はルークがてっきりキリストと描かれていると解釈してしまっていたので、弟子を手にかける=キリストにはなれない、というのはなるほどと思いましたが、最期に自分を犠牲にし、大勢を救ったとみると最終的にはキリストになることができたという見方もできると思いました。
そういえば直接トドメを刺したわけではありませんが、カイロレンは直立しているルークにも横一文字にライトセイバーを振りましたよね。
処女懐胎により産まれた子キリスト=アナキンからルークへ繋がれた物語がここで帰結しましたが、次作ではフォースの身体で復活して教えを説いたりするんでしょうか・・・笑
ヨーダ自身が古い聖典を燃やし、自分たちは超えられるべき存在だと言ったあのシーンは現代のキリスト教(主に福音派)に対するメッセージの気もします。となるとルークを受け継ぐレイが女性であることも偶然ではないと思いました。
カイロレンがユダと言うのは納得ですが、反乱を起こし(正当防衛ですが・・・)仲間を率いて去ったというところからは、Jミルトンの失楽園のルシファーを重ねているようにも思います。
人間的な弱さがあるところもキャラクター的にはバッチリですし、ファーストオーダーのリーダーにもなりましたしね!
さっきからキリスト教キリスト教言ってますが、ローズがフィンを救うというのはキリスト教が愛の宗教というところを強調したかったのかなと思いました。
なんか良い解説読んで嬉しくなっちゃって、まとまりのない文章になってしまって申し訳ありません。
なんにせよ次回作も楽しみですね!

本日映画を観ましたがその後の考察にとても参考になりました。スノークは台詞(字幕版)からするに反逆を予想してそうなのが気になります。ローズの地上ビーム兵器のシーンはやはり残念でした。モブあるいは今回初登場のキャラを助けたならエゴとはいえ愛情として理解出来ますが、フィンを助けたため観客からすると予定調和に見えてしまいました。

素晴らしい考察、ありがとうございます。12という数字に目からウロコです。EP2と3が苦手なのですが、もう一度見直してから、来週の2回目に備えたいと思います!

ミヤさんコメントありがとうございます!
>最期に自分を犠牲にし、大勢を救ったとみると最終的にはキリストになることができたという見方もできると思いました。< これは同意です!直接レンが手を下したわけですないですが、自らに十字架をかけて、最後はイエスに近い存在として死んだように思いました。 >Jミルトンの失楽園のルシファーを重ねているようにも思います< これはすごく参考になりました。スターウォーズの世界観が新約聖書的でしたが、今回は旧約聖書的なモチーフが多かったように思いました!

名無しさんコメントありがとうございます!!
そうなんですよ!仰る通りで、助けたのがフィンだったのが致命的なんですよ…。ご都合主義感が一気に増してしまいましたね。
確かにスノークがあのまま終わりというのは考えにくいですよね。その辺りはEP9に期待ですね!

EP2と3はやっぱりメロドラマ色が強いですし、ちょっとルーカスの迷走も見られるんですが、個人的には大好きですね。
細かく見ていくと面白い発見があると思います!ぜひぜひ見返してみてください!
そして2回目の最後のジェダイ楽しんできてください(^ ^)

かつてのジェダイオーダーでのジェダイの騎士は「男」しかいなかった。
けれど、7部以降主人公は「女性」のレンが、さらに「黒人」のフィンが活躍し、今作では「アジア系」のローズが出てきました。これは、新しい秩序が生まれることと結びついている気がします。そして、ラストシーンの子どもも含め、「フォース」は誰にでも宿り、「ジェダイ」は誰にでもなれるんだという示唆なのではないでしょうか。

色々と腑に落ちなかった点がこれを読んで納得しました。ローズの下りはたしかに私もおかしいと感じました笑
賛否はあるかもしれませんが私も今回のシリーズは前作を越えて満足しました~
またレビュー楽しみにしています

ナガさん、はじめまして。考察読みました。深いですね。
なるほど、ほるほどの連続です。
フィンとローズの作戦はいらないですね。
ラストの少年シーンが突飛にならないためだけに必要だったのかな?
DJも本当に途中から裏切ったのか、
実は最初からファーストオーダー側だったのかよくわからないし。
スノークとファズマはこれで最後なのでしょうか?
このままでは淋しいので、ep9にも出てきてほしいです。
チューバッカがレイをスノークの船から救出するシーンを、
入れてほしかったです。
(チューバッカの活躍が少ない!!)
ポーグがファルコンに巣を作ってるのが可愛かったです。
それが、レイがそこそこ長くルークの所にいることを想像させてくれました。
赤いガート VS レイ & レン
開始直後一瞬スローモーションになるシーンが、
とにかく美しく素晴らしい!
相変わらず、中坊みたいなレンを見てると、
金八先生に預けてみてはと思います。
まだまだ、感想はあるのですが、
箇条書きでいっぱいになるので、この辺で。
再度吹替見に行く予定です。
スノークって、顔も座り方も声のしゃがれ具合も、
麻生太郎って似てると思いませんか?

