【感想・解説】春アニメ「レクリエイターズ」現実と創作が交わる時

〇イントロ

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 本日はですね、先行上映会にて春アニメ「レクリエイターズ」を鑑賞してきましたので、第1話・第2話を見ての感想と解説を書いていきたいと思います。 大阪で開催された先行上映会に参加してきたのですが、ゲストに水瀬いのりさんと小松未可子さんが登壇して会場も大盛り上がりでした。上映会終了後には今回の先行上映会用に作られた販促用のポストカードも配布されて大満足でした。

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〇概要

 では今作のスタッフやキャストに関して簡単に紹介していこうと思います。

・原作:広江礼威・キャラクター原案

 本作の原作をアニメ用に執筆したのが、「BLACK LAGOON」の著者でも知られる広江礼威さんですね。この作品は、運び屋ラグーン商会と裏社会を鮮烈に描き出したクライムサスペンスでした。そして今作に関してですが、広江さんは2014年に「BLACK LAGOON」の第10巻を出版した時に、同作の休載を発表し、「レクリエイターズ」の執筆を始めたそうです。この「レクリエイターズ」という作品がかなり前から動き出していた規格であることが伺えますね。

 また、本作「レクリエイターズ」の原作に当たる広江礼威さんが執筆した25万字に及ぶテキストがアニメの放送スタートと同時に「サンデーうぇぶり」さんの方で、アニメの進行に合わせて毎日更新される模様です。アニメ版との違いも楽しめるということなので、放送が始まりましたら、そちらもぜひチェックしてみてください。

 サンデーうぇぶりホームページ

・監督:あおきえい

 本作の監督を務めるのは、「Fate/Zero」や「アルドノア・ゼロ」の監督で知られているあおきえいさんですね。やはりあおきえいさんと言えば「Fate/Zero」のイメージが強いのですが、偶然にも今回の作品である「レクリエイターズ」はすごく設定近いですよね。また、彼が同じく監督を務めた「アルドノア・ゼロ」同様にロボットが登場しているシーンも印象的でした。今作はまさに彼の良さが120%発揮される最高の作品ではないでしょうか。

・製作:TROYCA

 本作のアニメーション製作を担当するのが、TROYCAという製作会社ですね。TROYCAは「アルドノア・ゼロ」の製作としても知られていて、今作で監督を務めるあおきえいさんと、撮影監督をしている加藤友宜さんも所属しています。「アルドノアゼロ」を見た印象から語らせていただくと、非常に高いクオリティの映像作品を供給できる素晴らしい製作会社であるということです。そのため、「レクリエイターズ」も全22話と長丁場にはなりますが、作画が乱れたりといった心配は無いように思います。

・その他スタッフ陣

 副監督:加藤誠

 シリーズ構成:あおきえい・広江礼威

 キャラクターデザイン:牧野竜一

 総作画監督:牧野竜一・中井準

 メインアニメーター:松本昌子・山本碧

 メカニックデザイン:I-IV(「アルドノア・ゼロ」でもメカニックデザインを担当)

 エフェクトアニメーション:橋本敬史

 美術監督:永吉幸樹

 色彩設計:篠原真理子

 アートディレクション:有馬トモユキ・瀬島卓也

 CGディレクター:ヨシダ.ミキ・井口光隆

 ビジュアルエフェクト:津田涼介

 撮影監督:加藤友宜

 編集:右山章太

 音響監督:明田川仁

 音響製作:マジックカプセル

 音楽:澤野弘之

・山下大輝(水篠颯太)

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 本作の主人公である水島颯太を演じるのは山下大輝さんですね。2013年に「ガイストクラッシャー」という作品で主演を勝ち取って以来、「弱虫ペダル」や「僕のヒーローアカデミア」といった注目作にも出演し、2017年もすでに多くの作品に出演している注目の声優さんですね。今回演じる颯太は優しく穏やかな性格で、山下さんの声にすごくあっているキャラクターだと感じました。今回舞台あいさつに登壇された小松未可子さんは、ご自身も颯太役のオーディションを受けたそうですが、後に山下大輝さんに配役が決定したことを知り、この役は彼にしかできないなと感じたそうです。

