【ネタバレあり】『キセキ あの日のソビト』感想:まっすぐで熱い、兄弟の物語に感動!

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

本日1月28日より公開の映画「キセキ~あの日のソビト~」を見てきました。

劇場には中高生とみられる若い客層が詰めかけ非常に賑わっておりました。動員も堅調のようで、最終興行収入10億円超えを十分狙える出だしとなるのではないでしょうか?

今回はそんな映画「キセキ~あの日のソビト~」についてお話していこうと思います。

 

GReeeeNについて

私自身は中学生時代、ちょうどGReeeeNが「愛唄」や「キセキ」などをリリースしていたころ周りに流されるように彼らの曲を聴き始めたのを覚えています。

そして、CDショップで「キセキ」や「歩み」、「刹那」といったシングルを自分の少ない小遣いで購入していたのを思い出します。

他のアーティストに惹かれるようになり、少しづつ彼らの曲を聴かなくなっていってしまったのですが、こうして劇場で彼らの自伝的映画を見たことで、非常に懐かしい気持ちで胸が溢れました。

GReeeeNの曲が初めてヒットしたのはおそらく「愛唄」という曲だったと理解しています。

この曲を聴いて私は彼らに初めて興味を持ちました。というのもこの曲は当時世間に溢れていたラブソングとは一線を画していると感じたからです。

どこまでもストレートなんですね。歌にしようと、曲にしようとして作られたというよりは、言葉を伝えたい、思いを伝えたい、そんな非常にシンプルな曲なんですよ。

そんなGReeeeNの人に伝えたい、強い思いが込められたちょっとクサいくらいにストレートで熱い歌詞が多くの人の心に響いたのだと思います。

 

「キセキ~あの日のソビト~」感想(ネタバレあり)

真っ直ぐで熱い!GReeeeNらしい映画

そして、今回の「キセキ~あの日のソビト~」では、そんなGReeeeNの知られざる結成秘話が明かされます。

彼らが顔を出さないアーティストであることや、歯科医師を目指す大学生であったということはよく知られている話ですが、そのデビューまでにどんな障害があったのか、そして彼らをデビューに導いた兄JINの存在などが描かれ、非常に見ごたえのある作品になっております。

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©Epic. Records Japan 「キセキ~あの日のソビト~」特報より引用

ここで、この「キセキ~あの日のソビト~」という映画に対する僕の率直な感想を述べさせていただきたいと思います。実話をベースにしてそれをアレンジして物語にしているのですが、あまりにご都合展開すぎますし、映画としての演出面の工夫も弱いです。

また、「キセキ」がメインタイトルになっているのに、その作曲に至った理由などもあまり描かれておらず、少し消化不良感も否めません。

と、ここまでこの映画に非常に否定的な意見を書き連ねましたが、私はこの映画が非常に大好きです。というのも、この映画はまさにGReeeeNを体現していると言っても過言ではないからです。不器用だけど、まっすぐで熱い。映画としての出来がどうこうはこの際どうでもいいのです。

この映画を見て、すごく熱い気持ちになれた、前向きな気持ちになれた、そんな気持ちになれたことが大切なのです。そして、そんな気持ちにさせてくれる点でこの曲はGReeeeNの数々のナンバーと共通しています。

ご都合主義のド直球なストーリー展開、確かにそうですが、その王道中の王道ともいえる物語にどうしても心を打たれる、熱い気持ちにさせられる、この気持ちは間違いなく、私が中学時代に彼らの曲を聴いていて感じたものでした。

だから、私はこの映画の構成は、映画としては落第点ですが、GReeeeNというアーティストの自伝的映画としては満点をつけたいんですね。

GReeeeNの楽曲を聞いたことがある方、私のように学生時代に聞いていたという方には、ぜひこの作品を劇場で見ていただいて、あの頃の懐かしい気持ちを味わっていただきたいと思うばかりでございます。




感想:誰かの夢が、自分の夢になる。

ここから、少し内容に触れていくのですが、

まずこの映画を知ったとき、私はもちろんこの映画はGReeeenのボーカル4人がメインになるのだと思っていました。そしていざ鑑賞してみると、この作品の中心にいたのは、ボーカル4人というよりは、プロデューサーのJINとメインボーカルのHIDEの兄弟であり、そしてその家族だったんです。

この作品では、まさに自身もバンド活動をしていた兄のJINがどうして弟HIDEの音楽活動に携わるようになったのか、弟HIDEにデビューに至り、ヒットナンバーを出すまでにどんな葛藤があったのか、そして音楽活動に厳しかった父と子供たちをやさしく見守る母の姿が描かれます。