素晴らしいレビュー&考察でついつい読みいってしまい、主さんが制作陣の一人なのではないかと思ってしまいました笑
自分自身、作品鑑賞後に色々と自分の中でモヤモヤする感じが残っていたのですが、ナガさんの考察を拝見して、そのモヤモヤのほとんどが解消されました。来週2回目の鑑賞を予定していますので、ナガさんの考察を頭の片隅に置きつつ、楽しみたいと思います!
素晴らしい考察をありがとうございました!!

ツートンさんコメントありがとうございます!
そのコンセプトは的確だと思いますし、制作側のやりたかったことも分かるんですが、如何ローズに関してはキャラクターとして魅力を描ききれてなかったような気がしまして…

素晴らしいさんコメントありがとうございます!!
ローズはちょっとよく分からないキャラクターでしたね…。特にラストのあれだけは無しだなぁと思いました。
そうですね!ようやく新しいスターウォーズが始まったぞ!という印象で、個人的にも大満足です!

>フィンとローズの作戦はいらないですね。< ごもっともだと思います。あのシーンは明らかに浮いていて、別の作品を見ているのかと思いましたし。 DJも含め今作の新キャラはどれも今ひとつな印象です。 >チューバッカがレイをスノークの船から救出するシーンを、
入れてほしかったです。
(チューバッカの活躍が少ない!!)< そうなんですよね!レンとライトセーバー取り合った後にどうなったのかが描かれてないですよね! 麻生太郎さんww ちょっと似てますね。歌丸さんにも似ている気がしましたが。

LAST JEDIさんコメントありがとうございます!!
こちらこそ読んでいただいて感謝感謝です!!
ただのしがないスターウォーズファンでございますよ(^ ^)
2回目の最後のジェダイ楽しんできてください!

ポーグは良い味だしてます。チューイがポーグの仲間の丸焼き食べようとしてた時のポーグの表情にクスッて来ました。
昔から、スターウォーズはクスッてくる場面がありました。ストーリー的に活躍しなくても、そこのところはスターウォーズらしいですね。

今日見てきましたが、私はローズの最後のシーンは絶対に必要だと思いました
あれがなければ「ヒーローとして名誉の戦死を遂げることこそ賛美される」というスターウォーズ伝統の価値観との決別、そして記事でも挙げられてるポーのリーダーとしての成長を書き切ることができません
仲間のために死んでヒーローとなった姉と、大切な人に同じことをさせなかった妹の対比という点も重要です
ローズの行動は戦術的に考えれば全く意味のない行動であることはおっしゃるとおりですが、人間の感情は単純ではありません
理屈的にはどんなに正しくてもあのままフィンが突っ込めば、フィンが死んでしまうことは絶対に避けられません
姉を亡くしたローズにとっては、例え反乱軍が危機に陥っても、愛する人を救いたい気持ちは曲げられないところだったのだろうと思います
まぁこの件も含めてルーカス的スターウォーズとの決別という点をどこまでファンが認められるかということなのだと思います
実際、命を賭して仲間を救う美しさを見ることもスターウォーズで感じるカタルシスであったことは間違いなかったとおもいます
それでも私は今作で提示された新しいスターウォーズ観も悪くないと思いました
私はこのシーンを評価します
余談ですが私は事前の情報を見ずに映画を見たのですが、ポーグも悪くはなかったと思います
ハンソロを失った後のチューバッカのキャラクターを引き立てるのに重要な役割を担ったと思います
客席でもポーグのシーンでは笑い声がたびたび聞かれました

レジスタンスの一体感のなさはなんだったのでしょう?
終盤の協力通信を飛ばし誰も来ないシーン、マズカナタのコードブレイカー探しに対する適当に返すシーン。
あれ?ファースト・オーダーのせいで宇宙やばいんじゃないの?というのが全くない。
ファースト・オーダーもレジスタンスも勝手にやっといてw俺たちはそれで金儲けwwといった状態。
双方何のために戦っているんだろうと思ってしまいました。
しかしそのおかげでもうジェダイのような存在は必要なくなるなという説得力がありましたが。

よっていってさんコメントありがとうございます!
今回はコメディ要素多めでしたね。スターウォーズはちょっと抜けてる感があるのもクスッと笑えて良いのですが、今作はちょっとやり過ぎかなぁ?と思ってしまいました。2回目見る際にはポーグはもう少し注視してみますね(^ ^)