・小松未可子(セレジア・ユピティリア)

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 本作でメインヒロイン的な立ち位置にいるセレジア・ユピティリア役を演じるのは小松未可子さんですね。セレジア・ユピティリアは劇中のファンタジーロボットアニメ作品「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」に登場するヒロインです。小松未可子さんはやはりクールな役どころが印象的で、「ニセコイ」の鶫誠士郎なんかはすごくはまり役だったなあと思っております。今回の役どころはクールで、頼れるお姉さんという感じなので彼女の声の持つイメージにすごくピッタリだと思います。クールな役どころですが、所々で見せる可愛い仕草が非常に愛らしく、そういったシーンでは何度もリテイクが入ったと小松さんも語っておられました。(大人のこだわりが見えたそうです)

・水瀬いのり(メテオラ・エスターライヒ)

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 本作でもう一人メインヒロイン的な立ち位置にいるメテオラ・エスターライヒ役を演じるのは水瀬いのりさんですね。2014年に「ご注文はうさぎですか」のチノ役で一気に人気が急上昇し、そこから立て続けに話題作に出演し続けている今最も熱い声優さんの一人ですね。彼女は同TROYCA製作の「アルドノア・ゼロ」にもエデルリッゾ役として出演していました。今回演じるメテオラは劇中に登場するゲーム「追憶のアヴァルケン」で主人公を導く司書を務めていたキャラクターです。そのためもあって非常に物事を難しく語ろうとするのですが、食べ物に目がないという可愛らしい一面も見せています。水瀬さんは当初、かなり理知的なイメージでメテオラを演じていたそうですが、もっと柔らかくとっつきやすいイメージでという指導が入ったそうで、その結果として放送版のメテオラに仕上がっているそうです。その点にも注目したいですね。

・その他のメインキャスト

 村川梨衣(煌樹まみか)
  
  劇中アニメ「マジカルスレイヤー・まみか」の主人公まみかを演じています。

 鈴村健一(弥勒寺優夜)

  劇中漫画「閉鎖区underground-dark night-」のラスボスである弥勒寺優夜を演じるのは鈴村健一さんです。今回は夫婦でご出演ですね。

 豊崎愛生(軍服の姫君)

  軍服を身にまといサーベルを操る謎のキャラクターを演じているのは豊崎愛生さんです。突如主人公や他のキャラクターたちの前に現れ、交戦する現時点では謎に包まれたキャラクターです。

 雨宮天(鹿屋瑠偉)

 坂本真綾(築城院真鍳)

〇あらすじ

人は、その手で多くの物語を創造してきた。

喜び、悲しみ、怒り、感動。
物語は人々の感情を揺れ動かし、魅了する。

しかし、それは傍観者としての感想にすぎない。

もしも、物語の登場人物たちに“意思”があるとしたら、
彼らにとって、物語を産みだした我々は神の存在なのだろうか?

我らの世界に変革を。
神々の地に制裁を。

「Re:CREATORS」

誰もが皆、《創造主(クリエイター)》になる。
〇感想

 今回の上映会では第1話と第2話を一足早く見させていただいたのですが、自分の期待値を上回る面白さでした!!

 個人的に今作の劇伴音楽を担当されている澤野弘之さんがライブに足を運ぶほどに好きなので、それ目当てで見ようかなくらいの軽い気持ちだったのですが、想像以上に引き込まれる世界観と展開でした。

 第2話まででは本当にまだ序盤も序盤といった感じでキャラクターもごく一部しか登場しませんでした。しかし、意味深に散りばめられたシーンの数々が今後の展開を楽しみにさせてくれますし、やはりバトルシーンは圧巻でした。アニメやゲームのキャラクターたちが現代社会にいたらどうなるだろうか?という誰もが一度は考えたことのある「もしも」を実際にやってみたらこうなるだろうなあというほどにリアリティと臨場感あるバトルシーンは本当にしびれます。