特にこの映画は、兄のJINが主人公と言っても過言ではないと思います。この点に関しては、この映画そのものの誕生秘話が深く関係しています。

この映画はそもそも、音楽プロデューサーJINと今作でプロデューサーを務めた小池氏の出会いが発端となって生まれたんですね。

小池プロデューサーがJINの「天性の吸引力」に惹かれたと言う事がパンフレットでも触れられています。そして、小池氏は当時是枝裕和監督の「奇跡」を担当しており、そこで助監督をされていた兼重淳さんを監督に抜擢します。

この経緯があったのでエンドロールを見てみると、製作協力に「是枝裕和」の文字が流れてきますので、ぜひ見つけてみてください。

つまり、この作品は、GReeeeNのボーカル4人の物語というよりは、彼らをプロデュースした兄JINの視点から描かれた物語という視点が強いんですね。そして、そこに弟との物語、そして家族との物語が関係してくるわけです。

昨年「シングストリート」という映画作品が話題になりました。この作品でも、主人公のコナーを精神的な面で、音楽的な面で支える兄の姿がありました。

「シングストリート」を見てあの兄の姿に心を打たれた方も多いのではないでしょうか??この作品の終盤で、音楽に挫折した兄が、これから音楽を引っ提げてロンドンへと向かっていく弟の夢に自分を重ねて、感極まるシーンがあります。

「誰かの夢が、自分の夢になる。」そんな姿に胸が熱くなります。

今作「キセキ~あの日のソビト~」でも、予告編で触れられていますが、兄は自身の音楽に挫折し、そんなどん底にいるときに、弟HIDEの曲に救われます。そして、そんな弟の夢に自分の夢を重ねていきます。

まさに「誰かの夢が、自分の夢になる。」そんな物語なのです。

そんな、松坂桃李演じる兄JINの姿に、恐ろしいほどに心を動かされます。劇中で「縁の下の力持ち」という言葉が登場しますが、誰かの夢が実現するのは、それを支えてくれた人たちの支え合ってのものなのだと言う事を改めて実感させられます。

「君の夢が叶うのは、誰かのおかげ」なんですよ。(笑)(the pillowsさんごめんなさい)

もう一つ、家族の物語として印象的なのは、父親の存在です。極めて日本的な父親像として描かれる本作の父誠一ですが、医者を生業とする彼にとって仕事というのは、人のためになる、人の命にかかわるものだという認識なんですね。だから子供に医者になるよう勧める、強いるのです。

この父親の仕事観のようなものがGReeeeNの音楽に強く影響を与えていくさまも描かれています。

また、そんな父誠一が、息子であるJINとHIDE、そして「音楽」という仕事にどのように向き合っていくのかにも注目していただきたいと思います。ラストシーンで紡ぎだされるその答えに胸を打たれること間違いなしです。

今作のメインキャストは菅田将暉と松坂桃李の2人です。この2人は撮影の2か月前からボイストレーニングに励んでいたと言う事で、ライブシーンでは非常にライブ感ある素晴らしい歌声を披露しています。

そしてGReeeeN Boysを演じるその他の3人もボイストレーニングを積んでいて、非常に音楽を主体に据えた映画としての意気込みと熱量が作品からも伝わってきました。この迫力のライブシーン、楽曲製作シーンを見るだけでも劇場に足を運ぶ価値はあると思います。

確かに映画としての完成度はあまり高くはありません。しかし、何かを伝えたい、そんなキャストやスタッフの熱い思いが込められたこの映画が持つストレートな情熱は、GReeeeNの楽曲が持っているそれと全く同じものだと思います。不器用でも、ストレートなその情熱は見ている我々を熱くしてくれます。




おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は映画「キセキ~あの日のソビト~」についてお話してきました。

この作品の主題歌には、GReeeeNが10年以上温め続けた「ソビト」という曲が採用されています。

この曲の歌詞にはGReeeeNというアーティストが楽曲を製作する意味が込められています。歌詞は劇場でこの映画を鑑賞した後にエンドロールで聞いていただきたいと思います。

中学生時代に大好きだったGReeeeNというアーティストへの思いが再び自分の中に戻ってきたように思います。

そしてそんな気持ちにさせてくれたこの「キセキ~あの日のソビト~」という映画作品に感謝の意を表すとともにこの記事を締めくくらせていただきます。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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