BB774さんコメントありがとうございます!!(^ ^)
>まぁこの件も含めてルーカス的スターウォーズとの決別という点をどこまでファンが認められるかということなのだと思います実際、命を賭して仲間を救う美しさを見ることもスターウォーズで感じるカタルシスであったことは間違いなかったとおもいます。それでも私は今作で提示された新しいスターウォーズ観も悪くないと思いました。私はこのシーンを評価します< 非常に論理的な文章で興味深く拝見いたしました。この点は前作にローグワンを持ってきたことからも狙いとしては良かったですよね!個人的にはもう少し上手くやって欲しかったですが…。 ポーグはコメディ要因だとは思うんですが、今回はそれ以外にもコメディ描写が多かったので、くどく感じてしまいました。2回目を見る際には改めてポーグを注視してみますね(^ ^)

NGさんコメントありがとうございます!
確かに今回レジスタンス、ファーストオーダー共に間抜けな部分がありましたね。
マズカナタが何と戦っていたのかが個人的には気になっております(^ ^)

素晴らしい考察ありがとうございます。
今回の新しいスターウォーズは古くからの愛したスターウォーズではなくなってしまう寂しさでちょっとら好きではなかったです。
でもそう考えるとずっとスカイウォーカー一族やってても仕方ないですしね。
しかし、新しいスターウォーズにすることは大賛成なんですが、やり方が好きじゃない部分が多かったです。
個人的意見になっちゃいますが、提督がデストロイヤーを破壊するシーン、あそこ無音になりますよね、ああいう演出はスターウォーズにはなかったです
あとルークのマトリックスのような避け方
そして宇宙空間に投げ出されてからのレイアの復活…
演出が好きになれなかったんです。
演出まで新しい方向にしちゃうかーとかなり冷めました…
でも良かれ悪かれ、次がかなり気になりますね
あれはどうなった?とかの伏線回収ってよりもサラの状態になったスターウォーズ、次はどーなる?って期待ですね!
また考察書いてください!楽しみにしてます

「神話」やキリスト教との接続に関する考察、とても興味深いもので面白かったです!
レイの出自が明らかにされたことで、「シミ・スカイウォーカーは処女受胎した聖母ではない」という可能性が示されたように思います。実はアナキンもレイと同じ出自かもしれないのだ、と。これは「神話」(=ルーカスのスター・ウォーズ)を否定するだけでなく、「神話」は初めから神話ではない普通のものごとなのではないか、と「神話」そのものを否定しているようにも感じられました。(なので、In a long time ago,far far awayという不特定で誰のものでもないところだと示されている?)
ポーグに関しては正直よくわかりませんが、「ミレニアム・ファルコンの中に巣を張る」という行為は旧三部作へのリスペクトが感じられないように思えるので、そこは神話の拒否と合わせて「あえて」不必要である必要があるのかなぁと無理矢理納得しています…

初めまして。個人的にディズニーに買収されてからのスターウォーズは商業映画色が強くて嫌いです。スターウォーズの世界観とディズニーの特色を無理やりに共存させています。本編は上映時間が2時間半と長く、ただただストーリーを見せられている気がしました。この分だと次もあまり期待できないと思っています。それ以降のエピソードも制作が決定しているそうですが、もはやスターウォーズの面影もなくなってるんじゃないかと思います。

初めまして!すばらしいレビューで全部一気に読んでしまいました。
自分もSWが好きで、やっぱり劇場で見る機会が嬉しくて嬉しくて、4回見に行きました。
ナガさんと同じように、満足点もあれば・・・・というところもありましたが、総じて面白かったと思います。
1回目に見たときは情報量が多すぎてアタマの整理が出来ず、余計なことばっかり気に留まってしまいました。例えば・・・ハックスのモミアゲ&変顔&いじられ度が7より強調されてる気がしたり、レイの体格がガッチリしているように見えたり、ポーグの鳴き声に違和感を持ったり・・・
ですが2回目、3回目と見ていったら、違和感が減っていき、それぞれの見せ場を楽しむことが出来ました!レイが大好きなので、ルークとの会話で「カイロ・レンはアナタを失望させたけど、私はさせません!」的なシーンがかっこよくてそのシーン見たさに4回も行ってしまいました。
7同様、3月下旬くらいまで劇場公開して、GWにはDVDを発売して欲しいと切に願っています。
賛否両論ある作品ですが、公開前に色々と考えて予想するのが楽しかったなぁと思います。いざ見てみると、自分が好きなキャラに自分が好きなようなあらすじを当てはめた予想ばかりだったと感じています。そういう意味で、全部が”衝撃”でした。