 またキャラクターたちも非常に魅力的でした。今回の舞台あいさつに登壇されたお2人も、今後どんどんとキャラクターが登場してきて、それぞれのキャラクターたちが魅力的に描かれているので注目してほしいと仰っていました。

 第2話までですと、本当に謎謎謎の連続でまだまだ問題提起をされた、という印象です。今回登壇されたお2人も、ちょっとしたシーンにも伏線が組み込まれている緻密な構成になっているので、ぜひぜひ細部まで目を凝らしてご覧になってほしいと仰っていました。

 またキャストの方々はすでに先の回までアフレコを済ませていて、下記の2つのキービジュアルはのちのち見返すとすごく腑に落ちるデザインになっていると仰っていましたね。

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 

 何はともあれ実に放送が楽しみなテレビアニメです。




〇解説:現実と創作の交差点で

 最近、異世界モノと呼ばれるジャンルが人気を博していますよね。その火付け役となったのは、「ソードアートオンライン」だと思いますが、他にも「ノーゲーム・ノーライフ」や「この素晴らしい世界に祝福を」、「オーバーロード」、「Re:ゼロから始める異世界生活」などなど多くの話題作が登場しました。

 異世界モノというのは作品の中で、主人公が異世界、ゲームの世界と言った現実世界とは異なる世界に迷いこみ、そこで物語が展開していくジャンルですね。このジャンルは「Re:ゼロから始める異世界生活」や「幼女戦記」の原型を輩出した「小説家になろう」でもこのジャンルは長らく鉄板とされていました。

 アニメというのはもちろんフィクションであり、創作物なのですが、その劇中でさらに主人公がゲームの世界のようなフィクションの世界に迷い込むという多層的な物語構造が非常に面白いんですね。また、一般人の主人公が異世界に迷い込むという設定なので、自分が作品に入り込んでみられるような没入感を感じる事ができます。

 ここから「レクリエイターズ」に話を戻すのですが、本作はそういった異世界モノ人気の風潮に逆らって、むしろ異世界から現実世界にキャラクターたちが転生してくるんですね。「現実から創作へ」を掲げた異世界モノに対して、「レクリエイターズ」は「創作から現実へ」を掲げた作品なんですね。

 しかし、よくよく考えると、これをやったゲームないしアニメとして有名なものが一つあって、それが「Fate」シリーズなんですね。このシリーズでは、魔術師たちが現実世界に神話や歴史の英雄の霊を召還して「聖杯戦争」と呼ばれる戦いを繰り広げるんですね。確かに設定はすごく似ています。

 ただここからが本作「レクリエイターズ」の面白いところなんですよ。「Fate」シリーズでは歴史や神話の英雄の霊を呼ぶという設定だったため、「作者」というものは存在しないに等しいんですよ。つまり、彼らは特に何にも縛られるわけではありませんでした。しかし、「レクリエイターズ」には明確に「作者」というものが存在しています。ゆえに、本作で登場するキャラクターたちというのは自分たちが存在していたフィクションの世界の設定や世界観、価値観、そして自分たち自身に詳細に付けられた設定というものに強く依拠しているわけです。

 一方で、本作の根底には「作者の死」という概念があるんですね。「作者は作品を支配できず、読者に解釈を任せなければならない」フランスのという文芸評論家ロラン・バルトの主張です。

 「レクリエイターズ」に登場するキャラクターたちは確かにその行動原理や価値観、考え方などが自分の創造主たる作者が作り上げたフィクションに強く結びついています。一方で彼らは作品として世に出た時点で既に作者という存在から解放されているのです。ゆえに、作者が思いもよらないところで、アニメやゲーム、マンガのキャラクターが「自我」を持っているんですね。設定ではない、自分だけの考え方を獲得しているのです。

 本作は、クリエイターたちがクリエイトしたキャラクターたちが、クリエイターの手を離れて、自分たちで再び自分の物語を創造していく、「リクリエイト」していく物語なんですね。

 一方で、我々がこの今生きている世界が仮に高次元の存在の創造の産物だったとしても気づきようがないように、フィクションの世界のキャラクターは自分たちの世界に創造主がいることを知らないのです。そして、今作でそんな現実と創作を結びつけるのが「軍服の姫君」なんですね。

 彼女がなぜ、自分の生きる世界とは別に自分たちの世界を創造した者たちの世界があると認識できたのか?その謎は今作を通して解き明かされていくのでしょう。

 現実と創作の交差点で展開されるアニメ「レクリエイターズ」。要注目です。

〇まとめ

 さて、本作「レクリエイターズ」はいよいよ早いところでは4月8日から放送がスタートします。

 細かいところまで考察しながらアニメを見たい、私のような人にはピッタリなアニメです。ぜひ、オンエアスタートしましたら、一度だけでなく二度三度と、繰り返し見ることで、作品の細部まで注目して先の展開を予想しながらみたいですね。

〇放送情報

TOKYO MX・BS11・群馬テレビ・とちぎテレビ:4月8日から毎週土曜 23:30―

ABC 朝日放送:4月8日から毎週土曜 26:29―   ※第1話(4/8)、第2話(4/15)は26:58―

テレビ愛知:4月11日から毎週火曜 26:05―

AT-X:4月13日から毎週木曜 24:00―    ※リピート放送:毎週土曜 16:00―/毎週水曜8:00―

※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

〇ネタバレあらすじ

 ここからは「レクリエイターズ」第1話・第2話のネタバレになりますので、ご自身の判断でお進みください。

 繰り返します、ここからは作品のネタバレになりますので、お気をつけください

・第1話

 一人の少女が駅のホームから飛び降り、電車に轢かれたシーンで本編が始まる。
 
 主人公颯太が、自室でテレビアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」をタブレット端末で見ていると、突如として作中の世界に転移してしまう。そこではヒロインのセレジアと軍服の姫君が交戦していた。颯太は戦いに巻き込まれ、セレジアは颯太をかばおうとする。すると颯太とセレジアは突然現実世界に転移する。セレジアは軍服の姫君のことを颯太が何か知っているだろうと問い詰めるが、颯太は何も知らないと告げる。

 そこに軍服の姫君が2人を追って現実世界へと転移してくる。2人は車で逃走するも、高速道路を走行中に軍服の姫君の攻撃に遭い車が大破。セレジアは軍服の姫君と交戦を開始するも、苦戦する。そこに突如としてメテオラが現れて、バズーカを用いた詠唱で攻撃、軍服の姫君は去っていく。メテオラもそこから去っていき、それを追うようにセレジアも颯太の前から姿を消す。

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 颯太が家に戻ると、自室には去っていったはずのセレジアとメテオラが。

・第2話

 セレジアとメテオラは現実世界に拠点がないため、颯太の家を拠点にさせて欲しいと告げる。そして、2人は現実世界について知ろうとするとともに、自分たちの作者、つまり「クリエイター」について知ろうと、情報を集めていく。

 そんな中でセレジアが存在していたアニメの原作者を割り出し、その原作者を上手く誘い出すことに成功し、颯太、セレジア、メテオラはその人物に会いに行くこととなる。

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 そこに突如として、「マジカルスレイヤー・まみか」の主人公である煌樹まみかが現れる。まみかはどうやら軍服の姫君と既に一度会っており、フィクションの創造主達に制裁を下そうとする彼女の計画に賛同しているようであった。というのもまみかは自分たちの世界に悪や危険、不幸をもたらす作者の存在が許せないのであった。

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©2017 広江礼威/小学館・アニプレックス 第3弾PVより引用

 セレジアは軍服の姫君の考え方には賛同できないとして、まみかに反発。2人は交戦状態に発展する。まみかの圧倒的な力を前にして、セレジアはどんどんと追い込まれていく。しかし、まみかは自分の攻撃が街を破壊し、人々を危険にさらしていることに動揺する。まみかは自分に従ってもらおうとセレジアにとどめの一撃を繰り出すが、何者かに攻撃をかき消されてしまう。そこに現れたのはマンガ「閉鎖区underground-dark night」のラスボスを名乗る弥勒寺裕也だった。

 以上で今回の記事も終わりになります。

 読んでくださった方ありがとうございました。




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