まなはまさんコメントありがとうございます。
>あとルークのマトリックスのような避け方そして宇宙空間に投げ出されてからのレイアの復活…< ルークのマトリックスは自分もちょっと笑ってしまいました。宇宙遊泳はどうやらアニメの方のスターウォーズスピンオフからの引用みたいですね。

かぎたさんコメントありがとうございます。
>「シミ・スカイウォーカーは処女受胎した聖母ではない」という可能性が示されたように思います。実はアナキンもレイと同じ出自かもしれないのだ、と。これは「神話」(=ルーカスのスター・ウォーズ)を否定するだけでなく、「神話」は初めから神話ではない普通のものごとなのではないか、と「神話」そのものを否定しているようにも感じられました。< 非常に面白い考察、参考になりました。「選ばれし者」としてのジェダイ神話の端緒に切り込んだわけですね! ポーグの解釈も参考になりました。確かにミレニアムファルコンに巣を作るという行為は何らかの含意があるやもしれませんね。

ボバフェットさんコメントありがとうございます。
自分は今作には肯定的ですが、さすがにエピソード10以降には否定的ですね…。これ以上はやめてくれ…という思いです。

あやたさんコメントありがとうございます。
>ハックスのモミアゲ&変顔&いじられ度が7より強調されてる気がしたり< 読みながらめちゃくちゃ笑いましたw 今作では小物感が増してましたが、EP9で何かやってくれると期待してしまいます。 レイのあのセリフかっこ良かったですね!自分も痺れました(^ ^)

最後に出てきた男の子がとても気になります。私的に見ていた時に非常にアナキンの幼少期に似ていて、かつ最後のシーンでルークの話をしていたところよりジェダイにものすごい興味があるっと言うようなものが感じられました。そして最後の最後でほうきを取るシーンで取る前に、なぜか触れる前からほうきが動いているような気がしました。気のせいかもしれませんが。もしよければそれについて書いていただけると有難いです。ほかの文章もとてもわかりやすくて読み応えありました!ありがとうございました。May the force be with you

楽しく読ませて頂きました。
新しく組み直されたスターウォーズの今後を期待させるいい出来だったと思うのですが、
個人的に気になるのは、スノークが意味深にレンに言っていた
「お前が誰に刃を突き立てようとしているのか分かっているぞ」→スノークだった。
ドゥーク—を手にかけさせることで、アナキンをシスとして完成させた旧作のシーンに近いのかなぁと思って見てたんですけど、あまりそういう方向での考察しているところが少ないので気になってます。
倒したらスカっとする系の悪でないだけに、何かしらレンにも救いがあって終わって欲しいんですけど、最後のスカイウォーカーとしてどうやったら救いが出せますかね。

はじめまして!非常に興味深い考察でまた見に行って色々と確認したくなりました!
考察であまり触れられていない、私の気になる点が一つあります。
フォースってこんなに万能だったっけ??って思いました。
レンとレイがフォースを通じて触れ合ったり霊体化して戦ったり雷落としたり・・・
レイアが宇宙空間から戻ってくるシーンなんて失笑でした。
ナガさんはあのあたりどのように感じましたか?

Walkerさんコメントありがとうございます。
最後の少年はフォースで箒を扱ってましたね!血統主義から解放された、名も無き宇宙の片隅にいる1人の少年でありながら、かつてのルークやアナキンを彷彿させる、まさに「新スターウォーズ」を象徴する存在でした!

らんらんさんコメントありがとうございます。
>個人的に気になるのは、スノークが意味深にレンに言っていた「お前が誰に刃を突き立てようとしているのか分かっているぞ」→スノークだった。ドゥーク—を手にかけさせることで、アナキンをシスとして完成させた旧作のシーンに近いのかなぁ< なるほど。これは興味深いですね。スノークに関してEP9で全く言及が無いなんてことはあり得ないとは思います。ですので、レンの刃を受け入れたのも何らかの意図があるのやもしれませんね。 レンはダースプレイガスを倒して、最強のシスとなったダースシディアスを彷彿させますね。

パダワン・ケノービさんコメントありがとうございます。
>フォースってこんなに万能だったっけ??って思いました。
レンとレイがフォースを通じて触れ合ったり霊体化して戦ったり雷落としたり・・・
レイアが宇宙空間から戻ってくるシーン< 自分はスターウォーズは映画をメインで見てる人間なので、一抹の違和感はありましたが、どうやらこれらのフォースの描写は全てアニメ版スターウォーズスピンオフからの引用みたいですね。映画だけを見ている人からすると、違和感を感じてしまうのかもしれません。